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|特集|イノベーションが切り拓く、豊かな未来

【特別対談】阪根 信一 × 澤登 寿

新たなイノベーションで社会はもっと豊かになる

──
イノベーションの勢いがこれからますます増していくとすると、それは私たちの社会をどう変えるでしょうか。
澤登
日本は比較的豊かで安定していますが、世界を見れば、貧困、教育格差、環境破壊といった大きな問題がいくつもあります。一方で、先にお話したように新たなイノベーションが今後増えていくとすると、それによって解決できる問題も増えるはずです。きっとその先に、今以上に豊かな社会があると信じています。CTCの理念は「明日を変えるITの可能性に挑み、夢のある豊かな社会の実現に貢献する」ことですが、私たちはそのような思いで日々の業務に取り組んでいます。ビジネスの中で、SDGs(持続可能な開発目標)で掲げられている諸々の課題もITで解決し、社会を豊かにしていくことが願いです。
阪根
世の中の戦争は「スポーツ戦争」と「経済戦争」だけになるべきだと思っています。後者では、新しい技術、良い製品を世に送り出すために大勢が懸命に競い合う。それが健全な世界であり、その活性化のためにも、私たちは人々が本当に求めるものを作らなければならないと考えています。一方で、人工知能の技術が発展しすぎると危険なのではないかという意見もありますが、新たな技術が生まれてより高度になっていくことを、100%肯定しています。学生時代に生物学を学び、人間をはじめ、自然の生命体がいかに高度なものかを感じてきたからです。生物の神秘さからすれば、人間が作り出した技術は、最先端の人工知能にしてもまだおもちゃのようなものでしかありません。だから、過剰な心配はせずに、新しい技術や製品をもっと生み出し、より便利で豊かな社会を作り出すべきでしょう。
──
イノベーションの勢いがこれからますます増していくとすると、それは私たちの社会をどう変えるでしょうか。
澤登
人工知能と人間との関係で言えば、"人間は合理的ではない"というのが大きな違いであり、ポイントかもしれないと思います。それこそが人間の面白さであり魅力であり、いくら技術が発展しても変わらないでしょう。合理的なことはどんどんロボットが自動で行うようになっていくかもしれませんが、合理的ではない部分を扱うのはやはり私たち人間です。
阪根
そうですね。人工知能がすごいといっても、まだ服の山の中のどれがTシャツかが簡単には判別できないという段階です。それがいくら発達しても、人間の役割はきっと今のまま大きくは変わらないと確信しています。一方で、自分が生きてきた40数年を振り返ってみると、技術のお陰で私たちの生活は本当に豊かになったと痛感します。そしてまだまだ、私たちの社会は豊かになれる可能性を持っています。そう信じて、これからもイノベーションを起こし続けられるように、力を尽くしたいと思っています。
澤登
イノベーションもITも私たち人間にとってのものです。そこさえ見失わなければ、私たちの社会はきっと技術によってもっと豊かになれる。私もそう信じています。
阪根氏と澤登氏
  1. クラウドコンピューティング
    インターネットに接続された複数のコンピュータを通じて、データのやり取り、保存、サービスの利用などを行うこと。目の前で操作するパソコンや携帯端末などだけでは実現できない高度な計算や、インターネット上の他のコンピュータ資源にデータを保存することなどがこの方法によって可能になる。単にクラウドとも呼ばれる。

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