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大規模データの分析基盤を「Amazon Redshift」に移行
性能は既存のオンプレミス並みで運用コストは2分の1に

テレビ/ラジオの視聴率調査を担うビデオリサーチは、大量の調査データを分析するための基盤として、「AmazonWebServices(以下、AWS)」のデータウェアハウスサービス「AmazonRedshift」を採用しました。これまで利用してきたデータウェアハウスアプライアンスからAmazonRedshiftへ移行したことで、分析性能を維持しながら、運用コストの大幅な低減、柔軟なリソース拡縮によるコストコントロールなどを実現しています。

課題と効果

課題
  • これまで分析に使用してきたデータウェアハウスアプライアンス「IBM Netezza」が保守切れを迎え、新たな基盤を選定・導入する必要が生じた
  • 今後のデータ増に備えて、IBM Netezzaと同等の性能を持ちながら、リソースの拡張がより柔軟に行えるソリューションを探す必要があった
  • 運用コストの適正化という観点から、データウェアハウス基盤のリソースをオンデマンドで増減させられるようなソリューションが必要だった
Amazon Redshiftを採用
効果
  • 向こう5年間におけるデータウェアハウス基盤の運用コストを2分の1に圧縮することが可能になった
  • クラウドサービスであるAmazon Redshiftの採用で、運用管理業務が大幅に効率化された
  • CTCの技術支援により、Amazon Redshiftへのスムーズな移行が実現された

導入事例インタビューデータ

会社名
株式会社ビデオリサーチ
所在地
東京都千代田区三番町6-17
設立
1962年9月20日
URL
https://www.videor.co.jp/新しいウィンドウで開く
  • ビデオリサーチ株式会社 IT・技術推進局 IT1部長 太田 雅氏

    ビデオリサーチ株式会社

    IT・技術推進局 IT1部長

    太田 雅氏

  • ビデオリサーチ株式会社 IT・技術推進局 IT1部 辻 水月氏

    ビデオリサーチ株式会社

    IT・技術推進局 IT1部

    辻 水月氏

アプライアンスの保守切れを機に新たな選択肢を模索

株式会社ビデオリサーチは、テレビ番組やラジオ番組など、マスメディアの視聴率調査を担う企業です。1962年に広告代理店と民間放送各社の共同出資により設立され、現在は地上波テレビ放送と衛星放送の視聴率調査を行う日本で唯一の企業として業界を支えています。同社が毎週発表する番組平均世帯視聴率の調査結果は、番組の制作者/スポンサー、ひいては社会全体に大きな影響力を持っています。

また、同社では2016年10月から、視聴者が録画した番組の視聴率「タイムシフト視聴率」の調査を本格的に始動させ、放送と同時の視聴率「リアルタイム視聴率」と合わせた「総合視聴率」として発表しています。

これらの視聴率調査では、調査協力世帯(モニタ)の「誰が、いつ、どの番組を視聴したか」など、視聴者の年齢・性別などの属性を含め、詳細なデータが取得されます。そのデータはホストシステムに蓄積・集計され、さまざまな角度から分析されます。そのような視聴率分析用の基盤として、ビデオリサーチではこれまで、IBMのデータウェアハウスアプライアンス「IBM Netezza」を利用していました。

 「当社では2012年にIBM Netezzaを導入し、視聴率分析などに活用してきました。IBM Netezzaの性能は高く、申し分のない働きをしてくれていましたが、保守切れの時期を迎え、データ分析基盤の新たな選択肢を模索し始めたのです」(ビデオリサーチ IT・技術推進局 IT1部長 太田 雅氏)。

PoC検証でAmazon Redshiftの実力を確認 リソース拡縮の自由度の高さで導入を決定

ビデオリサーチでは2017年の年初から新たなデータ分析基盤の選定作業に着手しました。同社が検討した選択肢は大きく2つありました。1つは、既存のIBM Netezzaを最新版の「IBM PureData System for Analytics」にリプレースすることです。そしてもう1つは、IBM Netezzaの代替となりうるクラウドサービスを採用することです。

「IBM Netezzaは、特殊で複雑なSQLでも高速に処理してくれる優れた性能を備えています。ただ一方で、我々はデータ分析基盤の初期導入コストや運用管理の手間・コストを極力低減したいと考えていました。そこで、IBM Netezzaと同水準のパフォーマンスが発揮できるクラウドサービスも探したのです」(ビデオリサーチ IT・技術推進局 IT 1部 第1グループ 辻 水月氏)。

こうして同社は、IBM Netezzaの導入ベンダーである伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と相談を重ね、IBM Netezzaの代りとなりうるクラウドサービスの提案をCTCに求めました。それに応じてCTCが最終的に推奨したのがAWSのデータウェアハウスサービス「Amazon Redshift」の活用です。

「CTCとの検討を進める中で、我々は性能を中心にAmazon RedshiftのPoC(概念検証)を進めました。結果として、IBM Netezzaを凌駕するレベルではないにせよ、Amazon Redshiftの性能がIBM Netezzaとほぼ同等の水準にあり、我々の実用に十分耐えうることが確認できました。加えて、Amazon Redshiftならば、リソースの拡張も柔軟に行えますし、必要に応じて使用するリソースを増減させコストを適正化していくことも可能です。その辺りが決め手になり、Amazon Redshiftの導入を正式に決めたのです」(辻氏)。

この時点では、IBM Netezzaの保守切れまでにまだ時間的な猶予がありました。そこでビデオリサーチでは、IBM Netezzaからのデータ移行を含むAmazon Redshiftの導入作業を、約2カ月の時間をかけて慎重に進めました。
「この間、トライ&エラーを繰り返しながら作業を進めましたが、データ移行/導入の作業は想像していたよりもかなり楽に完遂できました」(辻氏)。

運用管理業務の効率化に大きな効果 運用コストは2分の1に

Amazon Redshiftをベースにした新しいデータ分析基盤は2017年12月に完成しました。この基盤は主としてタイムシフト視聴率の分析に用いられ、最大22ノードによるクラスタを成しています。

Amazon Redshiftの運用開始からまだ間もないものの、同サービスはさまざまな導入効果をビデオリサーチにもたらしつつあります。その一つは、運用コストの適切化です。

「当社のデータ分析基盤は、土日休日や深夜の時間帯にはほぼ利用されません。ですから、これらの時間帯にはAmazon Redshiftのサービスを意図的に停止させ、無駄な出費を抑えるようにしています。またリソースも自由に変更できるので、分析業務に影響が及ばない程度にスペックを意図的に落としてコスト削減につなげています。我々が試算したところ、5年間トータルの運用コストは、IBM Netezzaを使った場合の2分の1程度に圧縮できると見ています」(太田氏)。

さらに、クラウドサービスならではと言える運用負荷の軽減効果も小さくとないと辻氏は続けます。

「Amazon Redshiftの導入により、ハードウェア障害を気にする必要がなくなりました。基盤の運用管理の業務はかなりのレベルまで効率化できたと考えています」(辻氏)。

また、ビデオリサーチでは、Amazon Redshiftの導入・運用を支援したCTCのサポート体制も高く評価しています。

「CTCとはIBM Netezzaのときから取引関係にありますが、Amazon Redshiftを導入するに当っても、CTCの豊富な知見、ノウハウにかなり助けられました。しかも、技術的な面で困ったことがあると、すぐに対応してくれます。こうしたサポート品質と技術スキルは、扱うのがオンプレミスのIBM Netezzaであっても、クラウドのAmazon Redshiftでも変化はなく、そこに大きな信頼感・安心感があります」(辻氏)。

そんなCTCのサポートを後ろ盾に、ビデオリサーチでは今後、自社の視聴率データだけでなく、外部データを取り込んだデータ分析へとシステムの幅を広げていくことも視野に入れています。また、タイムシフト視聴率の調査対象も日本全国へと拡大しつつあり、Amazon Redshiftによる分析対象データは、ますます増大していくことが予想されています。そうした大規模データの分析基盤として、拡張性に優れたAmazon Redshiftはこれからも重要な役割を演じていくことになりそうです。

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