イベント・レポート

CTC Forum 2018 講演

「デジタルテクノロジーを使いこなす」
その根底に求められる持続可能性の発想

更新

過去2世紀で2つの「パンドラの箱」を開けてしまった人類。
デジタルテクノロジーの「正しい使いこなし」こそが、持続可能性を実現するための重要な鍵に

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開催日
主催
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
講演
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 代表取締役社長 菊地 哲

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 代表取締役社長 菊地 哲

本日は少し変わった視点からテクノロジーについて語りたいと思います。それは「持続可能性」という切り口です。
国連はに「SDGs※1」という、持続可能な開発目標に向けた具体的な行動指針を採択しました。その一方で企業においては、持続可能性に着目した「ESG※2投資」が注目されるようになっています。それでは「持続可能な発展」とは、どのように定義すべきなのでしょうか。
それは「将来世代のニーズを損なうことなく、現世代のニーズを満たす発展」だといえます。

ここで石油の可採年数について考えてみましょう。私が伊藤忠商事に入社したには、石油はあと35年でなくなると言われていました。しかしにはこれが51年になっています。可採年数は技術の進歩と共に伸び続けています。実際に現在の技術的可採資源量は、石油で200年、ガスで300年もあると言われています。

しかしこれで「めでたしめでたし」というわけではありません。そもそも「人類の持続性」とは、何年のスパンで考えるべきなのでしょうか。ホモ・サピエンスが登場したのは20万年前、四大文明が生まれたのは5千年前です。200年や300年とは、スケールが全く異なります。

私たちが持続可能性を考えなければならなくなった背景には、この2世紀の間に2つのパンドラの箱を開けてしまったことがあります。19世紀には「石油」という箱を開け、いずれはなくなるものを文明で使うようになりました。20世紀には「原子力」という、コントロール不能なものに手を出してしまいました。放射性廃棄物が安全になるまで、低レベルで300年、高レベルでは10万年かかります。しかし今さら昔には戻れません。そこで考えるべきなのが、デジタルテクノロジー(IT)による解決です。しかしこの「IT」が、21世紀のパンドラの箱になる危険性もあります。シンギュラリティやサイバー・アタックについて考えれば、これが武器にも脅威にもなることがわかります。

CTCの使命は、「明日のITの可能性に挑み、夢のある豊かな社会の実現に貢献する」ことにあります。このような状況の中、持続可能性に向けてデジタルテクノロジーを「正しい方向に」使いこなす、このような取り組みを皆様と共に、しっかりと進めていきたいと考えています。

  • ※1 SDGs:Sustainable Development Goals
  • ※2 ESG:Environment, Social, Governance

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