2025年09月24日 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:新宮 達史、本社:東京都港区、略称:CTC)は、AIによる大規模計算処理をはじめとしたサーバの高熱負荷に対応する次世代冷却技術として、液冷ソリューション「cooliquid(クーリキッド)」の提供を開始します。cooliquidは、データセンター(以下:DC)のファシリティ要件策定から設備施工、最先端の機器選定・調達、保守・運用までを一貫して提供する、CTC独自の液冷ソリューションです。液冷システムの導入により、サーバの高効率な冷却と消費電力の低減を実現し、必要なITインフラの構築を支援します。クラウド事業者や大手通信事業者・電力事業者・エンタープライズ企業などのDCを保有する企業を中心に展開します。
近年、DCの電力需要が急増する中、日本全体のCO2削減には脱炭素電力の供給が急務になっています。総務省/経済産業省のレポート※1によると、特に液冷・液浸などの最先端技術の導入は、DCの省エネ化とエネルギー効率向上に直結し、脱炭素電力の確保を加速させる鍵となります。こうした技術開発の推進に加え、制度面(省エネ法)においてもエネルギー効率基準の設定や定期報告などの一部義務化も進められており、DCの環境負荷低減と持続可能な運用が求められています。
cooliquidは、次世代冷却技術を活用したCTC独自の液冷ソリューションで、新設・既存のDC向けに導入から運用までを一貫して支援します。
液冷システムは冷却水を使ってサーバの熱を効率的に吸収・移動する技術で、高密度なGPU環境でも安定した温度管理を実現します。空冷方式に比べて冷却効率が高く、高密度なサーバ配置が可能となることで、施設の面積や資材使用量が抑えられ、建設・運用時の環境負荷の軽減につながります。
一方で、冷却プレートや配線、循環液の配管設計などに高度な技術が求められるため、設計から保守までの一貫した支援体制が重要です。
CTCは、特定建設業の許可を取得しており、システムの設計・構築に加えて、安定稼働に不可欠な高度な専門性を要するファシリティ工事にも対応しています。これまでに、IT機器の要件策定からラックの耐震対策・配線工事に至るまで、豊富な実績を有しています。
cooliquidの導入では、米国の大規模クラウドサービス事業者向けの導入実績がある海外ベンダーを中心とした様々なベンダーとの強固なリレーションを活かし、冷却方式※2やサーバ提供方式※3、機器構成などの選定項目をもとに、お客様環境に最適な液冷ソリューションをワンストップで提案します。さらに導入後の運用では、電力使用量の可視化や温湿度・CO₂排出量の管理、運用ルールの策定を通じて、お客様のグリーンITの推進を支援します。
今後もCTCは、国内・海外メーカーとの連携強化に加え、冷却設計力および技術支援体制のさらなる向上を通じて、液冷ソリューションの高度化と普及に貢献していきます。
液冷システムのIT機器設置イメージ

cooliquidサービス紹介資料/ロゴマーク

- ※1 総務省/経済産業省「ワット・ビット連携官民懇談会 取りまとめ1.0」(令和7年6月)より
https://www.soumu.go.jp/main_content/001014454.pdf - ※2 冷却方式とは機器の発熱を効率的に処理する手法であり、液体同士で熱を交換するLiquid to Liquid方式と、液体から空気へ熱を放出するLiquid to Air方式があります。
- ※3 サーバ提供方式とは、サーバと冷却部品が全てラックに搭載された状態で提供され、検証済みの構成をそのまま導入できる「工場出荷方式」と、サーバ、ラック、CDUなどを個別に調達し、顧客の要望に応じた柔軟な構成変更や指定機器に対応する「国内組み上げ方式」があります。
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