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プロセスマイニングとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

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公開日:2023.07.27

更新日:2026.05.18

プロセスマイニングとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

    プロセスマイニングとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

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    自社の業務効率化や生産性向上を実現したいと考えているのであれば、プロセスマイニングに取り組むのもひとつの手です。業務フローの改善点を抽出・可視化でき、効率的に生産性の向上を図れます。

    しかし、プロセスマイニングの手順やツールの選び方などがわからず、実践に踏み出せない方もいるのではないでしょうか。

    本記事では、プロセスマイニングの進め方やメリット・デメリット、ツールの選び方などを解説します。プロセスマイニングの実施を検討している方は、ぜひご覧ください。
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    プロセスマイニングとは?

    プロセスマイニングとは、業務システム・アプリケーションの操作ログを収集し、作業フローを可視化して改善点を分析する手法です。プロセス(Process)は過程・工程、マイニング(Mining)は採掘・抽出を意味します。

    基本的に、プロセスマイニングは専用のITツールを使って実施します。ツールと業務システムを連携して操作ログを取り込むことで、業務フローをスムーズに可視化できるからです。

    プロセスマイニングと似た用語との違い

    プロセスマイニングと似た用語として、データマイニング・タスクマイニング・BPMが挙げられます。それぞれの定義とプロセスマイニングとの関係は以下の通りです。

    用語

    定義

    データマイニング

    大量のデータの中から傾向・関連性を分析する手法。プロセスマイニングは業務フローの分析に特化しており、データマイニングから派生した手法といえる。

    タスクマイニング

    「社員のPCの操作」のような、細かいタスクの進め方を分析する手法。プロセスマイニングに比べて、より局所的な作業の効率化を目指す。

    BPM

    業務フローを改善するために、作業の流れを可視化してボトルネックを解消する取り組み。プロセスマイニングは、BPMを実現するための分析手法といえる。

    正しく使い分けるために、それぞれの役割を理解しておくことが重要です。

    プロセスマイニングの進め方

    プロセスマイニングの4ステップと継続的な業務改善のサイクルを示す図

    ここからは、プロセスマイニングの基本的な進め方を、4つのステップに分けて解説します。スムーズに実践できるよう、全体の流れを押さえておきましょう。

    1. ログを収集する

    まず、業務で使用しているツールやシステムから「いつ、誰が、何をしたか」などの記録にあたるログを収集します。そして、収集したログから以下の3つを抽出し、イベントログを作成します。

    • ケースID:アクティビティを識別するためのID

    • アクティビティ:作業の内容

    • タイムスタンプ:アクティビティが発生した日時

    プロセスマイニングツールによって、ログとして収集できる作業の種類・粒度が異なるため、自社の作業内容に合うものを使用することが大切です。

    2. プロセスの内容を精査する

    抽出した業務プロセスの内容を精査し、改善できるポイントを見つけ出すフェーズです。プロセスマイニングツールを用いてイベントログをフローチャート化し、業務の見える化を図ります。

    「ルールから逸脱した業務の取り組み方をしていないか」「緊急時にはどのような対応をしているのか、といった部分をチェックしましょう。見える化された取り組み方を精査することにより、対応に誤りがあり、無駄に作業時間が長くなっているポイントを発見できる可能性があります。どのような対応をしていたかだけでなく、なぜそのアクションが必要になったのか、といった部分の確認も必要です。

    無駄な工数が多く発生している業務プロセスも抽出しましょう。なぜ工数がかかりすぎているのか、業務量に対してリソースは適切に分配されているのかも確認します。

    3. 問題点の優先順位付けを行う

    前のステップで、問題があるプロセスを抽出できました。しかし、ボトルネックの数が多い場合、改善の取り組みを一度に進めるのは困難です。

    そこで、どのプロセスから解決するか、優先順位をつけましょう。現状の工数が多く、改善によって大きな業務効率化が期待できるものや、すぐにでも取り組みを始める必要があるものなどを優先するのが基本です。

    4. 業務改善と効果測定を行う

    問題のあるプロセスを特定したら、改善を行います。その後、処理時間や待ち時間、ボトルネックの解消状況などをもとに、プロセス全体の改善状況を確認します。改善が不十分な場合は、再度原因を分析し、追加の改善策を検討しましょう。

    プロセスマイニングが重要な役割を持つ理由とは?

    現在の日本は少子高齢化が進み、労働人口が減少しつつあります。内閣府が発表した「令和7年版高齢社会白書」では、生産年齢人口である15~64歳の割合が年々減少していることが示されています。

    内閣府「令和7年版高齢社会白書」からの生産年齢人口の推移グラフ

    出典:D庁ウェブサイト(https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2025/gaiyou/pdf/1s1s2s.pdf)、PDL1.0(https://www.digital.go.jp/resources/open_data/public_data_license_v1.0)

     

    加えて、賃金の引き上げや物価高騰の影響で、以前より採用活動へ投資するのも難しくなりつつあります。株式会社帝国データバンクが実施した「2024年度の雇用動向に関する企業の意識調査」では、正社員の採用予定がある企業が前年より減少していることが判明しました。

    帝国データバンク「2024年度の雇用動向に関する企業の意識調査」結果表

    出典:2024年度の雇用動向に関する企業の意識調査|株式会社 帝国データバンク[TDB]

     

    採用活動が厳しくなっている中、企業が限られた人員で利益を確保するには、業務効率化に取り組み、各社員の生産性を向上させる必要があります。そこで、社員の操作ログから改善点を分析することで、明確な根拠をもとに業務効率化を進められる、プロセスマイニングが注目されています。

     

    プロセスマイニングのメリット

    プロセスマイニングを実践することで、具体的に次のようなメリットが得られます。

    業務効率化を実現できる

    プロセスマイニングの大きなメリットは、業務プロセスを可視化し、効率的に業務改善を進められる点です。従来のように担当者へのヒアリング調査や資料作成を行わなくても、ツールがイベントログを自動で収集するため、抜け漏れのない形で業務プロセスを把握できます。その結果、低コストで業務の可視化や効率化を実現できるようになります。

    顧客満足度の向上につながる

    業務プロセスが効率化されることにより、サービス品質の向上につながる点もメリットです。たとえば、問い合わせへの対応を迅速化できるほか、商品の納期短縮なども期待できます。こうした改善によって顧客の利便性が高まり、顧客満足度の向上につながる可能性があります。

    働き方改革の推進に役立つ

    プロセスマイニングによる業務効率化が働き方改革につながる流れ

    プロセスマイニングは働き方改革の推進にも有効です。業務の無駄や問題点を可視化して改善を進めることで、従業員一人ひとりの負担を軽減できます。残業時間の削減や労働時間の短縮が進めば、従業員が働きやすい環境を整えることが可能です。採用力の強化や離職率の低下も期待できます。

    プロセスマイニングのデメリット

    プロセスマイニングは多くのメリットがある一方で、導入・運用にあたって注意すべき点もあります。ここでは主なデメリットを紹介します。

    ツールの導入コストがかかる

    プロセスマイニングは、基本的に専用のツールを用いて実施するため、初期費用やサブスクリプション費用がかかります。また、導入作業や保守・運用に一定の工数がかかる点も注意が必要です。

    導入を検討する際は、ツール費用だけでなく、社内で運用を担う担当者の確保や運用体制の整備もあわせて検討しましょう。コストの観点から全社的な導入が難しい場合は、特定の部署や業務プロセスに限定して導入する方法もあります。

    成果が出るまでに一定の期間を要する

    プロセスマイニングで業務を効率化するには、ログの収集や業務フローの改善、効果測定を繰り返し、継続的にPDCAサイクルを回す必要があります。そのため、導入してすぐに成果が出るとは限らず、一定の期間をかけて取り組むことが求められます。

    導入初期はログデータの整理や分析の精度調整などが必要になるため、短期的な成果だけでなく、中長期的な視点で業務改善を進めることが重要です。

    プロセスマイニングの活用事例

    プロセスマイニングはさまざまな業務で活用できます。ここでは、代表的な次の5つの業務での活用事例を紹介します。

    • 営業プロセスの見直し

    • 工場の生産管理

    • コールセンター業務の最適化

    • 金融機関の審査業務の効率化

    • ECサイト運営における注文対応の最適化

    営業プロセスの見直し

    営業プロセスの商談から見積提出までのボトルネックを示すフロー図

    顧客開拓から商談、受注決定、アフターフォローなどの営業プロセスにおいて、ボトルネックを発見・解消する際にプロセスマイニングが役立ちます。顧客管理システムの操作ログを分析することで、ステータスの遷移ごとにどの程度の時間がかかっているかを可視化でき、時間がかかっている工程を把握することが可能です。

    たとえば、「商談中」から「見積提出」までに多くの日数を要している場合、商談プロセスにボトルネックがあると考えられます。この場合、営業プロセスの進め方や提案資料の作成方法を見直したり、営業担当者間でナレッジを共有したりすることで、プロセスの改善につながる可能性があります。

    また、一定期間以上ステータスが進まない場合に上司へ相談するルールを設けるなど、営業活動の進捗管理を強化することも効果的です。

    工場の生産管理

    工場での製造活動に時間がかかっている場合、プロセスマイニングを活用することで、どの工程で生産が滞っているのかを把握できます。生産設備や作業工程のイベントログを分析することで、各工程の処理時間や待ち時間を可視化し、ボトルネックとなっている工程を特定することが可能です。

    たとえば、特定の工程で処理時間が長くなっている場合、その工程に設備トラブルや作業効率の低下といった問題がある可能性があります。設備の点検や作業手順の見直しなどを行うことで、生産効率の向上につながるかもしれません。

    コールセンター業務の最適化

    コールセンターでは、問い合わせ対応に時間がかかる原因を把握するためにプロセスマイニングが活用できます。問い合わせ対応の履歴やシステム操作のログを分析することで、対応プロセスの流れや各作業にかかる時間を可視化し、対応時間が長くなる原因を特定することが可能です。

    たとえば、特定の問い合わせで情報検索に時間がかかっている場合、その作業工程がボトルネックとなっている可能性があります。よくある質問を整理してFAQを整備したり、ナレッジ共有を進めたりすることで、問い合わせ対応の効率化につながります。

    金融機関の審査業務の効率化

    金融機関におけるローンや融資の審査業務は、事前審査や本審査、契約時のチェックなど、複数の工程で構成されています。プロセスマイニングでは、審査業務のイベントログを分析することで、各工程の処理時間や待ち時間を把握し、審査プロセスのどこで時間がかかっているのかを特定可能です。

    たとえば、特定の審査工程で処理が滞っている場合、その工程の業務量や承認フローに課題がある可能性があります。業務手順の見直しや承認プロセスの改善を行うことで、審査期間の短縮につながることが期待できます。

    ECサイト運営における注文対応の最適化

    ECサイト運営では、注文受付から出荷までの業務プロセスを分析することで、配送の遅れにつながるボトルネックを把握できます。注文処理や出荷作業のイベントログを分析すると、各工程の処理時間や待ち時間を可視化でき、時間がかかっている工程を特定することが可能です。

    たとえば、ピッキングや出荷準備の工程で作業時間が長くなっている場合、その工程がボトルネックとなっている可能性があります。作業手順の見直しや倉庫内の動線改善などを行うことで、出荷業務の効率化につながります。

    プロセスマイニングツールを選ぶ際のポイント

    プロセスマイニングツールを選定する際は、複数の観点から検討することが重要です。ここでは、ツール選定時に確認しておきたい主なポイントを6つ紹介します。

    分析機能の内容

    プロセスマイニングツールの分析機能として、過去比較やAI推測の例

    まず、分析機能の内容を確認することが重要です。

    ツールによって、過去のパフォーマンスとの比較や担当者ごとの処理状況の分析など、搭載されている分析機能はさまざまです。中には、集計結果からAIがボトルネックを推測する機能を備えているツールもあります。

    自社の業務課題や分析したい内容をあらかじめ整理しておくことで、必要な機能を備えたツールを選びやすくなります。

    既存システムとの連携可否

    利用中の業務システム・データベースと連携できるかも重要な確認ポイントです。連携に対応していない場合、操作ログを取り込むためのプログラムを自社で開発する必要があり、導入作業に時間やコストがかかる可能性があります。

    業務改善後のモニタリング機能の有無

    プロセスマイニングツールの中には、業務改善後の状況を継続的に確認できるモニタリング機能を備えたものもあります。ダッシュボードで改善効果を可視化したり、変更した業務手順が適切に運用されているかを確認したりすることが可能です。

    業務改善のPDCAサイクルを継続的に回すためにも、改善効果をスムーズに測定できるモニタリング機能の有無を確認しておきましょう。

    ツールのUIや操作性

    ツールのUIや操作性も、重要な選定ポイントです。画面デザインがわかりにくかったり、操作が複雑だったりすると、利用が定着しない可能性があります。

    UIや操作性は、実際にツールを使ってみることで判断しやすくなります。無料トライアルが用意されている場合は積極的に活用し、操作感や画面の見やすさを確認しましょう。

    料金プランの内容

    自社の予算内で継続的に利用できる料金体系かを確認することも重要です。サブスクリプション型の場合、初期費用だけでなく長期的な運用コストも踏まえて検討する必要があります。

    また、ユーザー数や分析するデータ量などに応じて、料金プランが変動する場合もあります。自社の利用規模を想定したうえで、総コストを把握しておくことが重要です。

    サポート体制の有無

    プロセスマイニングツールを選ぶ際は、サポート体制も確認しておくことが重要です。社内システムとの連携方法やデータ抽出の手順など、導入時には不明点が生じるケースも少なくありません。

    ベンダーによっては、ツールの操作方法だけでなくデータ分析の進め方まで支援している場合もあります。社内に専門人材が少ない場合は、活用支援まで提供しているツールを選ぶと安心です。

    プロセスマイニングを実施する際のポイント

    プロセスマイニングを効果的に活用するには、導入前の準備や改善施策の進め方が重要です。ここでは、実施時に意識したい主なポイントを3つ紹介します。

    現場の社員の理解を得たうえで実施する

    プロセスマイニングを実施する際は、事前に現場の社員に目的やメリットなどを説明しておくことが大切です。場合によっては「業務を監視されるのではないか」といった懸念を持たれることもあるため、業務効率化や改善が目的であることを明確に伝えましょう。

    現場の理解を得ておくことで、業務プロセスに関する情報を共有してもらいやすくなり、スムーズに実施できます。

    業務改善の目標を設定しておく

    あらかじめ業務改善の目標を設定しておくことも重要です。たとえば「リードタイムを10%短縮する」「残業時間を20%削減する」など、数値を含めた具体的な目標を設定すると効果を測定しやすくなります。

    目標が明確であれば、優先的に改善すべきプロセスを判断しやすくなり、効率的に施策を進められます。

    業務改善時にRPAの導入を検討する

    ボトルネックを特定した後は、その改善手段としてRPAの導入を検討するのも有効です。RPAは、データ入力や書類作成などPC上の定型作業を自動化できるソフトウェアです。たとえば、Excelへのデータ転記や報告書作成などの業務を効率化できます。

    特に事務作業がボトルネックになっている場合は、RPAによって作業時間の削減が期待できます。

    プロセスマイニングで社内の業務効率化を推進しよう

    本記事では、プロセスマイニングの概要や進め方、メリット・デメリット、ツール選定のポイントなどを解説しました。

    プロセスマイニングを実施すると、操作ログに基づいて業務フローを分析でき、ボトルネックを特定しやすくなります。ボトルネックを解消した後は、効果測定やさらなる改善などを通じて、継続的に業務を効率化しましょう。

    特に、ボトルネックとなっている作業がPC上の定型業務である場合は、RPAによる自動化も有効な改善手段の一つです。

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    執筆者情報

    産業ソリューション事業グループ

    産業ソリューション事業グループでは、企業が社会課題・企業課題・ビジネス課題、それぞれのレイヤーにおいて解決すべき課題を設定し、ITによる解決策発見を支援する業界トレンドや先端テクノロジー、導入事例などをご紹介します。

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