コラム

初心者でもわかる5G

第1回 そもそも5Gとは何か?5Gの特徴って?

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「そもそも5Gとは何か?」及び、5Gの紹介で頻繁に使われる「超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続」の特徴についてご紹介します。

今回は、「そもそも5Gとは何か?」及び、5Gの紹介で頻繁に使われる「超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続」の特徴についてご紹介します。
今回のコラムに出てくる用語に関する詳細は、コラム「ネットワークインフラエンジニアから見た5Gシステム 第2回 3GPPとは - 5G標準化状況 -」に記載されていますので、そちらもご覧ください。

5Gとは

5Gは「5th Generation」の略で、「第5世代移動通信システム」のことです。 この表現方法は第3世代(3G)から一般的となりました。5Gという言葉そのものは、ほとんどの方が見聞きしていると思います。

5Gは、3GPPという国際標準化プロジェクトが標準化を行っています。標準化のベースとなる性能、コンセプト、利用シナリオはITU-Rという国連の専門機関の勧告に基づいています。

3GPPでは、5Gの無線規格を「5G NR」と定義しています。5G関連の文書を調べていると、NRという言葉が時々出てきます。専門的な知識や技術に関する説明をする場面でない限り、NR=5Gと読み替えて問題ありません。 ちなみに、ITUが定めた5Gの正式名称はIMT-2020(International Mobile Telecommunication)ですが、この名称が出てくる場面はほとんどないと思います。

5G(5G Generation):第5世代移動通信システム

3GPP(3rd Generation Partnership Project):5Gの国際標準化プロジェクト

ITU-R(ITU Radio communication Sector):国連の無線通信専門機関

NR(New Radio):5Gのこと(と解釈してよい)

IMT-2020(International Mobile Telecommunication-2020):5Gの正式名称

5Gの特徴

5Gの特徴を表す言葉として「超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続」という言葉が良く使われます。ITU-Rの勧告においても、5Gの要件として「eMBB(高速大容量ネットワーク)」「URTTC(超信頼低遅延)」「mMTC(大量端末接続)」の3つの利用シナリオを満たすこと、と定められています。

eMBB(enhanced Mobile Broadband):高速大容量ネットワーク

URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications):超信頼低遅延

mMTC(massive Machine Type Communication):大量端末接続

利用シナリオイメージ

用語だけではピンと来ないと思いますので、具体例を幾つかご紹介します。
「超高速・大容量」機能は通信速度の向上につながります。例えば、これまで数十秒かかっていたデータのダウンロードやアップロードが、同じ大きさのファイルであれば数秒で出来るようになります。

スポーツ配信やコンサート配信の映像や音声の性能も飛躍的に良くなることが期待されますし、カメラの画像もより鮮明になり、遠隔医療のサポートにつながると考えられます。
「超低遅延」機能は、離れた場所との通信がほぼリアルタイムで出来るようになります。こちらの活用が期待されているのは、自動運転や遠隔操作です。バスやトラックの自動運転、工場におけるロボットの遠隔操作等が可能になる為、人手不足や人が立ち入れない場所での作業といったこれまで実現できていないことが実現可能になることが期待されます。

「多数同時接続」機能は、人やモノからの情報を一度に大量に収集することが可能になる為、収集したデータを解析して私たちのくらしに役立てる方法が検討されています。
テーマパークやショッピングモールの混雑回避といった生活に直結した利用方法のほか、収集した情報をAIが活用して自然災害や故障を事前予測するといった使い方も想定されます。

このように、5Gはその特徴を様々な場面で活用することが期待されています。
ただし、2021年時点で販売されている製品が全てこれらの特徴を満たしているわけではありません。
5Gは段階的に機能を拡充していきます。
期待されている「超高速、超低遅延、多数同時接続」を全て満たすサービスが開始されるのは2023年頃と言われています。

5Gの今後

5Gの今後

今回は、5Gについて、最もその特徴を表す「超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続」についてご紹介しましたが、5Gはこの特徴以外にも様々な機能を持ち、4Gとは異なるシステム構成や使い方が考えられます。

次回以降、5Gと一緒に紹介されるトピックスをご紹介していきます。

著者

中島 暁子

中島 暁子

2002年入社。衛星通信運用業務を経て、2008年より地域WiMAX、Wi-Fiなど無線関連のサービス企画、プリセールス、導入作業に携わる。 現在はCTCグループの5G/ローカル5GにおいてRAN領域全般を担当。

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