コラム

クラウドを知る

~第2回 クラウドサービスTechnoCUVIC~

更新

CTCのクラウドサービス「TechnoCUVIC」の担当者が、クラウドについて自由に語ります。

2010年03月25日

前回に引き続きクラウドコンピューティングに関するコラムをお届けします。
第2回は、2008年4月から提供しておりますIaaS型クラウドサービスTechnoCUVIC(テクノキュービック)について紹介させていただきます。

TechnoCUVICとは

TechnoCUVICは、CTCが提供する仮想化技術を駆使したホスティングサービスです。
CTCデータセンターにてサーバ、ストレージ、ネットワークなどのシステム基盤を構築し、仮想化技術を用いてサーバ、ストレージ、ネットワークを、インターネットを介してお客様に月額課金にて提供するインフラ・サービスです。

このような、ITインフラをサービスとして提供する形態を、クラウドコンピューティングの分類では、Infrastracture As A Service: IaaS(イァースと発音されることが多い)と呼んでおります。※1

  • ※1 クラウドコンピューティングは、提供するレイヤーごとにIaaS(インフラ層), PaaS(プラットフォーム層), SaaS(アプリケーション層)というサービスに分類されることがあります。これら以外にも、デスクトップ環境をサービスとして提供するDaaSも存在しており、これらクラウドサービスをまとめてXaaSという言い方も存在します。

TechnoCUVIC立上げ前夜

CTCは、これまで顧客専用のITインフラの構築について強いアドバンテージを持っていました(もちろんこれからも)。しかしながら、ITの将来を見据えたとき、顧客は所有することから利用する方向へシフトするのではないかと考えるようになりました。

CTCでは、数年前からITをサービスとして提供する形態(ASPからSaaS、ホスティングからユーティリティサービス等)について研究を続けておりました。その研究メンバーの1人が、後にTechnoCUVICの企画リーダーとなる筆者です。

研究の中で、ASPから次世代SaaSへ、ホスティングから次世代ユーティリティサービスへ発展するには、複数顧客を1つのシステムで提供するマルチテナント化が必須であるということが導き出されました。顧客個別対応ではなく、複数顧客に標準的なサービスを提供することでコストを低減しつつ、品質を高めていく手法を見出したのです。

ITインフラの領域で、このマルチテナント化を実現する重要な技術が仮想化技術でした。2005年、時を同じくして、サーバ仮想化技術が日本にも上陸しはじめておりました。筆者はこの仮想化技術にいち早く注目し、社内にて技術研究・検証体制を整え推進いたしました。特に仮想技術のグローバル・リーダーであるVMware社との協業はその後、国内で初めてGlobal System Integrator契約を締結するに至ります。

仮想化技術は、瞬く間に企業システムを刷新していきました。多くの企業にて仮想化技術を用いて数十台、数百台のサーバを統合し、企業内のシステム基盤を共通化・標準化することによりインフラコストの大幅削減という効果をもたらしました。

筆者はこれら仮想化技術を用いたサーバ統合案件を通して、この劇的な効果を、広く多くの顧客にサービスとして提供するのがCTCのミッションではないかと確信いたしました。

技術検証は十分に行なわれていましたし、構築・運用実績はすでにありました。サービス企画にも自信がありました。残るは強靭なデータセンターとシステム運用技術でした。

CTCは、堅牢なデータセンターと長年のシステム運用実績をもつ専任部隊を有しております。仮想化インフラ技術と自社データセンター、そしてシステム運用ノウハウ、これらを有機的に結合すれば…。

「機は熟した」と筆者が確信したのが、2007年の暑い夏でした。
まだクラウドコンピューティングという言葉が日本では語られる前でした。※2

  • ※2 日本でクラウドコンピューティングについて、一般的に議論され始めたのは、ニコラス・G・カー著による「クラウド化する世界」の邦訳が2008年秋に出版された頃ではないかと思います。昨今の爆発的な流行の前、当時はITベンダーからではなく、海外ニュースや海外サービスから静かにクラウドコンピューティングが広がっていったように感じます。

TechnoCUVICの特長

このように多くの期待のもと立ち上げたTechnoCUVICサービスですが、お客様に以下の点をメリットとして提供するよう設計いたしました。

迅速な提供

提供までの納期(リードタイム)を可能な限り短縮するよう設計いたしました。平均的には5営業日、最短で1日にて提供することも可能です。

柔軟なシステム拡張とスモールスタート

提供する仮想サーバや仮想ストレージはいつでも拡張・縮小できる柔軟なサービスとして設計いたしました。そのため、数年後は拡張するけれども当初は小さく始める(スモールスタート・スケールアウト)というビジネススタイルに最適です。

ビジネスに適したご契約パターン

年間契約に加えて、1ヶ月単位の月次契約も提供できるようにいたしました。開発環境などの一時利用やキャンペーン・繁忙期などの特定シーズンのみの利用などビジネス環境に合わせてご契約いただくことが可能です。

完全冗長化による高可用性

サービスを支える基盤システムはすべて冗長化構成となっており、高い可用性(サービス稼働率)をお客様に提供いたします。例えば、仮想サーバは、複数の物理サーバにてクラスタリングされており、単一物理サーバの障害時も10分以内に自動的に復旧(再起動)されます。仮想ストレージは、RAID-6構成による冗長化及び別システムへの完全バックアップとデータ保護については3重化構成となっております。

仮想化技術によるセキュアなパブリックサービス

TechnoCUVIC内で構成されるお客様のシステムは、サーバリソース、ネットワークなどすべて仮想化技術により論理的分割がなされております。提供する仮想サーバは他社のサーバ負荷を受けることがありませんし、ネットワークについても各社仮想ネットワークセグメントを提供する為、論理的にネットワーク・セキュリティが担保された構成にて提供いたします。

明確なSLA

TechnoCUVICは、お客様にSLA 99.9%のSLAを提供しております。

上記の通り、TechnoCUVICでは国内の厳しいシステム要件に適合するよう独自にサービスレベルを規定し、海外クラウドサービスではカバーしきれない可用性やセキュリティを保障しております。
SIerとして国内の数多くのお客様のシステム構築に携わった実績を持つCTCが自信をもって提供するクラウドサービスが「TechnoCUVIC」です。

日々進化するTechnoCUVICサービス

TechnoCUVICでは、2年前のサービス開始以降、多くのサービスメニューの充実を進めてきております。

TechnoCUVIC Lite+

国内主要ISP、IXと直結する高信頼性・高効率のCTCインターネット・バックボーンを、安価なベストエフォート型にて提供いたします。また、Webサービスにて必須となるFirewall機能を標準装備としております。
CUVIC Lite+により24時間365日のWebサービスをより迅速により低価格にスタート可能となりました。

TechnoCUVIC Pro

CTCが提供するPaaSサービスです。OS、ミドルウェアを含むプラットフォームまでのシステム構築、運用サービスをトータルで提供いたします。TechnoCUVIC上で構築されるシステム運用についてもアウトソースいただくのに最適なサービスとなっております。

次回は、TechnoCUVICの活用事例を紹介させていただきながら、クラウドサービスのお客様にとっての本当のメリットについて詳しくお話させていただきたいと思います。

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