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ヤフー株式会社 様

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白河データセンターにA10ネットワークス「AXシリーズ」を導入

「CTCには機種選定から保守まで支援いただきました。この上ないパートナーです」

データセンターにとって、IPv6の推進はもちろん、IPv4の延命も大きな課題となっている。更に、コスト削減、セキュリティの向上、柔軟なシステム構成は常に求められている。これらをトータルに解決する手段としてヤフー株式会社が新たなデータセンターに導入したのがA10ネットワークス「AXシリーズ」であった。IPv4/IPv6デュアルスタックとL3 DSRを実現。その機種選定と検証・初期導入、稼働後の保守までを一貫して支援したのが、CTCであった。「データセンター構築に関する卓越した技術と知識を持ち、当社からの要求に対応がぶれることがありません。手戻りが少なく大変助かっています」と高い評価を受けている。

課題と効果

課題
  • 即座に IPv6 へ移行できないシステムのための IPv4 延命
  • コスト削減
  • 柔軟なネットワーク構成の実現
  • CGN用途としてルータ、ファイアウォール、ロードバランサーを比較検討
  • A10ネットワークス製品を採用
  • CGN実装方式を検討
  • L3 DSR構成を加味した性能試験、機能試験を実施
  • 白河データセンターへの導入
効果
  • IPv4/IPv6デュアルスタックの実現
  • 素早いサービスイン
  • セキュリティと可用性の向上

導入事例インタビューデータ

会社名
ヤフー株式会社
所在地
〒107-6211 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー
設立
1996年1月31日
従業員数
3,859人 (2012年12月31日 現在)
URL
http://www.yahoo.co.jp/新しいウィンドウで開く
  • ヤフー株式会社 システム統括本部 基盤システム開発本部 TD(テクニカルディレクター) 松谷 憲文 氏

    ヤフー株式会社

    システム統括本部 基盤システム開発本部 TD(テクニカルディレクター)

    松谷 憲文 氏

  • ヤフー株式会社 システム統括本部 基盤システム開発本部 インフラ技術2部 部長 高澤 信宏 氏

    ヤフー株式会社

    システム統括本部 基盤システム開発本部 インフラ技術2部 部長

    高澤 信宏 氏

導入背景

ヤフーグループのサービスを支えるデータセンター

ヤフーの米国における設立は1995年3月、日本法人は1996年1月となっており、以来一貫して世界のインターネット市場を牽引してきた。

ヤフー株式会社が運営する「Yahoo! JAPAN」は、1日平均17億ページビューを誇る日本最大級のポータルサイトである。1996年の商用検索サイトから始まり、ショッピング、オークション、旅行、ニュース、天気、スポーツ、ファイナンス、テレビ、地図、路線、グルメなど、100以上のサービスを提供している。サービスの急激な拡大は、それを支えるインフラ増強の連続でもあった。膨大な量のアクセスに24時間365日体制で対応するため、データセンターの拡張や多重化などによる障害・災害対策に積極的に取り組んできた。

「複数拠点からサービスを提供するために、東日本の拠点となる新たなデータセンターを設けようという計画は7~8年前からありました」(松谷氏)。福島県白河市にその地を求め、2011年9月に着工し、建物が完成したのが2012年9月。サービスは翌10月から開始されている。

IPv4の延命を可能にするキャリアグレードNATの採用

社屋の建設と同時に進めてきたのがネットワーク設計であった。「当社は国内ではいち早くIPv6の実用化に着手し、普及に努めています。ただ、新データセンターではIPv6のみならず、IPv4の延命にも取り組むことにしました」と、同社 基盤システム開発本部 インフラ技術2部 部長 高澤 信宏 氏は語る。

かねてから高澤氏はIPv4の枯渇に危機感を覚え、何度かIPアドレスの在庫を予測計算していた。白河データセンターのネットワーク構成を設計するにあたって、再計算しIPv4延命が避けて通れないことを認識し、その仕組みの検討を開始した。IPv4延命として、高澤氏が注目したのがキャリアグレードNATであった。キャリアグレードNATはNAT(Network Address Translation)の1つで、1つのグローバルIPアドレスを複数のコンピュータやユーザーで共有する技術である。自社内のネットワークと他社のネットワークの分界点に大容量高速NAT装置を配置し、1つのグローバルアドレスをより多くのプライベートアドレスに割り当て、数万台規模のコンピュータやユーザーで共有できるようになる。

システム概要

A10ネットワークス「AXシリーズ」を選定

ネットワーク構成

さっそく高澤氏はキャリアグレードNAT機能を搭載する機器の選定に着手し、いくつかのベンダーに声をかけた。ここで選ばれたのがCTCの提案するA10ネットワークス「AXシリーズ」であった。キャリアグレードNATの機能を搭載する機器はファイアウォールやルータ、ロードバランサーなど数種類がある。なぜ、「AXシリーズ」だったのだろうか。

「『AXシリーズ』を早くからロードバランサーとして使用していました。2008年頃からです。そのため、使い慣れていたということがあり、対応するアプリケーションも多く開発していましたから、それら資産を無駄にすることがありませんでした」と、松谷氏はその理由を語る。

また、高澤氏も「機器選定から検証・初期導入もCTCにお願いしていました。A10製品をロードバランサーとしては使用していましたが、キャリアグレードNATとしては初めてなので色々と教えていただきました」と、高澤氏もCTCを評価する。更に「A10ネットワークスはOSのラインナップがシンプルで分かりやすいところが魅力です。ライセンスフリーなのも気に入っています」とも語る。

白河データセンターは「AXシリーズ」をキャリアグレードNATとして、更にロードバランサーとしても使用する構成となった。いずれも保守も含めCTCからの導入であった。

導入効果

L3 DSRによる柔軟で効率的なネットワーク構成

「AXシリーズ」によるIPv4延命により、1つのIPアドレスを理論上6万4512台のサーバで共有させることが可能となり、アドレス在庫を数十年延ばすことができるようになった。

同時にL3 DSR(Layer 3 Direct Server Return)にも対応。クライアントからのリクエストをロードバランサーで処理した後、レスポンス時はロードバランサーを経由せず、サーバから直接クライアントに戻す方式である。従来の一般的な方式と比較して、処理負担を軽減でき、高いパフォーマンスが期待できる。更に複数のネットワークセグメントに配置されているDSR構成のロードバランサーを集約することが可能となり、大規模ネットワークを構成しやすくなる。「セグメントを超えて負荷分散できることになり、柔軟なネットワーク構成と、資産の効率的な組み合わせが可能となります。ロードバランサーの台数を切り詰めることで、コスト削減にもつながります」(高澤氏)。もっとも、L2 DSRからL3 DSRに変更したことで、セグメントを超えた通信が想定外に多く、リリースギリギリまでアクセスリストの設定に追われたと高澤氏は苦笑する。

「管理系のデータもNAT機器を通るので、その分セキュリティの向上も期待できます」と、高澤氏はセキュリティ上のメリットも語る。

今後の展望

IPv4/IPv6デュアルスタックとL3 DSRを全国展開

ヤフー株式会社 様

IPv4/IPv6デュアルスタックもL3 DSRもデータセンターとしては斬新な挑戦だ。「1つの標準と呼べるネットワーク構成が完成しました。今後構築するデータセンターあるいは刷新するネットワークに応用していく予定です」と、松谷氏は今後の構想を語る。

「残っている課題はコンフィグレーションの自動化でしょうか。『AXシリーズ』はAPIが充実していますので、人の手が介在することなく規模を拡張することができます。誰でも安全に運用できる環境にしたいと考えています」と、高澤氏は語る。

「CTCは付き合いが長いこともあり、技術も知識も申し分ありません。今後ともパートナーとして、ヤフーの発展にぜひご協力いただきたいと思います」と、最後に松谷氏はCTCへの期待を語った。

用語解説

白河データセンター

拡張が容易な地方型データセンターの特長と、郊外型データセンターと同等のネットワークレスポンスを併せ持つデータセンター。中継ノードをできる限り少なくすることにより、東京-白河間の応答速度は、東京近郊に位置するデータセンターと同等。東京-大阪間の約1/3、北海道・九州とでは約1/4、沖縄とでは約1/10と、物理的な距離に比例しない高速なネットワーク環境を提供する。

AXシリーズ

A10ネットワークス株式会社の開発したロードバランサー。IPv6サーバロードバランシングやキャリアグレードNAT等の機能によりIPアドレス枯渇問題にも対応する。

IPv4/IPv6

インターネットに接続される機器を特定するアドレス。v4は枯渇が迫っているのに対し、v6はほぼ無限のため、v6への移行が急がれている。

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