事例

株式会社神戸製鋼所 様

更新

工場や事務所の業務効率化とセキュリティ向上のために大規模無線LANシステムを構築

CTCの社内導入実積や技術力を信頼し、最新の無線LAN規格を採用

配線を変更する必要のないレイアウトフリーのメリットに加え、無線に対応したスマートデバイスの発展により、企業での無線ネットワークの導入が進んでいる。しかし、通信速度やセキュリティの面から、限られたエリアでの利用に限られていた。こうした状況を解決するのが、最新の無線規格802.11nである。

神戸製鋼所の高砂製作所機械事業部門では、ネットワークの高速化、セキュリティ向上、事務所のレイアウト変更や工場内の機器配置変更に柔軟に対応できる点を評価して、最新規格802.11nによる大規模無線LANシステムを導入した。約100台のアクセスポイントからなる無線LANシステムが導入されたのは、高砂機械センターの事務所棟と工場棟を含めた全棟。オフィスや工場において利便性の高いデータアクセスが実現され、ものづくり力強化を掲げる同社の生産性向上、業務効率化を推進する基盤として活用されている。

課題と効果

課題
  • 工場と事務所の全面的な高速化
  • オフィスのレイアウト変更、工場の機器配置変更への柔軟な対応
  • 人に依存しないネットワークセキュリティの確立

802.11n による大規模無線LANシステムを構築

効果
  • 長期にわたって使える高速ネットワークの確保
  • 工場、事務所の全面無線LAN化によるシームレスなアクセスの提供
  • 検疫システムとの連携による高度なネットワークセキュリティの実現

導入事例インタビューデータ

会社名
株式会社神戸製鋼所
所在地-神戸本社
〒651-8585 兵庫県神戸市中央区脇浜町2-10-26 神鋼ビル
所在地-東京本社
〒141-8688 東京都品川区北品川5-9-12
設立
1905年9月1日
資本金
2,333億円(2011年3月末現在)
従業員
3万4772名(2011年3月末現在、連結)
URL
http://www.kobelco.co.jp/新しいウィンドウで開く
  • 株式会社神戸製鋼所 機械事業部門 企画管理部 システムグループ次長難波 信充 氏

    株式会社神戸製鋼所

    機械事業部門 企画管理部 システムグループ次長

    難波 信充 氏

  • 株式会社神戸製鋼所 機械事業部門 企画管理部 システムグループ光成 允彦 氏

    株式会社神戸製鋼所

    機械事業部門 企画管理部 システムグループ

    光成 允彦 氏

導入背景

老朽化したネットワーク

高砂製作所の機械センターは、1992年、兵庫県内の4つの工場を集約する形で建設された。同センターでは、タイヤ・ゴム機械や樹脂機械などの産業機械、空気や石油プラントなどのプロセスガスを圧縮する圧縮機を個別受注設計。特に圧縮機は、スクリュ式、ターボ式、レシプロ式の三つを揃えており、世界でも数が少ない総合圧縮メーカーである。

機械センター建設当時は、マルチプロトコル対応の最先端ネットワークが導入された。「当時は最先端でしたが、20年も経つと速度が全然追いつきません。ものづくり力強化の流れの中で、現場で3D CADや作業手順ビデオを見る機会が増えましたが、工場内の帯域は狭く不満が出ていました。そのため、ずっと高速化したいと考えていたのですが、ネットワークをすべて入れ替えるのは、作業やコストの面から難しく、無線LANも速度面とセキュリティの不安があり、なかなか解決策が見つかりませんでした。」と、同社機械事業部門 企画管理部 システムグループ次長の難波 信充 氏は語る。

システム概要

最新の無線規格802.11nを採用した無線LANを構築

システム概要イメージ

出口が見えなかったネットワーク高速化の解決策は、802.11nによってもたらされた。「CTCから最新の無線規格である802.11nを聞き、これはいけるのではないかと思いました。配線をやり直さなくても、現場が求めている高速化が実現できると。ただ当時、802.11nはまだドラフト版でしかなく、本当に可能かどうか一抹の不安を抱えていました。」と、難波氏は最新技術ならではの心配点を指摘される。

こうした不安を解消したのが、CTCにおける社内導入実積だった。「規格上は、有線LANと同等の速度が出るとされていますが、本当にスペック通りの高速伝送が実現できるのか。社内で自信を持って言えませんでしたが、CTCで802.11nの無線LAN環境を作られていたので、見せていただきました。実測すると有線とほぼ同じ速度が出ていましたし、広いエリアの中でも問題なく使えていた。これなら大丈夫と確信しました。」と、機械事業部門 企画管理部 システムグループの光成 允彦 氏は語る。

社内導入実積や技術力の高さから、RFP策定支援をCTCに依頼。続いて、システム構築へと移行する。今回の無線LANシステム構築におけるポイントは、有線LANと同等の速度を確保することと、ユーザに依存しないセキュリティを実現すること。「非常に難しい要件だと認識していましたが、同規模の構築実積、無線LANのスループットの具体的な数値を挙げていたこと、セキュリティに関する豊富なノウハウ、検証環境、そしてRFP支援から参画していたことで運用面に踏み込んだ提案が盛り込まれていたことなどから、CTCにお願いしました。」と、難波氏は、CTC採用の理由を述べられる。

無線LANシステムによる高速化と同時に、基幹の有線ネットワークも更新された。コアスイッチに10ギガビットスイッチのAlaxala/AX6708Sを設置し、ディストリビューションスイッチやフロアスイッチにAlaxala/AX3600S、AX2400S、AX1200Sを配置。リングプロトコルの機能を独自に高めたアラクサラリングにより、シンプルで安定した有線ネットワークを構築している。無線ネットワークは、無線LANスイッチに実測で100M超の通信が可能なモビリティ・コントローラーAruba3600を設置し、事務所や工場内に約100のアクセスポイントを配置。セキュリティに関しては、有線LAN、無線LANとも、既存のNAP+DHCP検疫システムと802.1x認証システムを組み合わせることにより、強化を実施。システム上でセキュリティを図ることにより、人に依存しない強固なセキュリティ環境を実現している。

導入効果・今後の展望

工場の見える化を実現し、生産性向上に貢献

神戸製鋼高砂製作所の空撮写真。青い屋根が高砂機械センター。

神戸製鋼高砂製作所の空撮写真。青い屋根が高砂機械センター。

工場内、事務所内が無線LAN化したことにより、オフィスのレイアウト変更、工場の機械配置変更に要する負荷が軽減されている。「当社は、レイアウト変更が頻繁にあります。以前は、配線変更の手間に加え、ユーザーによる接続ミスでネットワークが止まることもありましたが、無線LANになったことで、今後はこうした手間やトラブルが少なくなり、管理側の負荷が軽減されると思います。」と光成氏。

工場では、効率的なものづくりのために、物流管理システムが導入されている。これも、無線LANを基盤に、ICタグとPDA、ハンディターナル、車載端末などを活用することで、リアルタイムな進捗管理や部品管理が可能となり、工場の見える化が実現され、生産性向上に役立っている。

「移動しても途切れない高速ネットワークは、設計者が現場に呼ばれた時も、自分のノートPCを持ち込んで快適に作業できますし、会議室に移動してもそのままの環境を使えます。どこに行ってもつながるネットワーク環境は、業務の効率化に大きく貢献しています。」と、難波氏は、無線化のメリットに満足されている。

さらに「様々な部門から、いろんなデバイスを使って、業務を効率化したいという要望がでてきています。こうした動きも、無線LANを導入した効果のひとつですね。」と、光成氏は、無線が現場の意識変革を促している点にも注目されている。

高砂機械センターの無線LANシステム導入に続き、播磨工場への導入が進んでいる。現場の実行系システムを、無線LANをベースに構築して見える化を進めていくという。さらに、「オフィスでは、生産性向上のためにワークスタイル変革を掲げています。これも無線LANを使って展開していきたいと思っています。」と、難波氏は、今後の活用について語られる。

用語解説

802.11n
2009年秋にIEEE(米国電気電子学会)で標準化された無線LAN規格の一つ。2.4GHz/5GHz の周波数帯域を用いて、最大伝送速度600Mbpsを実現。

NAP + DHCP検疫システム
ネットワーク アクセス保護(NAP : Network Access Protection)は、PC上でのファイアウォールの稼働やウィルス対策の状態などを判断し、設定したセキュリティレベルに満たないクライアントPCを、隔離されたネットワーク(検疫ネットワーク)に切り離す技術。隔離されたPCは、適切な修復作業を行わないと社内LANに接続できない。NAPは、複数の制限方式を選択可能であり、DHCPの場合、チェック結果に応じて適切なネットワークのアドレスを割り当てる。

802.1x認証システム
ネットワークに接続する時に使用される認証規格。あらかじめ決められた端末以外がネットワークに接続できないように、認証によって接続を規制する。

実行系システム
生産現場で使用される情報システム。バーコードリーダーやハンディターナルからの入力や、仕掛品や部品に付けられたICタグの自動読み取りにより、データを収集。生産実行状況をリアルタイムに見える化することで、効率的な生産を支援する。

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