多様化、グローバル化を進める企業。生活と仕事のワークライフバランスを考える社員。スマートフォンやタブレットの普及により時間や場所を選ばずに仕事ができる環境。このような新しい流れに対応するために、様々な所で働き方を考え直そうという機運が高まっています。
本コラムでは、「働き方変革」というテーマについて、一般的な概要に加えて、CTC社内で取り組んでいる働き方変革への取り組みと働き方をどのように変革できるのかをご紹介します。
働き方変革の潮流
表:働き方変革の検討状況
政府 |
人口減少のなか産業の担い手を生み出す目的で重点施策として設定
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企業 |
ビジネス環境の変化への対応ヘ柔軟な働き方を模索
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SI企業 |
ICTを利用した働き方変革ソリューションを提案
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上記の表は、国や企業、企業に対して提案を行うSI企業のそれぞれの立場で働き方変革がどのように捉えられているかをまとめたものです。国では、今後の労働人口の減少を見据え、ダイバーシティやテレワークをキーワードに掲げ各省庁主導の元、重点施策として働き方変革が推進され、企業ではその指針を受けると共に、グローバル化やプロダクトのライフサイクルの短期化や複雑化に対応するために効率的な働き方の検討を進めています。また、SI企業では、このようなお客様の状況を受け、ITを利用した新しい働き方を様々な製品を元に提案しています。
働き方変革へのアプローチ
働き方変革を検討する場合、SI企業はITを利用すれば働き方変革を推進できるような提案をしがちですが、実際は単純にツールを導入しただけでは思ったような結果を出すことはできません。働き方という言葉は広くとらえるべきで、変革を考える時には「働く際のルール」や「働く環境」なども含めて検討を進めて行く必要があります。「ルール」が無視されてしまうと従業員のモチベーションの低下や、セキュリティリスクの増加につながりますし、「環境」を無視してしまうと業務効率の低下やコストの増加につながります。逆にルールや環境だけを変えても効率的に変革を進めることが難しくなるため、ITを利用して効率化を図ることが重要です。このように、働き方変革を考える際にはルールや環境(ワークプレイス)、ITを一体化して検討して行く必要があります。
ワークスタイルの軸 | 内容 |
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ルール | 仕事を行う上での決まり事。社内規定やガイドラインなど以外にも、労働関連の法に基づく労働条件、基準や、組織内での文化や社風なども含む。 |
ワークプレイス | 仕事を行う際の環境全般。社員が仕事を行う場所以外にも、受け付けや会議室などのオフィス内の施設や設備も含まれる。近年では場所に縛られない仮想オフィスなども存在する。 |
IT | ポータル、グループウェア、PC、TV会議システムなど、ルール、ワークプレイスでの作業などを効率化するためのツール。 |
CTCでも自社内で様々なITシステムを導入して、働き方の変革を実践していますが、実際に導入する際には利用するためのルールや環境について合わせて検討を行っています。
CTCでの働き変革への取り組み
eWork@CTCは2005年に、CTCでのオフィス移転や会社の統合が行われた際に「セキュリティの強化」と「利便性の向上」の両立をテーマに新しい働き方を支えるための社内情報システムの総称として名づけられました。今まで各部署で個別にシステム化されていた情報システム(ID管理・ポータル・グループウェア・ファイルサーバ・シンクライアント・ワークフローなど)を一極集中し管理することで、利用ルールや運用、セキュリティレベルなどを会社の定める基準に適合させると共に、無駄なITコストの削減にも貢献しています。eWork@CTCの導入に際しては、システムを立ち上げることだけに注力するのではなく、CTCの働き方に対する文化を作るということにも力点が置かれ定着化への取り組みも継続して実施されています。
そのため、eWork@CTCは継続して社員へのヒアリングやシステム利用状況などの調査を行い、社員の求める働き方に即した形で進化を続けています。現在はよりフレキシブルに端末、場所、人を選ばずに働けるITシステムとしてeWork+@CTCというコンセプトで、次世代eWork@CTCプロジェクトを推進しています。
在宅勤務への取り組み
CTCでは、在宅勤務制度は子育てや介護支援の目的で2007年からのトライアルを経て2010年に導入されています。実施に際しては先にご紹介したシンクライアントを活用したeWork@CTCのインフラ環境の元、在宅で仕事のできる環境を準備すると共に、情報漏洩などのセキュリティリスクを抑えるための利用規定、実施にあたっての取り決めや注意点などを整備し、従業員が安心して利用できる仕組みとなっています。また、2011年の東日本大震災の際には、夏場の節電対策などでも利用条件の一部緩和を行うことで有効に活用されました。
朝型勤務への取り組み
2014年の7月から導入された朝型勤務への取り組みは、社員の働き方に対する意識改革を促す取り組みとして実施されています。実施にあたっては2013年12月からトライアルを開始し、そこで得られた社員アンケートの結果を踏まえて検討が進められ、本格的な導入に至っています。アンケートでは、大半の社員から、メリハリのある働き方の実現、業務効率の向上などのメリットを感じているとの声が出ており、目的に対する導入効果が着実に出ています。
エンタープライズシステム事業グループでの働き方変革パイロット
CTCのエンタープライズシステム事業グループでは、朝型勤務が実施されたことを受け、社員が限られた時間の中で質を落とさず、効率的に業務をこなすにはどうしたらいいのかという課題に取り組んでいます。実際に社員に勤務状況や行動上の課題をヒアリング調査して、生産性を高める行動は何かという洗い出しを行い、社外接客、情報伝達、情報検索・収集、会議・打ち合わせに使う時間の4つの行動に対して、働き方変革を進めるパイロットを実施しています。
次回のコラムでは、このエンタープライズ事業グループ内でのパイロットでの取り組みについて詳しくご紹介します。
また、今回ご紹介した社内オフィスインフラ(eWork@CTC)や実際のオフィスの様子は、オフィスツアーという形でお客様向けの見学ツアーとしてご紹介しています。
著者紹介
ITサービス事業グループ
ソリューション事業推進本部
ソリューションビジネス部
比留間 紀夫