事例・コラム

上田八木短資株式会社 様

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オールフラッシュ構成のストレージ仮想化によりI/O遅延が解消し5倍の性能向上を実現

  • VMware vSAN™

に創業し、金融機関同士の資金取引の仲介や債券などの貸借取引、CP売買などを行い、日本の金融市場における円滑な資金証券取引に貢献している上田八木短資株式会社。ミッションクリティカルな基幹システムの可用性を高めるためにサーバを仮想化したが、新たにストレージに関する課題が発生したため、ストレージの仮想化ソリューション「VMware vSAN™」(以下、vSAN)を導入。I/O遅延の解消や、5倍のI/O性能向上を達成し、基幹システムの帳票作成時間も大幅に減少するなど、ユーザー業務の効率化にも繋がっている。

課題と効果

課題
  • HDの故障に関する予兆検知のアラートが頻繁に発生
  • アラートが発生する度にサポートのエンジニアを呼んでHDの入れ替えが必要
  • 業務ピーク時には、平均1000msec相当のI/O遅延のアラートが上がる事もあった
ストレージ仮想化「VMware vSAN™」導入により、安価にオールフラッシュ構成のストレージ環境を構築
効果
  • ストレージに関するアラートが発生しなくなった
  • ベンチマークテストで導入前比5倍のI/O性能向上を確認
  • 帳票作成時間が従来の1/4になるなど、エンドユーザー業務の効率化が図れた

導入事例インタビューデータ

会社名
上田八木短資株式会社
所在地
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1丁目2番3号
設立
1918(大正7)年 6月
URL
https://www.ueda-net.co.jp/新しいウィンドウで開く
  • 上田八木短資株式会社 情報システム部長 佐藤 勝利氏

    上田八木短資株式会社

    情報システム部長

    佐藤 勝利氏

  • 上田八木短資株式会社 情報システム部 業務推進役 長田 憲治氏

    上田八木短資株式会社

    情報システム部 業務推進役

    長田 憲治氏

  • 上田八木短資株式会社 情報システム部 栗山 大輝氏

    上田八木短資株式会社

    情報システム部

    栗山 大輝氏

サーバの仮想化で可用性が高まったがストレージの運用で課題が発生

上田八木短資では、にVMware vSphere®によるサーバの仮想化を導入している。通常、サーバ仮想化の目的はシステムリソースの有効活用などになるが、同社がサーバの仮想化を導入した一番の目的はシステムの可用性・可搬性の向上にあった。同社は日々膨大な量の資金や国債の決済を行っているため、もしシステムトラブルが発生すると金融市場全体に多大な影響を及ぼすことになる。したがって、サーバ仮想化の命題は、「どこでもシステムが稼働出来る環境を作ること」であった。同社情報システム部長の佐藤 勝利氏は、仮想サーバ導入の経緯を次のように話す。

「サーバ仮想化の検討を始めた後に、3.11の東日本大震災が発生しました。これを受け災害対策を含めて考えると、東京のみで常時システムが稼働出来る保証は無いと判断し、大阪でもシステムのフル稼働が出来る環境を構築することをサーバ仮想化の要件として盛り込みました」(佐藤氏)。同一構成の東京と大阪の2カ所のデータセンターで常にサーバイメージ・データを同期させ、障害発生時にはどちらかのセンターで容易に稼働できる可搬性の高いシステム環境の構築も、仮想サーバであればコストを抑えながら実現出来ると判断した。

こうして、サーバの仮想化基盤を構築した同社だが、一方で、仮想化システムを5年間運用する中でいくつかの問題が出てきた。その1つがハードディスク(以下、HD)の故障に関する予兆検知の頻発であった。5年間で30回弱くらいのアラートが上がり、多い時は1年で10件のアラートが上がっていたという。アラートが発生すると、その都度メーカーのエンジニアを呼び、HDを点検の上、交換しなければならない。加えて、万一複数のHDに多重障害が発生すると、ストレージ装置自体が動かなくなるという心配もあった。

また、仮想化システム構築当初はストレージ容量に50%程度の空き領域を確保していたが、サーバ数やデータ量の増加により、ディスク占有率は9割近くまで達していた。さらに、ハードディスクドライブ(以下、HDD)ゆえのディスクI/O遅延も発生し、1000msec程度の遅延が発生する時もあったという。

このようなことから、同社では低コストでHDDをオールフラッシュのストレージに入れ替え、なおかつサーバ単位に分散されたリソース構成とすることで、筐体レベルの障害が起きても連続稼働ができるようストレージの仮想化を行うことにした。

「サーバの仮想化にはVMwareのソリューションを採用していたため、ストレージの仮想化についてもVMwareのソリューションであれば同一カーネル中で実現が出来るため、vSANの導入を検討することにしました」(佐藤氏)

仮想ストレージ導入に対する提案の質の高さがCTCを選んだ決め手

同社では、vSANの導入を検討する以前から、伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)が主催するVMware製品関連のセミナーにも積極的に参加して情報を収集していたという。には選定を終え、には仮想ストレージ導入のプロジェクトがスタートした。そして、に構築が完了し、から移行を開始。2カ月で移行を完了させている。

仮想ストレージ導入のパートナーにはCTCを選定。その理由について佐藤氏は、CTCによる提案の質の高さを評価している。「仮想ストレージ導入のプロジェクトが立ち上がる1年ほど前にCTCのvSANに関するセミナーがありました。とても充実した内容で、CTCにもシステム導入ベンダーの候補になってもらいたいと思いました。セミナー後、まだ1年先の導入計画であったにも関わらず、当社の環境調査やニーズの把握を行うなど、とても熱心に対応していただきました。また、vSANに関する知識も豊富であり、オーバーヘッドなども考慮されたきめ細かい提案をいただき、その提案の質の高さにも感心しました」(佐藤氏)

I/Oスループットが大幅に向上 年間保守費は3割削減

vSANの導入によって同社ではいくつもの効果を実感している。ストレージシステムをHDDからオールフラッシュ構成にしたことによってアラートが発生することもなくなり、ストレージ装置を無くしたことにより、年間の保守費が導入前に比べて3割程度削減されている。同時に、パフォーマンスの向上も顕著に現れている。以前のストレージシステムと、今回導入したvSANのIOPS(1秒あたりに処理できるI/Oアクセスの数)を比較したところ、導入後は約5倍の性能向上を実現している。佐藤氏は他にも、日常業務において次のような業務効率化が図れていると話す。

「エンドユーザー部門においても一部画面のレスポンス向上を実感出来ているようですが、明確に違いが現れたのは帳票作成の時間です。通常一括で大量の帳票を出力するのですが、以前は20分かかっていた処理が、フラッシュ構成のvSAN導入後には5分程で終わるようになりました。情報システム部にとっても、夜間バッチ処理に従来は3時間近くかかっていたのですが、vSAN導入後は2時間以下に短縮され、これにより運用時間の余裕ができ、万一バッチ処理に時間がかかる事態が生じたとしても翌日に業務影響が生じるリスクの低減化に繋がりました」(佐藤氏)

vSAN導入後のシステム構成

vSAN導入後のシステム構成図

マルチデータセンターの次はビジネスインフラの構築

同社では、サーバからストレージへと仮想化の対象を広げていったが、次の段階ではネットワークの仮想化の導入も視野に入れている。その背景について佐藤氏は次のように語る。

「昨今、新たなビジネスモデルに関するアイデアがどんどん生じて来ています。そのような新たなニーズに応えるためには、さまざまな金融機関のネットワークなどに接続し、外部からデータを収集する必要もあり、システムのネットワーク構成を変更せざるを得ないケースもあります。その場合、従来のネットワークインフラでは、外部のベンダーに頼み物理レイヤの定義を変更してもらうなどの必要が生じるため、見積もり取得から対応まで1カ月以上かかってしまう場合もありました。更に相応のコストも必要となってきます」(佐藤氏)

そこで、ネットワークの仮想化を導入すれば、外部ベンダーに頼ることなく、社内においてGUIベースなどで定義変更が可能になる。仮想マシン間の通信も、物理的なファイアウォールを経由させるよりも仮想レイヤ内で行う方が効率的かつ柔軟な通信制御ができ、セキュリティ面でも安全性の向上を達成しやすい。

「CTCはVMware NSX®(以下、NSX)で豊富な導入実績があることも、ストレージの仮想化の際にCTCをパートナーに選んだ理由の1つにもなっています。次のネットワーク更改の際には、当社もNSXを導入したいと考えており、すでにその相談に応えていただいているので大変助かっています」(佐藤氏)

同社の今後の展望として、佐藤氏は次のように語った。「当社ではお客さまに安心して取引を行っていただくため、東京と大阪にマルチメインのデータセンターを構え、常時両データセンター間でシステムを同期させながら運用し、年1回は片方のセンターのみで1週間稼働させる実負荷検証も行うなど、災害時においても事業継続が可能なシステム環境を構築しています。このような構成を支える仮想化技術には大変満足していますが、今後はネットワークの仮想化も実現させ、更にビジネスインフラとしてのソフトウェア領域の進化と合わせ、ビジネス変化のスピードを支えるシステムモデルの構築を更に進めて行きたいと考えています」(佐藤氏)

導入製品・ソリューション

  • VMware vSAN™(2018年度)
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