コラム

クラウドを知る

~第3回 クラウドサービスの活用事例~

更新

CTCのクラウドサービス「TechnoCUVIC」の担当者が、クラウドについて自由に語ります。

2010年03月31日

最終回となる第3回では、TechnoCUVICの事例を紹介させていただきながら、クラウドサービスの活用方法についてお話させていただきます。

ビジネス・ニーズに合った最適なインフラ

TechnoCUVICは2008年4月のサービス開始以来、多くのお客様にご利用いただいております。特に、インターネットをベースとしたWebサービス・ビジネスのお客様にご好評をいただいております。
新規のWebサービス・ビジネスを開始されるお客様のご要件は、初期は小さくスタートし、ビジネスの拡大に合わせてインフラを柔軟に、低コストで拡張することです。そのためTechnoCUVICサービスはまさにWebサービス・ビジネスのお客様にぴったりフィットすると考えております。
いくつかの導入効果など事例をもとに紹介させていただきます。

WebサービスA社様事例:新規コンテンツ配信サービス立上げ

2009年4月より新規のコンテンツ配信サービスを開始。大容量かつ多数のコンテンツの配信を想定し、当初、大規模なストレージおよびネットワーク帯域を設計されておりました。しかしながら、コンテンツは徐々に増えていくため当初は1/100と小規模なストレージ容量で構わないこと、ネットワーク帯域も同様ということで、CTCではスモールスタートでの提案をさせていただきました。お客様は想定外のコンテンツ追加やトラフィック増加を当初心配されておりましたが、TechnoCUVICではストレージをシステム停止することなく瞬時に拡張可能であることを説明し、心配を払拭いただきました。現在までに数度の拡張を繰り返しながら、お客様のビジネス・ニーズにあわせた最適なインフラを提供させていただいております。

アプリケーションベンダーB社様事例:新規SaaSビジネス立上げ

B社様は、自社のアプリケーション・パッケージをベースに全く新しいアプリケーションサービス(SaaS)の立上げを計画・実行されようとしておりました。非常に強力なアプリケーションをお持ちでしたが、SaaSビジネスの立上げには、アプリケーションを稼動させるためのインフラを所有し、それらを24時間365日保守・運用する必要がありました。B社様では、アプリケーション開発をコア・コンピタンスにされているため、インフラ運用の体制を一から構築されるのにはコストと時間が掛かりますし、サービス提供についても不安をお持ちでした。このままでは事業計画が実行できない。

そこでCTCでは、インフラ運用をTechnoCUVICにてアウトソーシングするという提案をさせていただきました。アプリケーションに強いB社様とインフラ運用をコア・コンピタンスにしているTechnoCUVICとの組み合わせは強力なタッグを生みました。自社で体制を構築される場合に比べてコストを1/2に低減、何よりもサービス立上げを当初の事業計画通りに進めていただくことができました。

パブリック・クラウドをプライベートのように

TechnoCUVICでは、Webサービス系システムだけではなく企業システムの利用も増加しております。これまで業務システムやイントラシステムなど社内システムをパブリック・クラウドを利用して外出しすることについては、お客様に抵抗感がありました。
TechnoCUVICでは、明確なSLAや性能保証など国内の企業システム要件に合致するサービス・レベルを規定し、パブリック・クラウドであるTechnoCUVICをお客様のプライベート・クラウドのように安心してご利用いただいております。

金融情報会社C社様事例:既存システムのP2V移行案件

保険会社C社様では社内で稼動している多数の部門システムをデータセンターに移設することを検討されておりました。当初、CTCデータセンターのラック・コロケーションをご利用いただきサーバを移設される設計をされておりましたが、移設するサーバの多くが古く、一部にはH/WやOSのサポートが切れているサーバも存在しておりました。
そこでCTCでは、物理サーバをP2VにてTechnoCUVIC上の仮想環境に移行する提案をさせていただきました。TechnoCUVICをご利用いただくことで最新のサーバ上で稼動することができ、これまでH/Wサポートが切れていたサーバも仮想化による冗長化(HA構成)により可用性を向上させることができます。
特にお客様に喜んでいただいたのは、P2Vにより既存システムを全く改変することなく“そのまま”移行することができたことでした。一からシステムを再構築するよりもはるかに低コストでシステム移行が実現できました。

流通会社D社様事例:新規EDIシステム、DC構内における基幹システムとの連携

流通会社D社様では、新規にEDIシステムを構築されようとしておりました。関連会社に提供するデータは、基幹システムから抽出され、インターネット経由、WAN経由、VPN経由など多数のネットワークを介して配信されます。もちろんシステムは24時間365日無停止、99.9%の可用性を保障する必要がありました。
システム設計上の問題は、関連会社数やアクセス量を見積もることができず、サーバを何台用意すればよいか分からないというものでした。
要件的にはクラウド・サービスの利用に向いてはいましたが、基幹システムとの連携が必要であり、パブリック・クラウドの利用にあたっては、セキュリティ面に強い不安をもたれておりました。

CTCでは、自社データセンター構内で基幹システムと直接接続できるTechnoCUVICを提案させていただきました。データセンター構内で接続することで、セキュリティを完全に保ちながら、高い可用性と拡張性を持ったTechnoCUVICのインフラを利用することが可能となりました。また、海外のクラウドを利用するときに問題となるネットワークの遅延や不安定に悩まされる心配もありません。
お客様からはTechnoCUVICが規定するSLA99.9%についてもご評価いただいております。IaaS層で99.9%、お客様のアプリケーション層で更なる冗長化を実現することで、システム全体として99.999%を実現されております。

パブリック・クラウドであるTechnoCUVICをCTCデータセンター内で連携することによりお客様専用のプライベート・クラウドのようにご利用いただく事例は、現在急激に増えております。

お客様にご提供する本当の価値

TechnoCUVICはサービス提供開始からすでに2年という実績を積んできました。多くのお客様の案件を通してTechnoCUVICも成長させていただいております。

特に嬉しいのは、数社のお客様にてTechnoCUVICを全社の共通プラットフォームとして採用いただいていることです。
TechnoCUVICという均一化されたクラウド・サービスをご利用いただくことで、社内に点在するばらばらなITシステムの標準化や共通化を強く推進しようというものです。
大企業のIT部門ではシステム統合・共通基盤化を進めることで、IT部門のプロセスや品質を改善し全社としてTCOを削減するというプライベート・クラウド化の流れがありますが、中堅・中小企業ではそもそも自社でインフラを所有せずに、TechnoCUVICをご利用いただくことで、よりビジネスに最適な、俊敏なITインフラ環境の整備を進めていただいております。

クラウドサービスの利便性、スケーラビリティ、コストという直接的な価値だけではなく、企業システムの中で本当の共通インフラストラクチャに採用いただき、ITシステムの基盤を支えられるパートナーになることがTechnoCUVIC及びCTCに求められる最大の価値提供なのではないかと考えております。

最後に

全3回のコラムをお読みいただきありがとうございました。
クラウドコンピューティングは、次世代の技術をサービスという形態で分かりやすく、便利に多くの方に利用いただくという点で、これまでのIT技術よりもリアルにお客様のITシステムから人々のライフスタイルまで変化させる可能性があります。
インターネットの登場がそうだったように、CTCでは、劇的に変化するクラウド環境の中で常に最新の技術と洗練されたサービスを提供できるよう努めていきたいと考えております。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。

  • このページについてツイッターでツイート(新しいウィンドウで開く)
  • このページをフェイスブックでシェア(新しいウィンドウで開く)

このコラムに関するお問い合わせはこちら

※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。