「毎日遠隔地にバックアップデータが送付されていることで安心感を得ています。また自動的に実施されていることによって精神的負荷が軽減されています。これらのことが低コストでセキュアに実現されています。」
東洋大学は、明治20(1887)年に哲学者・井上円了博士が創設した伝統のある教育機関だ。現在においても哲学教育を基盤とした上で、更に国際化とキャリア教育を加えて教育の3つの柱としている。
BCP(事業継続計画)の一環として、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)のクラウドバックアップサービスを採用したというので、詳しくお話を伺った。
導入事例インタビューデータ
- 学校名
- 学校法人 東洋大学
- 所在地
- 〒112-8606 東京都文京区白山5-28-20
- 創立
- 1887(明治20)年
- URL
- http://www.toyo.ac.jp/
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東洋大学
情報システム部 情報システム課 課長補佐
細田 祥平 氏
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東洋大学
情報システム部 情報システム課 兼 業務改革室 主任
古海 麻紀 氏
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東洋大学
情報システム部 情報システム課 課長
青山 敦史 氏
1.東洋大学のICTに関する取組み
―最初に東洋大学の特長を教えてください。
東洋大学は、昨年に創立125年を迎えました。創立者の井上円了博士は、哲学とは「万物の原理を探り、その原理を定める」事実と実証に基づく学問であり、「政治、法律はもとより科学や芸術においても、その根底には哲学がなくてはならない」と説いています。現在でもこの建学の精神は引き継がれており、「哲学教育」を基盤に「国際化」と「キャリア教育」を合わせた3つを教育の柱としています。
―東洋大学では、ICTにどのように取り組んでおられますか。
ユーザー主導で、情報システム部はユーザー(教学や法人)が実現したいことを、技術的に支援する「縁の下の力持ち」という立場に徹しています。部員数もあまり多くないので、学内ネットワークなどの敷設・管理などの学内基盤整備以外の業務は、アウトソーシングも進めています。
3.BCP(事業継続計画)策定に伴って遠隔地バックアップを検討
―クラウドバックアップサービスを導入する前の課題は何だったのでしょうか。
2011年3月の東日本大震災を契機に、本学でもBCP策定の検討に入りました。BCPはご存知のように段階的に検討していくものです。本学では、最初のステップとして、本学が被災した場合に情報システムを早期に復旧させるための施策を検討しました。
学内施設に被害があり、学外保管していたテープからデータを復旧すると想定した場合、データは最悪の場合は1年近く前のものであり、タイムリーではありません。
とはいえ、テープでのバックアップおよび遠隔地への送付はかなりの手間であり、毎日実施するのは現実的ではありませんでした。そこでCTCに何か良い方法はないかと相談したのです。
4.検討の経緯と選定のポイント
―なぜCTCに相談したのでしょうか。
学内事務システムの更新で、基盤整備をCTCにお願いしていたからです。実は、この際にテープだとリストアに手間が掛かるので、ディスクにバックアップして欲しいと要望していたのですが、ネットワーク経由で遠隔地にバックアップする方式も検討して欲しいとお願いしました。
その結果CTCから出てきた案が、クラウドバックアップサービスだったのです。
―学内事務システムのデータ以外のバックアップもありますが、他のベンダーにも相談したのでしょうか。
はい。CTCを含めて3社に相談しました。
―選定のポイントは何だったのでしょうか。
最重要のポイントはコストでした。次に導入に我々の手間と期間が掛からないこと。あとは、遠隔地との接続がVPN等セキュアな方式であることと、夜間バッチ処理の時間内にバックアップが完了することでした。
5.セキュリティ問題の大半は人に原因がある
―CTCに決定した理由を教えてください。
先ほど申し上げた選定のポイントは仕様書としてまとめてありました。その仕様書の内容にCTCの提案がもっとも適合していたからです。
コストについても、仕様に適合する形で細かく調整してもらえたので、我々が適正と思う価格になりました。
―クラウドということで、セキュリティに関する不安はありませんでしたか。
クラウドバックアップサービスという方式自体を熟知していなかったので、CTCから詳しく説明してもらいました。
セキュリティに関しても詳しく質問をしたのですが、全てに満足のいく回答が得られたので採用するに至りました。更に安心を得るために、近日内にデータセンターの見学を実施する予定でいます。
セキュリティに関する大事故のほとんどが、故意か事故かに関わらず人の問題だという事実がありますので、方式ももちろんながら、安心できる人たちによって運営されていることも重要だと考えています。
6.クラウドバックアップサービスの評価
―クラウドバックアップサービスを実際に使用してみた上で、特に評価の高い点を教えてください。
バックアップの処理時間です。CTCクラウドバックアップサービスが採用しているEMC® Avamar®では、バックアップ済みの重複データを排除してくれます。このためバックアップデータの転送時間が短く抑えられます。
また、バックアップの成否もメール1本にまとめてくれ、我々はそのメールを読むだけでいいので、確認も極めて楽です。
―心理的な面についてはいかがでしょうか。
もともと年に1回のバックアップでは不安ということで検討を進めてきたわけですが、実際に毎日最新のデータがバックアップされているということに伴う安心感はかなり大きいです。クラウドバックアップサービス自体のトラブルも今のところなく、安心感を強めています。
7.CTCへの評価と今後の期待
―CTCに対する評価をお聞かせください。
CTCは本学のシステム基盤の構築に関わっていますので、本学のシステムについてもよく理解しています。従って話が早い。無駄な説明の必要がありません。
また、システムインテグレーターとして広範な業務に関わっているので、実際の運用に入ってからもいろいろなアドバイスや情報がもらえることも高く評価しています。
―今後の東洋大学のICTに関する取組みの中で、CTCにどのようなことを期待しますか。
本学は、システムを1社に限定せず、マルチベンダーの形で開発・運用しています。それぞれ得意分野があるのと、競争原理を働かせたいからです。とはいえ、マルチベンダー管理は大変です。信頼できる相談相手が欲しいというのが正直なところです。
CTCは独立系のベンダーで、特定のメーカーに依存していません。逆に言えばいろいろなメーカーとつながりがあり、また、ほとんどの主要メーカーの1次代理店になっています。従って、情報も豊富に持っていて、何か相談すれば必ず答えを持ってきてくれます。信頼できる相談相手だと思っています。今後もこのような関係を継続していってもらいたいですね。
―貴重なお話、ありがとうございました。
取材日:2013年7月24日
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