|特集|科学・工学系の解析、シミュレーション技術で社会課題の解決に挑む「科学システム本部」

脱炭素社会、カーボンニュートラルの実現に向けて世界が舵を切り始めた今、従来のモノづくりは変革を求められています。
CTCでは、各分野での変革を後押しすべく、IT技術と解析・シミュレーション技術を活かした新しいソリューションの開発を続けています。
その開発の核となる「科学システム本部」の取り組みをクローズアップします。
取材・文/近藤 雄生
Trans Simulation
<トランスシミュレーション>
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最先端の解析、シミュレーション技術でより安心安全な社会の創造に貢献
科学システム本部は、エネルギーや環境に関連した社会課題を解決するためのITソリューションサービスを提供しています。
資源・エネルギー、CAE、建設、原子力・プラントの各分野で高い専門性を持つエンジニアが、数値解析・シミュレーション、システム構築、研究開発、コンサルティングで最適な解決策を提案しています。
科学システム本部
4つの分野+データサイエンス
最先端の解析、シミュレーション技術をコアに、再生可能エネルギーや社会インフラをはじめ、材料、資源開発、空港、生産・物流など、幅広く事業を展開しています。
資源・エネルギー分野
電力設備の運転データ統合管理プラットフォームや予知保全サービス、再生可能エネルギーの発電出力予測システムや発電所運営モニタリングシステム、ビッグデータを活用した地下資源開発支援サービスを提供。さらには電力自由化に伴うエネルギーマネジメントに関わるソリューションを推進。
CAE分野
製造工程の効率化、製品開発のための構造解析や超音波・電磁波解析などを実施。材料分野ではマルチスケールシミュレーションによる材料設計や、データマイニングなどの情報科学を用いた新材料・代替材料開発の効率化を支援。
データサイエンス
4分野の全てと密接に連携。各分野のドメイン知識・技術にデータ活用・最適化技術を組み合わせることで、最適な課題解決方法を支援。
原子力・プラント分野
発電施設(原子力・火力・水力)の耐震性能や地盤の安定性などの安全評価解析を実施。地震・津波のリスク評価、原子力施設に関連した衝撃解析・熱流体解析やシミュレーター開発といったソリューションも提供。
建設分野
社会インフラの安全性・生産性向上のため、健全性解析・耐震解析・耐震設計支援技術などを提供。さらには建設現場情報の統合プラットフォームとなる自社開発ソフトウェアの提供を通じ、建設産業のDXを推進。
60年もの歴史に培われた技術と専門性
科学システム本部の歩み
1958年のビジネス開始以降、日本の産業・社会の成長と共に発展を遂げてきました。
1958 | Bendix G-15を導入、科学・工学系の計算サービス開始 |
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1960 | 原子力コードによる解析サービスを開始 |
1966 | 東海発電所の炉心管理業務開始 |
1969 | 万博パビリオンの構造解析や関門橋の設計計算を手掛ける |
1971 | 当時、世界最高速の超大型コンピュータCDC6600を導入 |
1975 | 宇宙開発事業団からNロケット打ち上げ協力で表彰 |
1980 | 日本初のスーパーコンピュータCRAY-1を導入 |
1980~ | 本四架橋、レインボーブリッジ、アクアラインなどの長大橋梁建設プロジェクトに参画 |
1991 | ペルシャ湾岸原油流出防除対策に原油流出シミュレーションで協力 |
1992 | 気象庁予報許可第34号取得、気象予報業務開始 |
1996 | 気象情報提供サイトWEATHER-EYEを開始 |
2004 | 風力発電適地選定支援システムWinPASが新エネ大賞で「資源エネルギー庁長官賞」を受賞 |
2011 | 風力・太陽光発電の予測技術、最適化シミュレーション技術を活用した再生可能エネルギー導入促進支援サービスE-PLSMを開始 |
2012 | 津波被害を評価する津波シミュレーションを提供開始 |
2014 | ナノ材料開発を支援する解析サービスを開始 |
2015 | 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構公募案件「電力系統出力変動対応技術研究開発事業/再生可能エネルギー連系拡大対策高度化」の採択 |
2020 | 米国QuesTek社との合弁会社QuesTek Japanを設立 |
2020 | 空港の運用に関する定量評価サービスを開始 |
2020 | 共創型R&Dにより新事業創出を加速するBIRD INITIATIVE社を異業種6社で設立 |
2021 | 水素インフラのシミュレーションサービスを開始 |
さらなる飛躍に向けた次世代のサービス
Trans Simulation<トランスシミュレーション>
科学システム本部はTrans Simulation<トランスシミュレーション>というコンセプトで次世代サービスの創出に注力しています。
科学システム本部の幅広い事業領域とシミュレーション技術をベースに、最新のテクノロジーや産業カテゴリの枠を超えて必要なことを掛け合わせ、利便性の高いサービスで社会の課題解決に応えていく。それが、CTCが目指すTrans Simulation<トランスシミュレーション>です。
特にGX(Green Transformation)に対するTrans Simulation<トランスシミュレーション>には科学システム本部全体で取り組んでいきます。

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