2011年01月20日
長年にわたって、日本企業のオープンシステム活用を強力にサポートしてきた伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)。クラウドコンピューティングのニーズに対応して、同社は「cloudage(クラウデージ)」という新ブランドを打ち出した。以前からのクラウドサービスを体系化し、今後さらにパワーアップを図る考えだ。cloudageの特長は、企業のクラウド導入に必要な条件を網羅し、CTCグループの持つ強みを最大限に生かしていること。その強みを磨きながら、同社はクラウドの新しい時代を切り開こうとしている。
クラウド導入におけるパートナー選定のチェックポイントとは
企業のITはいま、大きな転換期に差しかかっている。きっかけは、クラウドコンピューティングの普及である。
「必要なときに、必要な分だけ、できるだけ安くITを使いたい。そのようなニーズに応える手段がクラウドです。パブリッククラウドやプライベートクラウドを導入する企業は増えており、それらを組み合わせたハイブリッドクラウドへの関心も高まってくるでしょう」と、CTCの齊藤晃氏は語る。
こうした市場ニーズに対応して、CTCは「cloudage」という新ブランドを立ち上げた。以前から展開していた仮想化ホスティングやSaaSなどのクラウドサービスを再構成した上で、「クラウド時代のビジネスインフラストラクチャーを創造」というコンセプトを提示したのである。
ユーザー企業がクラウド導入時にパートナーを選定するに当たって、齊藤氏は5つのチェックポイントを挙げる。
「データセンター、インフラ構築力、マルチベンダー対応力、アプリケーション開発・運用力、事業継続力の5つです。パートナーがこれらの能力を備えているかどうかが、ユーザー企業にとって重要な判断材料になると当社では考えています。そして、SI業界のリーディングカンパニーを自負するCTCは、クラウドに必要な技術と要素をすべて備えています」
ベンダーロックインを回避するマルチベンダーへの対応力
5つのチェックポイントにおけるCTCの強みを順番に説明しよう。まず第1のポイント「データセンター」だが、CTCが保有する全国5カ所のデータセンターは日本でも屈指の規模だ。その経験の中で、高信頼かつセキュアなIT環境の運用ノウハウを磨いてきた。「クラウドの基盤となるデータセンターは極めて重要です。2008年にスタートした企業向けIaaS『TechnoCUVIC(テクノキュービック)』などにより、当社のデータセンターはクラウドの経験も積んできました」と齊藤氏は語る。
第2のポイント「インフラ構築力」も、CTCノウハウが生かされる分野である。クラウドのインフラにおいては、仮想化技術がカギを握る。CTCでは3年以上前から、仮想化によるサーバー統合などに注力してきた。「仮想化・統合化の規模は様々ですが、最近では大規模なものが増えつつあります。当社ではすでに、1000台を超えるサーバー仮想化事例も手掛けています」(齊藤氏)。
CTCは国内外の主要ITベンダーとのパートナーシップを構築しており、その関係の中で各ベンダーの知識やノウハウを吸収してきた。その幅広いネットワークが、第3のポイント「マルチベンダー対応力」を支えている。最近、主要ITベンダーがハードウエアとソフトウエアを一体化したオールインワン製品を次々にリリースしている。CTCはこれらの各種製品にもいち早く対応し、システム構築・運用などのサービスを提供している。
また、マルチベンダーの組み合わせを確かめるための自社の総合検証センター「Technical Solution Center(TSC)」の存在も、CTCの優位性につながっている。「お客様はできるだけ多くの選択肢を確保するために、ベンダーロックインを避けたいと考えています。そうした要望に対応するために、クラウド事業者は幅広いベンダーの製品や技術に通じている必要があります」と齊藤氏は語る。
ハイブリッドクラウドの提案力、実装力を一層高める
第4のポイントである「アプリケーション開発・運用力」でのCTCの強みを、齊藤氏は次のように説明する。「近年、OSやミドルウエアをベースにした開発環境間の競争が激しさを増しています。現在、多くのアプリケーションはこれらの開発環境でつくられています。当社は主要な開発環境すべてに対応して、アプリケーションの開発・運用のノウハウを高めてきました」。
この分野では今後、冒頭で触れたハイブリッドクラウドへの対応力が問われる。そのための取り組みも進めていると、CTCの田中匡憲氏は語る。「外部サービスやオンプレミスのシステムを最適な形で組み合わせて、ユーザーが使いやすいIT環境をいかに構築するか。重要なのは入り口のポータルと裏側のシステム連携。そこで、シングルサインオンによるシームレスな利用環境を提供する予定です。また、様々なシステム連携についても研究開発を進めており、すでに事例も出始めています」。
最後に、第5のポイントである「事業継続力」。ユーザー企業にとって、クラウド事業者は重要なデータやアプリケーションを預けるビジネスパートナーである。選定の際には、その会社の経営規模や体力にも注意する必要がある。この点でも、CTCは自信を持っている。
以上の強みをさらにレベルアップしながら、CTCは「cloudage」を拡充しつつある。
「ハイブリッドクラウドはますます高度化しつつあります。例えば、開発段階では安価なパブリッククラウドを使い、本番ではプライベートクラウドで運用する。そして、負荷が高まる時期だけ、一部業務をパブリッククラウドに振り向けるといった使い方も普及するでしょう。そうした動的なハイブリッドクラウドについても、提案力や実装力を高めていく考えです」と田中氏。
齊藤氏は、さらに顧客対応力を高めたいと語る。「CTCでは、クラウドサービス適用に関し、設計・開発・構築・運用までのナビゲートから、クラウド導入に適さないケースのアドバイスまで行えるようにし、課題解決の窓口となるクラウドコンサルタントをできるだけ多く育てたいと考えています」。
2011年、CTCのクラウド戦略は一気に加速することになりそうだ。
日経BP社の許可により「日経コンピュータ」2011年1月20日号の広告より抜粋したものです。
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