CTCロゴ
トップ

/

記事

/

AIエージェント時代の業務可視化 AI×タスクマイニングによる業務改善とは?

高度AI

公開日:2025.10.31

AIエージェント時代の業務可視化 AI×タスクマイニングによる業務改善とは?

    AIエージェント時代の業務可視化 AI×タスクマイニングによる業務改善とは?

    この記事をシェア

    近年のDXの潮流の中で、データ活用に注目が集まっています。その中で、PC操作ログデータを活用した「タスクマイニング」は、業務の実態を可視化し、最適化を実現できる有効なツールです。

    さらに、生成AIやAIエージェントの普及により、タスクマイニングの進め方も高度化しています。

    今回は、PC操作ログのデータを活用したタスクマイニングの基礎から、AIを応用した最新の業務改善アプローチまでを詳しくご紹介します。
    AI×タスクマイニング上部

    1. PC操作ログの分析手法「タスクマイニング」とは 

    業務可視化や業務改善に活用できる「タスクマイニング」は、客観的な実データにより業務改善策を検討できる手法として注目されています。

    タスクマイニングの概要

    タスクマイニングとは、従業員が日々行うPC操作ログを自動収集・分析し、業務に潜む非効率や無駄な作業を可視化して改善につなげる手法です。

    PCの操作ログは、アプリ起動やクリック、キーボード入力、ファイル保存といった利用者の細かな処理を記録しています。主観に頼りがちなアンケートやインタビューに対し、客観的なデータを分析に利用できる点がタスクマイニングの特徴といえるでしょう。

    タスクマイニングが注目されている背景

    タスクマイニング自体には十数年の歴史があり、さまざまな企業で採用されてきました。昨今、構造的な人手不足を背景とした生産性向上ニーズが高まる中、タスクマイニングに取り組む企業も徐々に増えています。

    タスクマイニングを採用する企業が増えている理由は、従来の業務改善手法における課題を解決できる手法であるためです。

    従来のアンケート・ヒアリングベースによる業務改善では、「現状把握に時間が掛かりすぎる」「改善効果があいまい」「そもそも効果測定も難しい」といった課題がありました。一方、PCの実データを用いるタスクマイニングは、データ収集に時間をかけず、かつ定量的に業務改善を進められます。

    現場の実データからボトルネックを特定しつつ、改善策の効果も根拠を持って評価できるタスクマイニングに注目が集まっています。

    タスクマイニングとプロセスマイニングの違い

    タスクマイニングに関連する概念として、プロセスマイニングという手法も知られています。

    プロセスマイニングとは、ERPやCRMなどのシステムのイベントログを用いて、業務プロセス単位で全体のフローを俯瞰し、改善に取り組む手法です。対して、タスクマイニングはオフィス製品やメール、チャットツールといったローカルアプリの操作を分析し、オフィスワーカーの日常業務を人間単位で詳細に可視化します。

    関連記事:プロセスマイニングとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

    俯瞰的に分析するプロセスマイニングに対して、タスクマイニングはより詳細な情報を分析すると理解するとよいでしょう。

    タスクマイニングとプロセスマイニングは補完的関係にあり、両者を組み合わせるアプローチも有効です。より細かな作業ベースでのデータを基にした業務全体の可視化・最適化を実現できます。

    関連記事:客観的事実をもとに業務を可視化・改善! 「プロセスマイニング」と「タスクマイニング」

    タスクマイニングとプロセスマイニングの違い比較図

    2. タスクマイニング導入後のよくある課題

    タスクマイニングには以下のような課題もあります。

    データの加工が難しい

    PCの操作ログは一人あたり1日に千件以上、組織全体では数万件にのぼることもあります。また、OSの自動処理やバックグラウンドアプリの動作ログなど、業務とは直接関係のないノイズが混在しています。

    そのため、タスクマイニングによる業務改善を進める前に、不要データの除去や操作しているアプリ名の正規化といった下処理が必要です。

    大量のPC操作ログの確認には、BIツールを利用する方法もあります。しかし、誰でもツールを使いこなせるとは限りません。Excelをはじめとする汎用ツールでデータを見やすくするために、地道に結合・クレンジングを実施しなければならないこともあります。

    結果をどのように見ればよいのかわからない

    タスクマイニングで収集・可視化された操作ログは、ExcelやPowerPointなどのアプリ単位での作業状況を定量化しますが、具体的にどのプロセスを改善すればよいかを示すわけではありません。

     結果として、「このデータを見て何をすべきなのか」という戸惑いが生まれやすいのも事実です。

    可視化しても改善につながらない

    業務フローの停滞箇所や繰り返し操作を明らかにした後の作業は、人に委ねられます。改善策の立案や効果測定は最終的に人に委ねられます。業務知識や改善経験を持つ担当者が社内にいなければ、適切な効果測定や有効な改善策の立案につなげるのは難しいでしょう。

    結果として、人的なボトルネックにより改善活動が進まないというケースが見られます。

    3. CTCの提案する「AIタスクエージェント」

    これらの課題の解決には、タスクマイニングとAIの組み合わせが有効です。近年では、AIの役割をさらに進化させた「AIエージェント」が注目されています。AIエージェントを活用すれば、タスクマイニングの進め方をより高度なものへ発展させられます。

    そもそも、AIエージェントとは?

    AIエージェントとは、複数のAIモデルや機能を統合し、与えられた目標に向けて判断・行動できるソフトウェアシステムです。自律性が特徴であり、曖昧な指示に対しても自律的に対応します。

    AIエージェントは、自身の環境を把握して、収集した情報から最適な手段を選択しつつ、タスク完了までの進捗を管理し、自律的に作業を進めていきます。

    CTCが提案する「AIタスクエージェント」

    AIエージェントとタスクマイニングを組み合わせることで、タスクマイニングにおける課題をAIエージェントが解決し、実施効果を高められます。

    CTCでは、タスクマイニングをサポートするAIエージェントを「AIタスクエージェント」と定義しています。AIタスクエージェントは、日々のPC操作ログやPC操作動画/画面をベースに、AIによる分析と対話インターフェースを組み合わせて業務可視化と改善提案を自動化する仕組みです。

    AIタスクエージェントの概念図

    AIタスクエージェントの動き

    AIタスクエージェントがどのようにタスクマイニングをサポートするのか、その概要をご紹介します。

    1. データの生成

    AIタスクエージェントを活用する前段階として、まず各PCにインストールされたコントロールモジュールが、ExcelやPowerPoint、メール、Zoomなどの利用状況を操作ログとして収集し、データ化します。この工程により、膨大なPC操作ログをAIタスクエージェントへ渡せるようになります。

    2. AIタスクエージェントへのインプット

    次に、データをAIタスクエージェントにインプットします。具体的には、大規模言語モデル(LLM)※1とRAG※2により、テーブル化されたログから「業務の分類・グルーピング」「プロセスマイニング用のデータ生成」「作業時間や繰り返し操作の可視化」などを行います。

    3. 分析結果の確認

    分析結果の確認は、ブラウザ上のチャット風UIから行います。例えば「今週のPowerPoinの作業量はどうなっていますか?」とAIタスクエージェントに問いかけるだけで、結果を回答してくれます。グラフを用いたレポートの作成も可能です。

    4. 改善策の提案

    AIタスクエージェントは、ボトルネックやムダのポイントを抽出したり、プロセスマイニングに活用できるタスクフローを組み立てたりすることもできます。対話を通して改善策を改善する、といった利用方法も可能です。

    5. 改善策の実行

    AIタスクエージェントに指示を出せば、AIワークフロー※3を実現するコードの作成といった改善策の実行も支援します。タスクマイニングによる分析結果を踏まえた、業務の自動化・最適化の実現につなげられます。

    ※1:大規模言語モデル(LLM):膨大なテキストデータを学習したAIであり、数十億以上のパラメータを持ちあらゆるインプットを解釈して処理できるモデル。

    ※2:RAG:Retrieval-Augmented Generationの略称であり、大規模言語モデルが学習していない外部のドキュメントを大規模言語モデルにインプットすることで、その内容を基に応答やテキストを生成できる手法。

    ※3:AIワークフロー:業務プロセスの各ステップにAIを組み込み、自動化や最適化を実現する仕組み。

    AIタスクエージェントが実現すること

    AIタスクエージェントを活用すれば、「データの加工が面倒・難しい」「結果をどのように見ればよいのかわからない」「可視化しても改善につながらない」といった課題も改善可能です。

    AIタスクエージェントは、PC操作ログを自動収集し、加工から可視化、分析、改善提案までをAIが半自動で実行します。従来必要だった工数を、大幅に削減できるでしょう。

    また、対話型でAIタスクエージェントとやり取りすれば、PC操作ログをベースとした業務改善の検討も可能です。AIタスクエージェントが抽出した要点を確認すれば、分析結果そのものを確認するよりも容易に結果を把握できます。さらに、可視化した結果を用いたコードの自動生成といった改善策の実行も可能です。

    CTCでは、必要なデータの収集から施策の実装までをAIが担い、人間は要件定義と意思決定に専念できる環境を作ることを目指しています。

    4. CTCの提案するAIタスクエージェントのユースケース

    一般的なタスクマイニングは、4つのSTEPで取り組みを進めていきます。

    タスクマイニングのフロー図

    STEP1「アプリの利用/稼働状況の可視化」については、一般的なタスクマイニングの取り組みでも課題となることは少ないでしょう。

    しかしながら、STEP2「業務状況・タスクフロー可視化」やSTEP3「改善点抽出・施策検討」、STEP4「実行・モニタリング」に行き詰まってしまう企業が多く見られます。

    AIタスクエージェントは、これらの各STEPを支援可能です。以下では、PC操作ログの分析による業務の可視化・業務改善について、各STEPにおけるAIタスクエージェントのサポートイメージを解説していきます。

    STEP1「アプリの利用/稼働状況の可視化」

    どのアプリがどの程度使われているかを定量的に把握します。PC操作ログから利用アプリの種類や稼働時間を定量的に可視化することで、工数管理を簡素化し、改善余地のある業務を特定するための基盤を整えます。

    STEP2「業務状況の可視化・タスクフロー可視化」

    PCの操作ログには不要なレコードが多く含まれるため、そのまま分析しても精度は上がりません。

    AIタスクエージェントが高い精度で分析できるように、まずは事前のデータ整備を行いましょう。具体的には、無関係なデータを削除し、ログの内容を検証して必要な要素だけを抽出します。これにより、AIが読みやすいクリーンなデータセットが整備され、解析精度が向上します。

    並行して、ヒアリングベースで業務とアプリを紐づけましょう。各アプリを利用して何の業務を行っているかを整理することも、AIタスクエージェントの精度向上のために有効です。

    ここまでで整備したデータをAIタスクエージェントにインプットすると、業務分類ごとに業務時間を累計し、月単位で誰が何にどれだけ時間を費やしたかを集計できます。

    また、得られたPC操作ログの時系列データを基に、タスクフロー図を自動生成することも可能です。タスクフロー図を作成すれば、一連の作業において、どこに時間が集中し、どの工程で停滞が起きているかを把握しやすくなります。

    PC操作ログから抽出した業務タスクフロー

    STEP3「改善点抽出・施策検討」

    課題点の抽出や施策検討の際には、チャット形式でAIタスクエージェントと対話しながら整理を進めます。

    ここでは、AIタスクエージェントを業務改善コンサルタントとして振る舞わせます。前STEPでインプットしたタスクマイニングのデータを用いて、グラフや表にまとめた整理結果を自動生成させます。

    ユーザーの作業は、「可視化と要因分析を行い、課題改善策を提案してください」といった内容をプロンプトで指示することだけです。AIタスクエージェントが業務状況の分析結果の出力から要因分析、タスクの自動化案まで行ってくれます。

    さらに、AIタスクエージェントが洗い出した課題に対して、「なぜそれを課題としたのか根拠を示して」といった指示を追加で出せば、課題の深掘りも可能です。

    チャットによる指示とAIタスクエージェントの回答

    STEP4「実行・モニタリング」

    業務改善施策には、業務の廃止や手順の見直し、自動化といったさまざまなアプローチがあります。ここでは、業務改善施策の一例として、Difyによる「AIワークフローの開発」を紹介します。

    オープンソースのAIアプリ開発プラットフォームであるDifyのAIワークフローは、PC操作ログの可視化を起点として、プラットフォーム上で業務フローやボットの自動化を構築できる仕組みです。ユーザーは、Dify上で利用する生成AIモデルを選択し、分析済みのデータをアップロードして設定を整えるだけで、ボット開発からデプロイまでを実行できます。

    AIタスクエージェントは、このようなAIワークフローの開発のためのスクリプト作成も可能です。タスクマイニングで明らかとなった改善策を踏まえ、業務フローの改善を実行するところまで、AIタスクエージェントが支援します。

    関連記事:生成AIのビジネス活用:業務効率支援から有能なコラボレータへ

    5. まとめ

    生産性向上や業務効率化のニーズに対し、タスクマイニングは有用なアプローチといえます。一方で、タスクマイニングには、「データの加工が必要」「結果の確認が難しい」「実際の改善につながらない」といった課題があるのも事実です。このような課題に対しては、本記事でご紹介したAIの活用が有効な解決策となります。

    CTCが提唱する「AIタスクエージェント」によるサポートで、タスクマイニングにおける課題を解決し、実効性のある業務改善を実現できます。AI×タスクマイニングによる業務可視化・業務改善にご興味のある方は、お気軽に当社までお問い合わせください。

    AI×タスクマイニング下部

    当サイトに掲載されている情報(記事、資料、動画、テンプレート等)については、その正確性および妥当性の確保に努めておりますが、ご利用に際しては、利用者ご自身の責任においてご判断ください。なお、個別の事情に応じては、専門家へのご相談を含め、適切な対応をご検討いただくことを推奨いたします。

    この記事をシェア

    執筆者情報

    Key Technology(Keys)編集部

    Key Technology (Keys)編集部は、CTCが注力する「高度AI」「データ&アナリティクス」「クラウドネイティブ」「セキュリティ」を中心とした最先端テクノロジーの情報発信を担う編集チームです。技術動向や活用事例、サービス情報をわかりやすく届け、ビジネス変革に挑む企業の意思決定や実行をサポートします。

    Documents

    お役立ち資料

    View All