Facebookが設計したハードウェアであるOpen Compute ProjectとOpenStackなどのオープン&スタンダードな技術を組み合わせた次世代ITインフラ「Open Cloud Package」をご提案します。
Open Compute Project (OCP) とは?
Open Compute Project (以下OCP) はFacebookがにサーバーなどのハードウェアの設計図や仕様のオープンソース化を推進する非営利組織として発足したコミュニティです。このコミュニティでは最も効率の良いコンピューティングインフラストラクチャを最も低コストで実現することをビジョンとしています。
OCP 体制/メンバー
OCPはFacebookをはじめ、150社を超えるさまざまな企業が参加する大きなコミュニティに成長しています。メンバーはFacebook, Goldman Sachs, 米Rackspaseなどのユーザー企業をはじめ、米インテル、米IBM などのハードウェアベンダー、米Microsoft、米VMware などのソフトウェアベンダーなどの幅広いユーザーが参加しています。
OCPのコミュニティの中には、サーバー、ストレージ、ネットワークといった製品分野ごとにプロジェクトがあり、各プロジェクトにおいて、それぞれハードウェアの仕様や設計について議論が行われ、仕様が決定します。時点で、OCPの仕様に基づいて製品化されたハードウェアはラック、サーバー、ストレージ、ネットワークスイッチがあります。
OCPは仕様策定の議論に参加するユーザー以外にManufacture, Solution Providerと呼ばれる役割があります。ManufactureはOCPの仕様に基づいて製品を製造するユーザーであり、Solution ProviderはManufactureが製造したOCP製品の販売、およびシステムインテグレーション(SI)、構築、保守サービスといった役割を提供します。
CTCは国内唯一のOCP Solution Providerの認定を受けており、OCP製品の販売、SI、構築、保守サービスなどをご提供しています。
OCPのメリット
- 省電力
- 省スペース
- メンテナンスの容易性向上
省電力
OCPの仕様に準拠した機器をラッキングするためにはOCP専用のラック(OpenRack)を利用します。汎用IAサーバーはサーバー本体にパワーサプライ(電源装置)を個々に搭載していますが、OCP専用ラックであるOpenRackではサーバーが個々に持つパワーサプライをラックレベルに集約し、集中電源にてAC-DC変換を一括で行い、バスバー経由で各機器に電源を供給します。
パワーサプライの特性として変換効率は高出力状態になればより高い変換効率になります。現在の多くの汎用IAサーバーは冗長構成が取れるものが多く、冗長構成の場合、常時2台のパワーサプライが稼働するため高出力状態になった場合でも各パワーサプライにおける出力状態は最大でも50%になります。
それに対し、OCPのOpenRackに搭載されている集中電源ではサーバーが個々に持つパワーサプライをラックレベルで集約するため、高出力状態になり高い変換効率が得られます。変換効率が高いことは消費電力を減らせるだけでなく、発熱を抑え、冷却に必要なパワーや騒音を減らし、パワーサプライの負荷も軽減できるメリットがあります。
また多くの場合、商用電源(AC:交流)からUPS(無停電電源装置)に供給され、UPS内部で交流(AC)→ 直流(DC)変換後、蓄電、再度直流(DC)→交流(AC)に変換後、サーバーへ電源供給します。サーバー内部では、交流(AC)→直流(DC)に変換、マザーボード、CPU、メモリー、HDDなどの各部品に供給します。つまり現在の電源システムでは、交流 → 直流 → 交流 → 直流と3段階の変換が発生します。
交流(AC)と直流(DC)の変換には、一般に10%~20%程度のロスが発生すると言われています。OCPのOpenRackではラック内の集中電源において交流(AC)→直流(DC)へ変換し、ラック背面にあるDCバスバーを介してサーバーに直流給電する方法を採用しています。
このため商用電源からサーバーまで間の交流(AC)と直流(DC)の変換回数を抑えることが可能であり、変換ロスによる無駄な電力消費を少なくしています。OCPのOpenRackによってサーバー機器に直接給電することにより、高い電力効率を実現し、省電力を叶えます。
メンテナンスの容易性向上
OCPのサーバーやストレージは、メンテナンス時の操作性においても配慮された設計になっています。交換可能なパーツのうち、80%のパーツが3分以内で交換可能であり、交換作業時はドライバーや専用ツールを使わずにメンテナンスが可能です。
また、ネットワークインタフェースなどもも全てラック前面に配置されているため、ケーブル配線や機器の増設、故障時のメンテナンス作業などは全てラック前面から行うことができるため効率的に作業できます。
ツールレスで、かつラック前面からだけで作業ができるということは、技術者1人当たりで作業できるサーバーやストレージ台数増加が可能であり、大規模環境で利用した場合でも少ない技術者で運用できるというメリットがあります。
省スペース
OCPのサーバー、ストレージは省スペース設計であり、ラック内に搭載できるサーバー、ストレージの台数を高めることが可能です。
従来の19インチラックの場合、2Uのスペースに1Uのラックマウント型サーバーが2台搭載可能であり、42Uのラックで最大42台になります。一方、OCPのサーバーは2OU当たり3台の場合で18OUになり54台、2OU当たり4台なら18 OUで72台も搭載可能です。
ストレージ(JBOD:Just a Bunch Of Disks)の場合、19インチラックでは、2Uのきょう体に3.5インチディスクを12本搭載する汎用ストレージで、1ラックに252本搭載可能ですが、OCPの21インチラックでは、1ラックに392本も搭載可能です。
CTCの役割
CTCは国内初のソリューションプロバイダーの認定を受けています。OCPによって正式に認定を受けた製品を製造メーカーから調達、販売します。弊社にてオプションの組み込み、ラッキング、初期不良検査を行ったうえでお客様のサイトへご提供します。また米国OCPからの最新情報、データセンター関連の最新動向などもご紹介いたします。
トピックス・関連リンク
-
プレスリリース:CTC、国内で初めてOpen Compute Projectの取扱いを開始
-
プレスリリース:CTC、OCP仕様のハードを使用した次世代ITインフラ「Open Cloud Package」を提供開始
-
プレスリリース:Yahoo! JAPANのOpenStack基盤に、Open Compute Projectが初採用
-
プレスリリース:Yahoo! JAPANのビッグデータ基盤にOpen Compute Projectを活用した大規模インフラ基盤を構築
-
プレスリリース:CTC、村田製作所、NTTデータ先端技術が共同でOpen Compute Projectに準拠したラックシステムを開発