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Technical Report

「シンプル化」プラットフォーム SAP HANAのデザイン

デジタルエコノミーが定着し、今やどの企業もテクノロジー企業であると言えます。
デジタル化の障害となるものはシステムの複雑性で、SAPが出した答えは「シンプル」です。
企業のビジネスをシンプルにするプラットフォーム、それが「SAP HANA」です。

SAPジャパン株式会社 ソリューション統括本部 デジタルビジネス・プラットフォーム部 シニアディレクター 新井 智

SAPジャパン株式会社
ソリューション統括本部
デジタルビジネス・プラットフォーム部
シニアディレクター

新井 智

私たちは、かつてない真のビジネス革新の時代を生きています。ハイパーコネクティビティ、スーパーコンピューティング、クラウドコンピューティング、スマート社会、サイバーセキュリティという、5つのテクノロジートレンドが何もかもを変える未曾有の事態です。

しかし、製品の急増やアプリケーション/サービスの多機能化などに伴い、企業システムの複雑性が増大し、デジタルエコノミーへの進出を阻む原因となっています。

SAPが出した答えは「シンプル化」と「イノベーション」

「複雑化するシステム」という課題に対し、私たちが出した答えは「シンプル化」です。すべてをシンプル化することで俊敏性が高まり、イノベーションにつなげることができます。この「シンプル化」を実現するプラットフォームが「SAP HANA」です。

1972年にメインフレーム上で業務アプリケーションとしてSAP R1を生み出して以来、44年間一貫して企業を支えるアプリケーションを提供してきました。クライアント/サーバ型システムの時代になっても、お客様のニーズに応えるべく、対応する機能を拡張し、バージョンアップを積み重ねています。デジタル化が進み、複雑性が顕在化する中でSAPアプリケーションの利点を最大限に引き出す基盤の必要性を感じていました。「SAP HANA」は、データベース(以下:DB)の分析処理と更新処理を統合しており、データの高速処理を可能にしています。

そして、2015年2月には、SAP HANAのパフォーマンスを最大限に活用できる次世代のビジネススイートSAP® S/4HANAの提供を開始しました。従来の業務アプリケーションのコードを23年ぶりに全面刷新しており、あらゆる業務部門と業種のエンド・ツー・エンドに対してシンプル化の価値を拡大するソリューションです。

SAP® S/4HANA & SAP HANA Platform
SAP® S/4HANA & SAP HANA Platform

目指すのは、真のリアルタイム経営の実現

こうした改革を推し進めた背景にあるのは、SAPの共同創業者で現在、監査役会長のハッソ・プラットナーが提唱するコンセプト「One Fact,OnePlace,and Real Time」です。

“事実は1つであり、その事実を1ヵ所に記録する”、“すべての活動をデータの発生箇所でリアルタイムに記録する”、“データベース層はリアルタイムに業務に対してデータを提供すべき”という意味で、真のリアルタイム経営を目指して8年間にわたる開発を続け、2012年に「圧倒的な高速性」を実現するDB SAP HANAをリリースしました。

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