ICとIT技術で可能です
スイカやパスモのように、1枚のカードで電車の乗り降りやキオスクでの買い物ができる便利な世の中になっています。こうした仕組みは、FelicaなどのICカードとIT(情報技術)システムによって構築されています。
ICカードには、認証キーと呼ばれる個々のカードを識別する情報が記録されていて、カードの読み取り機につながれたITシステムによって、そのカードが正式なものかどうか、交通カードであれば乗車した駅の情報や残金などを確認して、必要な情報を交換します。この技術を応用して、会社ではICカードによるセキュリティーを強固にした利用環境を構築しています。
例えば、入退出管理システムでICカードを利用すれば、出入り口のゲートに社員がICカードをかざすだけで、認証キーを確認してゲートの開閉を判断します。もちろん、単なるゲートの開閉だけではなく、誰がいつどのゲートを出入りしたかも、ITシステムによって記録し管理することも可能です。また、同じICカードを利用して、社内のパソコンにログオンする仕組みを構築すれば、ユーザー名やパスワードを入力しないで、カードをかざすだけで端末が使えるようになります。
このほかにも、印刷に利用するプリンターのセキュリティーにも、ICカードを応用できます。情報が不用意に外部に漏れないようにするために、印刷を実行した本人かどうかをカードで認証し出力を管理するのです。FelicaのようなICカードには、1枚のカードの中に複数の用途を組み合わせて使えるマルチアプリケーション機能が装備されています。
スイカやパスモが、電車の乗り降りだけではなく、お店での買い物にも使えるように、マルチアプリケーション機能を活用するITシステムを構築することで、1枚のカードがさまざまな利便性を提供できるのです。
(プロダクトマーケティング室 井上咲子)
- ※ このコンテンツは2008年9月4日にフジサンケイビジネスアイ紙に掲載しました。