事例

伊藤忠テクノソリューションズ(自社)

更新

社内システムの構成管理を
Red Hat Ansible Automationで自動化
約50%の工数削減を見込むなど運用の最適化を実現

  • Red Hat Ansible Automation

伊藤忠テクノソリューションズの社内システムにおける構成管理は従来、手作業ベースで行っていたため、多くの工数を要していた。そこでレッドハットの構成管理・運用自動化ソフトウェアの「RedHatAnsibleAutomation」を導入。サーバの各種情報収集をはじめ構成管理の作業を自動化することで、ヒューマンエラーを解消し、導入前と比較し約50%の工数削減が見込まれている。さらにはマルチクラウド環境を含めた構成管理も可能など、運用の最適化を達成している。

課題と効果

課題
  • 手作業ベースの構成管理の労力とヒューマンエラーを最小化したい
  • オンプレミスもクラウドも一元的に構成管理を実施したい
効果
  • 自動化によってヒューマンエラーの解消を実現し、約50%の工数削減を見込む
  • マルチクラウド環境まで含め一元的に構成管理可能な体制を整備

導入事例インタビューデータ

会社名
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
所在地
〒100-6080 東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル
設立
1972年
URL
http://www.ctc-g.co.jp/
  • 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 情報システム室 情報システム部  インフラシステム課 課長 浅沼 宏紀

    伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

    情報システム室 情報システム部
    インフラシステム課 課長

    浅沼 宏紀

  • 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 情報システム室 情報システム部  インフラシステム課 主任 長井 健太

    伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

    情報システム室 情報システム部
    インフラシステム課 主任

    長井 健太

手作業ベースの構成管理により工数が増加し、 ヒューマンエラーの恐れも

伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)の情報システム室 情報システム部 インフラシステム課は、社内システムのインフラの企画から構築・運用までを包括的に担う部署だ。グループ会社や協力会社との二人三脚で、CTCグループで利用する約17,000アカウントの業務を日々支えている。

同課では、インフラ運用の最適化を継続的に推進している。同社 インフラシステム課 課長 浅沼 宏紀は同課の目指すものとして「システム運用業務を効率化してコストと労力を削減し、その分をより戦略的な投資や業務に充てていくこと。また、運用品質の向上にも平行して注力しています」と話す。

同課の業務の1つがシステム構成管理であり、その一環として情報機器の棚卸しを年に2回行っている。棚卸しでは、管理対象となるサーバについて物理情報やOS、ミドルウェアの情報を収集・管理している。

その作業は従来、手作業がベースとなっていたという。同社 インフラシステム課 主任 長井 健太は「サーバに1台ずつログインし、CLIでコマンドを入力して各種情報を取得した後、管理用のグループウェアに入力していました。多くの手間と時間を要し、かつ、ヒューマンエラーの恐れも常につきまといました」と振り返る。

構成管理と共にアクセス権限管理も行っていたが、同様にCLIで取得して表計算ソフトに入力するという手作業ベースであったため、同様の課題を抱えていた。

エージェントレスで容易に使える Ansible を構成管理ツールに採用

同課は2017年夏、それら課題を解決するため、構成管理の自動化を行う方針を決定。社内システムのパブリッククラウド活用を広げているなか、オンプレミスもパブリッククラウドも含めた自動化による構成管理の最適化に着手したのだ。

自動化が可能な構成管理ツールの選定を開始。複数候補を比較検討した末に採用したのが、レッドハットの構成管理・運用自動化ソフトウェア「Red Hat Ansible Automation」だ。

浅沼は、Red Hat Ansible Automationを採用した理由について「採用の決め手の1つとなったのがエージェントレスです。今後管理対象の機器を増やしていくこともあり、エージェントのインストールが不要なのは大きかったです」と話す。

自動化の設定の容易さも採用の決め手となった。Red Hat Ansible Automationでは、自動化の手順とパラメーターをYAML形式で記述することができる。YAMLは箇条書きのように書けるなど、わかりやすく簡単に使えるのが特徴だ。

長井は、YAML形式で記述できることの利点として、「自動化の記述に他ツールのように独自言語を使用すると、学習コストが高く、ある程度以上のスキルの保持者でなければ使いこなせません。その点、Red Hat Ansible AutomationはYAMLで記述できるので、同じ自動化がスキルに左右されず、誰でも簡単に記述できるのがメリットです」と話す。

パブリッククラウドにおける構成管理についても浅沼は「CTCの社内システムではAWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureなど、複数のサービスを適材適所で使い分けています。Red Hat Ansible Automationはマルチクラウド環境でも横断的に構成管理ができる点もポイントでした」と語る。

採用決定後、約4ヵ月間の構築期間を経て、2019年4月に本格稼働した。「構築は入社2年目の若手エンジニアが主体でした。実際に高度なスキルや豊富な経験がなくとも、スムーズに導入できました」(長井)

エージェントレスで容易に使える Ansible を構成管理ツールに採用

ヒューマンエラー解消と約50%の工数削減を見込む  マルチクラウドも含め一元管理

同課はRed Hat Ansible Automationの導入によって、狙い通り課題を解決し効果を実現している。浅沼は「自動化によって、情報機器の棚卸しとアクセス権限管理をあわせ全体で約50%の工数削減が見込めています。削減できた作業時間とコストをより戦略的な業務と投資に充てることができます」と強調する。長井も「自動化でヒューマンエラーは皆無になり、運用品質向上をまた一歩進めることができました」とその効果を語る。

Red Hat Ansible Automationによるパブリッククラウドの構成管理は現在展開している最中だ。オンプレミスからマルチクラウドまで含めた構成管理の一元化および自動化で、さらなる効果が期待できる。他にも、クラウド上でのノード構築にRed Hat Ansible Automationをテンプレートとして利用し、構築の横展開の効率化にも取り組んでいる。

今後はRed Hat Ansible Automationの活用範囲を広げ、より一層の効率化を図っていく。長井は今後の展望について「構成管理の対象をネットワーク機器にも広げようと考えています。また、構成管理以外に、アプリケーションサーバの死活監視などにも利用したいですね。他にも有効活用し、運用業務の効率化と品質向上を加速させていきます」と話す。監視については、Red Hat Ansible AutomationをZabbixなどの各種監視ツールと連携させた自動監視も視野に入れているという。

CTCではRed Hat Ansible Automationの導入支援サービスを提供している。実際に自社で社内システムに導入・運用したノウハウを活かし、自動化などによってお客様のシステムの運用最適化を支援していく。

ヒューマンエラー解消と約50%の工数削減を見込む  マルチクラウドも含め一元管理
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