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Technical Report

新しい世界観を実現するOpenStack

従来の「常識」を疑い、古いプロセスを変えていくことで、本当の意味での「攻めのIT」が実現できます。ここでは、「新しい常識」を担うソフトウェアとして「人」の効率化に着目したOpenStackを紹介します。

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 クラウドイノベーションセンター エキスパートエンジニア 中島 倫明

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
クラウドイノベーションセンター
エキスパートエンジニア

中島 倫明

サービス化するITシステム

現在はITの「第三次産業化(サービス業化)」が急速に進んでいます。従来は第二次産業(製造業)的な側面を色濃く持ち、既存業務の効率化というものがIT活用の主流でした。しかし効率化でのIT活用がある程度浸透した現在では、その先にある「サービスとしてのIT」が求められるようになっています。これは、IT以外の分野でも同様です。合理化、規格化、大量生産によって最大公約数の欲求を満たす時代から、個人中心、多様性、適量生産に的を絞った、満足度を重視したサービス提供の時代へと移り変わってきているのです。

OpenStackの隆盛

そのような環境で、今や世界最大のプラットフォームとなりつつあるオープンソースソフトウェア( O S S )がOpenStackです。OpenStackは2010年にプロジェクトが発足し、現在では世界でも有数のOSSコミュニティへと成長しました。

OpenStackは、よくサーバの仮想化技術と比較されることがありますが、この2つには明確な違いがあります。サーバの仮想化は「物(ハードウェア)」の効率化に着目した技術です。一方、OpenStackは、そのハードウェアを使用する立場、つまり、開発や運用を行う「人」の効率化に着目した技術です。

近年、ITのサービス業化が進んだことで、これまでの運用にはなかった「迅速性」が求められるようになり、そこで大きなボトルネックとなる「人」の問題を解決するために様々な技術が開発され、その中の1つがOpenStackなのです。

現在、OpenStackはアジャイル開発やDevOpsといった分野を中心に活用されています。

以下では、OpenStackの果たす役割や今後の展開について解説します。

OpenStackと仮想化技術の違い
OpenStackと仮想化技術の違い

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