事例 株式会社エーシーサービス 様

更新
ロゴ イメージ

基幹システムをOCIへ「セーフティマイグレーション」
次期基幹システムのための最適なインフラを整備

  • Oracle Cloud Infrastructure (OCI)
  • Real Application Testing
  • Zero Data Loss Autonomous Recovery Service

株式会社エーシーサービス(以下、ACS)は伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)の支援のもと、オンプレミスの基幹システムを「Oracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)」へクラウド移行した。その際、OCIのサービス「Real Application Testing(以下、RAT)」も利用し、移行リスクを最小化した「セーフティマイグレーション」を実現。さらにはOracle Databaseとして「Oracle Base Database Service(以下、BaseDB)」を採用し、ライセンス管理を最適化した。他にパフォーマンス向上なども果たし、次期基幹システムの企画・開発に向けた最適なインフラを整備している。

課題と効果

課題
  • オンプレミスの基幹システムを確実にクラウド移行したい
  • Oracle Databaseのライセンス管理の煩雑さを解消したい
  • 翌朝までに終わらない夜間バッチの処理を高速化したい
効果
  • RATでリスクを事前に最小化し、セーフティマイグレーションを実現
  • オラクルのライセンス込みのBaseDBによりライセンスを全体最適化
  • 繁忙期でも夜間バッチが数時間レベルで終了可能になった

導入事例インタビューデータ

会社名
株式会社 エーシーサービス
所在地
東京都港区元赤坂一丁目2番7号 AKASAKA K-TOWER 9階
設立
1996年12月
事業内容
損害保険代理事業、住宅の設備に関する保証事業、システム関連事業、旅行事業
URL
https://www.acservice.co.jp/新しいウィンドウで開く
  • 株式会社エーシーサービス 執行役員 / システム統括部 部長、株式会社エイブルホールディングス グループ経営企画室 全社システム担当 金岩 泰樹氏

    株式会社エーシーサービス

    執行役員 / システム統括部 部長

    株式会社エイブルホールディングス

    グループ経営企画室
    全社システム担当

    金岩 泰樹氏

次期基幹システムも視野に入れつつ
オンプレミスの既存環境をクラウド移行

ACSは、賃貸仲介事業などを展開する株式会社エイブル&パートナーズを親会社に持ち、賃貸住宅の入居者様向けの付帯サービス、オーナー様向けの付帯サービス、旅行事業などを主に提供する傍ら、同列傘下にある主要事業会社の株式会社エイブルとそのグループ会社向けにITサービスを提供している。

株式会社エーシーサービス システム統括部 金岩 泰樹氏は「不動産仲介業は国土交通省が定める業法の順守とともに、入居者様とオーナー様の情報を守る安全安心も命題です。私たちはグループ各社がそれをクリアし、かつ、高い顧客満足度と生産性を実現するITサービスを、コスト最適も重視しつつ提供することをミッションとしています」と話す。

ACSがグループ会社へ提供している基幹システムはこれまでオンプレミスで構築し、長年運用してきた。現在、2030年前後の本稼働を目標とする次期基幹システムに向けたプロジェクトを進めている最中だ。

「次期基幹システムは、業法や業務形態の変化に対応できるアジリティなど、5年先10年先を見据え、業務プロセスの見直しも含めた企画から取り掛かっています」(金岩氏)

そのような中、2024年8月、基幹システムのインフラのEOSLを契機に、OCI移行プロジェクト「Revamp(リバンプ)」を実施することになった。

今回のシステム移行は、次期基幹システムプロジェクトの入り口という位置づけとなっている。「主に技術の同類性の観点から、OCIを選択しました。この移行を確実に成功させる『セーフティマイグレーション』は、現在の事業にとっても、将来の次期基幹システムにとっても欠かせないものでした」(金岩氏)

今回の移行では、オンプレミスでの課題解決にも取り組んだ。その1つがOracle Databaseのライセンス管理の課題である。金岩氏は「従来の基幹システムはグループ会社ごとにシステム戦略が異なるサイロ化の影響で、ライセンス管理が適切とはいえない運用が課題になっていました」と振り返る。

パフォーマンスの面では、新学期や引っ越しシーズンなど不動産仲介取引が重なる繁忙期を迎えると、夜間バッチ処理が朝までに間に合わない事態が起こるという悩みを抱えており、さらに稼働状況の可視性でも「個々のサーバーにログインして確認する必要がありました」(金岩氏)という課題に直面していた。

これらの課題を解決した上で、拡張性向上やコスト削減などクラウドネイティブのメリット享受も狙ったという。

OCIへセーフティマイグレーション
RATでバージョンアップ等のリスクを最小化

ACSは移行先のクラウドとしてオラクルのOCI、データベースはBaseDBを採用。さらにデータベース性能テストのRAT、データベース保護の「Zero Data Loss Autonomous Recovery Service」などOCIのサービスも導入した。

OCIを選定した理由について金岩氏は「OCIはOracleデータベースと親和性は言うまでもなく高く、確実に短期間で移行できます。しかも、OCIはRATのようなデータベース移行リスクを最小化するサービスが標準で用意されており、私たちが目指すセーフティマイグレーションに最適でした。ライセンスモデルもLI(ライセンス込み)またはBYOL(ライセンス持ち込み)と選択できることがOCIの優位性の高い独自のサービスだと思います。結果としてLIを選択しましたが、LIではライセンス管理の煩雑さや不安な面を解消できるのが魅力に感じました」と説明する。

パートナーにはCTCを選んだ。その理由について金岩氏は「CTCはインフラに強く、OCIや各種サービスの知見が豊富です。また、オンプレミス時代から当社の基幹システムを担当し、当社のシステムを熟知している点も評価しました」と語る。

Oracle Databaseは19cにバージョンアップし、データを移行。その実施前に、RATによってリスクを事前に把握・低減し、セーフティマイグレーションに努めた。

「昔はバージョンアップやデータ移行に大変苦労したものです。RATで先にインパクトを測れるのは、信頼性やコストの面で非常によいアプローチだと感じました」(金岩氏)

データ移行時はリハーサルを3度重ねた。金岩氏は「データベースの移行は、技術の観点から比較的難易度やリスクが軽減できる見込みになりましたが、様々なメタデータ・設定の移行など思わぬ移行リスクも抱えていました。当初2度のリハーサル予定を3度に変更しよう!というプロジェクト内の積極的な考えにも感謝しています。CTCと日本オラクル社も加わりどのようにリスクヘッジしながら移行するのか、徹底的に準備したことが成功要因でした」と話す。

最終的にはバッチ系をあわせ35台の物理サーバー、ストレージをすべてOCIへ移行した。

ネットワーク構成図(全体)

ネットワーク構成図(全体)

夜間バッチのパフォーマンスを向上
データベース環境が簡単に可視化、次期システムの全体最適を視野に

OCIへ移行した基幹システムは、2025年8月に本稼働を迎えた。「当初の計画通りスケジュールがずれることなくセーフティマイグレーションを実施できました。それはRATなどの技術論、リハーサルなどの実行精度、プロジェクト環境への成熟度が高かったことが背景にあります。計画通りに実施できたからこそ、次期基幹システムの構想に向けて集中して準備を進めることができていると思います。現場の担当者にとっても、まずは環境を整え、業務効率を改善していく多段階的なストーリーで実感しやすく、次期基幹システムの推進において、会社全体として協力を得やすい状況になることを期待しています」(金岩氏)

パフォーマンスについては、「バックグラウンドの処理速度が劇的に改善されました。課題であった夜間バッチも、今では数時間レベルで終了します」(金岩氏)と成果を挙げている。

稼働状況の可視化に関しても、「OCIではダッシュボードで全サーバーの状況に加え、OCI上で標準提供されるサービス、例えばLBやデータベースの健康状態が全て一元管理できます」(金岩氏)と手応えを感じている。他にもハードウェア調達や運用のコスト削減、容易で柔軟なリソース調整など、OCIのメリットを多々得られているという。

今回のOCI移行を支援したCTCに対して金岩氏は「Revampプロジェクトの初期にはプロジェクトスコープを正確に一致することができなかったり、思わぬ技術障害の解決のために急きょ人的リソースの確保をしたり、いろいろ苦労しましたが、CTCとプロジェクト体制の一体感が増す転機にもなり、Revampが完遂できました。オンプレミス時代から継続して保守を担当してきたCTCから、これまでの経験を踏まえながら、自社運用の改善の支援も受けています」と話す。

今後は基幹システムに加え、サテライトシステムも移行するなど、OCIの活用範囲を広げ、よりシナジーを生み出していく予定だ。「Oracle Support Rewardsの適用によるライセンスコスト削減も進める予定です」と金岩氏は期待を寄せる。加えて将来的には、OCIは「MySQL HeatWave」によってOracleデータベースとMySQLを併用できるため、用途や戦略に応じて適宜使い分けるなど、データベースの全体最適化の実施も視野に入れている。

そして、グループ全体のIT戦略の展望について金岩氏は「不動産仲介業は、どうしても紙文化が根強く残っていますが、契約時の身分証明にマイナンバーカードを使うなど意味のあるデジタル化の推進や改善の準備が必須です。一方で、鍵の受け渡しなど物理的なオペレーションも依然欠かせません。ビジネス全体で、入居者様とオーナー様へ安全安心を提供するレベルをより高め、『お客様から選ばれるエイブル』になるためのIT戦略に一層まい進していきます」と語った。

金岩 泰樹氏
  • Oracle、Java、MySQL及びNetSuiteは、Oracle Corporation、その子会社及び関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。NetSuiteは、クラウド・コンピューティングの新時代を切り開いた最初のクラウド・カンパニーです。

この事例に関するお問い合わせはこちら

※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。