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学校法人 東海大学 様

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東海大学

学生、教職員の健康データを「Growbase」にて一元管理、利便性と業務効率向上を両立

  • Growbase

東海大学の健康推進室は、学生や教職員の健康で快適なキャンパスライフをサポートしている。
同大学ではクラウド型健康管理ツール「Growbase」を導入して教職員が健康データを安全に一元管理を可能にする環境を整備し、2万人以上規模の予約時でも安定的に稼働できることになった。
パソコンのWebブラウザのみでなく、スマートフォンなどマルチデバイスでの対応が可能なツールを選択した。

課題と効果

課題
  • サポートするWebブラウザ(IE)のサポート終了にあわせて、新システムを本格検討
  • 複数キャンパスで同時に予約ができない機能上の問題があった。また、アクセス集中のキャパシティの問題があった
効果
  • 2万人弱が予約システムを起動しアクセスが集中しても安定的に稼働
  • 予約者の90%以上が健診を受診し、受診の待ち時間も30分以内に軽減された
  • 管理帳票をカスタマイズすることができて保健師が使いやすくなった

導入事例インタビューデータ

住所
神奈川県平塚市北金目4丁目1-1
創立
1942年
教職員数
3,589人(2023年5月現在)
学生数
27,842人(2023年5月現在)
URL
https://www.u-tokai.ac.jp新しいウィンドウで開く
  • 宮﨑 誠司氏

    東海大学

    学長室 部長(健康推進)
    学校医 体育学部 武道学科
    教授

    宮﨑 誠司氏

  • 辻 昭氏

    東海大学

    学長室(健康推進)
    課長

    辻 昭氏

  • 田村 英子氏

    東海大学

    学長室(健康推進)
    保健師

    田村 英子氏

  • 菅原 愛子氏

    東海大学

    学長室(健康推進)
    保健師

    菅原 愛子氏

  • 西村 春紀氏

    東海大学

    学長室(健康推進)
    保健師

    西村 春紀氏

健康診断の予約機能、異なるシステム間のデータ連携などに課題

総合大学として北は北海道から南は九州まで多くの学部、キャンパスを擁する東海大学。同大学の健康推進室は、学生および教職員が心身ともに健康で快適なキャンパスライフを送れるようサポートしている。学校医、産業医をはじめ、学生、教職員のそれぞれに担当保健師がおり、様々な保健サービスを提供している。

同大学 学長室 部長(健康推進)学校医 体育学部 武道学科 教授の宮﨑誠司氏は「全国に学部を擁する大学ゆえに、情報管理の部分で課題がある」と話す。従来からシステムは、「学生が履修登録などを行う学生管理システムと、教職員向けの教職員情報システムが別々に存在し、さらに、保健情報システムの3つが存在している」ということだ。

「旧保健情報システムでは、教職員向けの健康診断はシステムから予約できる運用にしていたが、学生向けの健康診断については、湘南キャンパスだけで2万人規模の学生がおり、アクセスが集中することでシステム上の問題が懸念され、予約制を実施できずにいた」と宮﨑氏は話す。

また、複数キャンパスで同時に予約システムを起動できないといった機能上の課題もあったほか、同大学 学長室(健康推進担当)課長の辻 昭氏は、「旧システムのWebブラウザがInternet Explorer(IE)しか対応できなかったため、旧システムを変更するにあたり、IE以外をサポートするシステムが検討された」と説明した。

学生、教職員の情報をクラウドで、セキュアに一元管理できるシステムを提案

湘南キャンバスの様子

新システムの選定は2022年5月頃より本格化し、数ヵ月かけて行われた。宮﨑氏は新システムに求められた要件として「キャンパスごとのデータ管理ではなく、システムをクラウドに移行して、インターネットに接続可能な環境であれば場所を問わずに、データが管理、参照できる仕組みにしたかった」と述べる。湘南キャンパスだけで2万人以上いる学生が集中的にアクセスしても安定稼働が可能で、予約などの操作をスマホから気軽に行える利便性高いシステムを、スピーディに、効率的に導入、運用したいというのがシステムに求められるポイントだった。

さらに、東海大学 学長室(健康推進)保健師たちは、「学生の保健情報は機微な情報で機密性が高い情報だ」とし、「データへのアクセス権なども厳格に、きめ細かく設定できるセキュリティ性が必要だ」と述べた。その上で、「教職員と学生の情報を、別々のシステムの導入が検討されていたが、同一のシステムで管理し、管理者側にとっても利便性の高いシステムが必要だったため、本システムが採用されることになった」ということだ。

こうした要件に対し、CTCが提案したのがクラウド型健康管理ツール「Growbase」だ。これは、組織のニーズに合わせた健康経営推進のための環境を構築。健康診断結果、ストレスチェックデータ、就労データ、面談記録などの従業員の健康情報をペーパーレスで一元管理可能なソリューションだ。

健診予約時の利便性や安定稼働性、CTCのきめ細かいサポートが決め手に

データ連携の点でも、教職員向け、学生向けなどといった別々のシステムにバラバラに管理されるのではなく、Growbaseにより、同一のシステムでデータを保管、参照、活用できることが期待された。宮﨑氏は、「パソコンだけでなく、スマホやタブレットでも健康診断の予約ができるため、場所を問わずに多様な使い方が可能で、利用者である学生や教職員の利便性を評価した」と話す。

Growbase選定の決め手として、辻氏は「他社と比較し、クラウドシステムであること、SSO(シングルサインオン)が可能なこと、マルチブラウザ対応していることが決め手となった」と話す。また、全国で約3万人、湘南キャンパスで2万人以上の学生の健康診断の予約時の同時アクセスに耐えうる安定性を備えている点も評価された。

導入に際しては、学生が就職活動の際に必要な「健康診断証明書」を最寄りのコンビニで発行するために、本学のコンビニによる証明書発行システムとGrowbaseの健康診断結果出力の連携などのシステムが構築された。辻氏は「これまでは、学校に戻って申請しなければ証明書を発行できなかったため、帰省などで地元に帰る学生は、予め多めに申請して発行する必要があった」と話す。そこで学生への利便性について重きを置いたところ、学内システムと保健情報システムの連携が不可欠であった。結果として導入サポートがきめ細やかであるCTCを選定することとなった。

Growbaseは2022年度中に導入が完了し、2023年度の学生向けの健康診断から本格運用が開始された。

学生のIoTに合わせたシステムの選定

Growbase採用により、湘南キャンパスにおける2万人以上の学生に対する健康診断を予約制で実施することができ、大幅に学生の待ち時間を減らすことができた。

辻氏は「予約者の90%以上が健診を受診し、予約制の移行は成功したといっていい」と話した。これまでは、混雑している時は受診まで2時間以上待たされることがあったが、予約制により、待ち時間は30分以内に短縮され、学生、スタッフ側にとって利便性の高い仕組みが整備された。

また、予約システムの安定稼働も効果の1つだ。「各キャンパスで並行して予約が取得できるようになり、また、既存のシステムでは予約のアクセスが同一時間帯に集中すると不安定になることがあったが、クラウド型のシステムであるGrowbaseにより、システムの不安定が解消された」と辻氏は話す。

想定外の効果としては「予約制の移行に際し、学生からほとんど操作に関する問い合わせがなかった」点だ。「いざ始まってみると、学生は予約システムに違和感なく予約を取得してくれ、予約の取り方についての質問はなくスムーズに進んだ」ということで、これにより、仕事の効率化が図れ、健康診断を行うことができたと辻氏は話した。

保健師も「Growbase導入によって予約の取り方が変わった」と述べる。以前は、最終日に駆け込みで受診する学生が多かった。これは「いつでも受けられるという考えが受診を先延ばし、最終日に混雑していたことが一因だ」ということだが、Growbase導入後は、初日、2日目が1900件を超え最終日並みの受診数となり「予約制で並ばずに受診できることで、予約行動が変わったことは大きな導入効果だといえる」と話した。

管理者側のメリットとして「データ管理の利便性が向上した」点が挙げられる。保健師は、「Growbaseにより、管理帳票を保健師がカスタマイズできるようになったので、CTCに支援してもらいながら、自分たちで使いやすく学生にも見やすい帳票改善を行うことができるようになった」と話した。さらに、データの抽出機能により「特定の診断項目で特定の判定だった人など、検索性を向上させることにつながり、健診データの分析、活用といったことにも用途を広げていくことが期待できる」ということだ。

証明書発行システム ← 健診結果面談情報:Growbase(管理者サイト).etc = 予約管理機能健康データ参照 .etc ←→ Growbase(学生・教職員サイト)

さらなる健康データ活用基盤として、継続サポートを期待

今後の展望について、保健師は「今秋には教職員向けの健康診断が控えているが、従来のシステムより予約が取得しやすくなることで、さらなる分散化が期待できる」とし、「Growbaseには、就業区分を一括入力できる機能もあるので、さらなる利便性向上に活用していきたい」と話した。

宮﨑氏は、「今後は蓄積されたデータを活用する基盤としても発展させていきたい」とし、その際には、「ビッグデータ解析など、データ活用にはプライバシーやデータ保護などのセキュリティ面に十分配慮し、安全性と利便性を両立していくことが大きな課題となる」と話した。

今後、CTCに期待することは「多言語対応」だという。辻氏は「本学は学生も職員も多国籍であり、昨今の社会背景や本学の状況を鑑みると多言語対応は標準機能として利用できることを期待している」と話した。

また、保健師は、「健康診断の結果を元にした指導はこれからの課題だ」とする。これまで健診結果に基づく健康指導などを行うには、別のシステムを使って対象者を呼び出すなどの手間や時間が発生していたが、「Growbaseには、一括メール送信機能やWeb調査機能など、対象者に直接コンタクトして対応履歴が残せる機能がある」と、こうした機能を、業務負担の軽減や健康管理の向上に活用していきたいと述べた。

さらに、保健師は「健康管理の一元化をしていくことが必要だ」と述べる。Growbaseにより既往症の情報を管理しておくことで必要なデータを検索して確認できるようになり、フォローが必要な対象者を絞り適切な診断の受診案内など、効率的な措置ができるようになった。

全キャンパスでの統合管理には、新しいシステムがどれだけ、各キャンパスの要望を吸い上げて機能実装できるかがカギを握る。「CTCにはぜひ、この点で今後も継続的な支援をお願いしたい」と保健師は要望を語った。

教職員のみなさん
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