CTC、ウォーターセルのアグリノートと連携する農産物の輸出支援サービスを開発

国産農産物の海外輸入規制への対応状況をAIで判定し、輸出拡大に貢献

2015年11月16日 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
ウォーターセル株式会社

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:菊地 哲、本社:東京都千代田区、略称:CTC)は、スマートフォンやタブレット端末から現場で農作業を記録するウォーターセル株式会社(代表取締役:長井 啓友、本社:新潟県新潟市)のクラウド型農業生産管理ツール「アグリノート」と連携した、農産物の輸出支援サービスを開発しました。国内農産物の流通業者や輸出業者向けのサービスで、アグリノートでの作業記録や使用農薬の情報などから、ビッグデータやAI技術を活用して農産物の残留農薬を成分毎に推計し、世界各国への輸出可否を判定できるサービスです。

CTCは、中長期でのビジネス創出を担う「イノベーション推進室」を中心に、豊かな社会の実現に向けてITを通したビジネス・イノベーションの創出に取り組んでいます。海外への販路拡大による農業への貢献という視点で農産物輸出支援サービスを開発しました。2016年2月から農産物の生産サイクルに合わせて1年間の実証実験を行い、2017年度での商用化を目指します。

環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)の大筋合意に伴い、政府が推進する「攻めの農業」として、国内農産物の輸出政策に注目が集まっています。しかし、海外各国では汚染物質や残留農薬*1、食品添加物等について、農産物を含めた食品安全に関する基準が異なり、農薬に関しては気候・風土等の違いにより使用する農薬の成分や使用方法にも違いがあるため、各国の基準に対する適合性の把握が困難な状況にあります。

CTCが開発した農産物の輸出支援サービスは、ウォーターセルのアグリノートからの農作業データを活用して、各国の残留農薬の基準と国内で使用されている農薬についての情報をもとに、ビッグデータやAIを活用して農産物を輸出する際のリスク判定を支援する、流通業者や輸出業者向けのサービスです。各国の残留農薬に対する基準も日本の農薬に合わせて情報提供するため、残留農薬の検査や防除歴の作成のサポートも行います。

ウォーターセルのアグリノートは、スマートフォンやタブレット端末から現場で農作業を記録できるクラウド型の農業生産管理ツールです。地図データや写真を活用して簡単に作業を記録することができ、自動集計や生育記録のグラフ化などで生産計画の策定も支援します。農薬については種類や散布回数等を農地毎に把握し、流通業者を含めた関係者で共有ができ、独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC:Food and Agricultural Materials Inspection Center) *2が提供する農薬データを利用した成分レベルでの把握も可能です。

現在、各種の情報をもとに残留農薬の判定を行うプロトタイプの開発が完了しており、CTCとウォーターセルは2016年2月から共同で輸出支援プラットフォームの有用性やビジネス性について実証実験を予定しています。

今後は、海外基準に適合する農産物の育て方や代替農法のAIを活用したアドバイスを含めて、生産者向けの機能拡充も視野に、農産物輸出支援サービスを通して国内農業の発展に貢献していきます。

農産物輸出支援プラットフォームのイメージ図

ウォーターセル株式会社について

2011年7月に設立。農業情報プラットフォームやクラウド型農業生産管理ツール「アグリノート」の開発・運営を行う。2013年度には、経済産業省の「がんばる中小企業・小規模事業者300社」にも選定された。

  • ※1 残留農薬について:農産物や田畑への農薬散布により作物などに残った農薬のこと。
  • ※2 独立行政法人農林水産消費安全技術センターについて:肥料、農薬、飼料、ペットフード等に関する安全性の検査、食品の表示等に関する検査の推進、食品や農業資材に関する情報の提供などを行う農林水産省の独立行政法人。
  • ※3 MRLについて:残留農薬の最大残留基準値(Maximum Residue Limit)のこと。国内では、その農薬を一生涯にわたり毎日摂取し続けても、人に危害を及ぼさないとみなせる体重1kg当たりの1日摂取許容量(ADI:Acceptable Daily Intake)の範囲内で農産物毎に設定されている。

本件に関連するイベント

CTCはウォーターセル株式会社と共同で、東京ビッグサイトで開催される農業生産と青果物流通技術の専門展示会「アグロ・イノベーション2015」に出展します。開催概要は以下の通りです。

イベント名 アグロ・イノベーション2015
期間 2015年11月18日(水)~20 日(金)の3日間
場所 東京ビッグサイト(東京国際展⽰場)西ホール
URL http://www.jma.or.jp/ai/ja/visitor/index.html新しいウィンドウで開く

報道機関からのお問い合わせ先

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
広報部

E-mail:press@ctc-g.co.jp

Webフォームからのお問い合わせ新しいウィンドウで開く

現在掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

  • このページについてツイッターでツイート(新しいウィンドウで開く)
  • このページをフェイスブックでシェア(新しいウィンドウで開く)