型紙製作を自動化 短期・安価で提供
スーツやシャツは、あらかじめ決められたサイズから選ぶ既製品よりも、一人一人の体型に合わせて仕立てた方が、その人に似合います。当たり前ですが、人の体型はそれぞれが違います。身長や腕の長さだけではなく、背筋や胴回りなどの寸法もさまざまです。そうした個人の体型に合わせてオーダーメードができれば、誰でも世界に一着だけの自分に似合ったすてきなスーツやシャツを着こなせるようになります。
しかし、これまでオーダーメードの製品は、熟練した職人がすべて手作業で行う手間のかかる仕事でした。また、人の能力に頼る部分が多かったために、1着のスーツを作るコストも高価でした。そのため、オーダーメードにすればすてきなスーツが手に入るとわかっていても、なかなか注文できない現状もありました。
こうした課題を解決するために、仕立ての工程を細分化し、IT(情報技術)で代行が可能な部分の研究・開発が進められ、ITによるオーダーシステムは生まれました。
例えば、採寸した情報をコンピューターに入力するだけで、体型に合わせた型紙を自動的に作成してくれるシステム。これまで、ベテランの職人による経験と知識が求められていた型紙製作を自動化することにより、大幅な時間短縮を可能にしました。また、型紙を作るだけではなく、最新の自動裁断機とデータを連携することで、生地の切り出しや柄合わせも自動化できます。
ITによる自動化が促進されたことで、1着のスーツを仕立てる時間は大幅に短縮されました。そして、自動化によって効率化と生産性を向上させた洋品店では、これまでのオーダーメードに比べて、短い期間で安価にスーツやシャツを提供できるようになっています。
おしゃれに気を使うビジネスマンならば、IT化されたオーダーシステムを活用して、自分に似合う1着を作ってみるのもいい経験かもしれません。
(エンタープライズビジネス第3本部 松田浩典)
- ※ このコンテンツは2008年9月24日にフジサンケイビジネスアイ紙に掲載しました。