CTC、Yahoo! JAPANの白河データセンターに、効率的なIPアドレス使用を可能にするロードバランサを導入

キャリアグレードNATで柔軟なネットワークシステムを実現

2013年02月13日 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:菊地 哲、本社:東京都千代田区、略称:CTC)は、ヤフー株式会社(代表取締役社長:宮坂 学、本社:東京都港区、以下:Yahoo! JAPAN)が2012年10月に福島県白河市に開設した白河データセンター※1向けに、効率的にIPv4アドレスを使用するキャリアグレードNAT※2(Carrier Grade network address translation)に対応したA10ネットワークス株式会社の「AXシリーズ」※3を導入しました。Yahoo! JAPANのサービス拡大に高い柔軟性を実現するAXシリーズを活用したネットワークシステムは、全国のYahoo! JAPANのデータセンターに順次導入される予定です。

Yahoo! JAPANが運営する「Yahoo! JAPAN」は、1日平均17億ページビューのインターネットの総合情報サイトです。また、Yahoo! JAPANは「Yahoo!オークション」や「Yahoo!ショッピング」など、100種類以上のサービスを展開しています。 これらのサービスに対する膨大なアクセスに24時間365日体制で対応するため、Yahoo! JAPANはこれまでもデータセンターの拡張を続けてきました。またサーバ群やデータセンターの多重化などによる障害・災害対策(ディザスタリカバリ)に積極的に取り組んでいます。

白河データセンターでは、今回CTCが導入したAXシリーズを用いたキャリアグレードNATとL3 DSR※4(Layer 3 Direct Server Return)を併用したシステム構成が採用されています。Yahoo! JAPANのサービスが稼働する共通IT基盤において、複数のサービスでIPアドレスを共有し、枯渇したIPv4アドレスを効率的に使用すると同時に、サーバへのアクセス負荷を分散するロードバランサの集約と異なるネットワークセグメント間での利用を実現します。
本構成により、既存のネットワークに大きな変更を加えずに、システムの仕様変更が可能になります。高い柔軟性を持つシステム構成を実現したことで、サービスの拡張や新サービス開始までの準備期間の大幅短縮が可能になりました。また、ビジネス環境の変化に俊敏に対応でき、Yahoo! JAPANグループのインターネット事業やクラウド、ストレージサービスなどのITアジリティの向上を実現しました。

Yahoo! JAPAN新データセンター ネットワークシステム構成

Yahoo! JAPAN新データセンター ネットワークシステム構成

CTCは、これまでも自社が保有する総合検証センター「テクニカルソリューションセンター(TSC)」でYahoo! JAPANのデータセンターネットワーク、ロードバランサ、IPv6対応等の検証を支援してきました。白河データセンター稼働にあたっても、機器性能や周辺機器との接続、運用ツールとの連携、障害時の動作確認など運用に即した入念な検証を行い、システム構成検討や導入支援を実施しています。

今後も、CTCではデータセンターにおける柔軟なネットワーク拡張に取り組む企業を支援するIPv4枯渇対策、IPv6対応や機器選定に向けた検証支援サービスを提供し、データセンター運用性向上に向け貢献していきます。

環境対応型大型データセンター白河データセンター

環境対応型大型データセンター白河データセンター

今回の発表にあたり、A10ネットワークス株式会社 代表取締役社長兼CEO ヴァイスプレジデント南APAC 小枝 逸人様からコメントを頂いています。

A10ネットワークス株式会社は、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下CTC)がヤフー株式会社に「AXシリーズ」を導入したことを大変うれしく思います。AXシリーズは、ハイパフォーマンスかつ柔軟性の高いアプリケーションデリバリソリューションによって、数多くの企業やISPのビジネスをサポートしています。
今後もCTCとA10のパートナーシップにより、お客様のアプリケーション性能の向上と安定化、TCOの削減に貢献していきます。

  • ※1Yahoo! JAPANの白河データセンターについて
    最先端技術を集結し世界トップレベルのエネルギー効率を実現する福島県白河市に開設された環境対応型大規模データセンターで、1万台以上のサーバ収容が可能です。Yahoo! JAPANグループのインターネット事業におけるインフラ基盤の強化を図り、クラウドコンピューティングやストレージサービスの東日本拠点として展開される予定で、拡張が容易な地方型データセンターの特長と、郊外型データセンターと同等のネットワークレスポンスを併せ持つデータセンターです。ネットワークの伝送路を最短経路で設計し、中継ノードをできる限り少なくすることにより、東京-白河間の応答速度は、東京近郊に位置するデータセンターと同等となっており、東京-大阪間の約1/3、北海道・九州では約1/4、沖縄では約1/10と、物理的な距離に比例しない高速なネットワーク環境を提供します。
  • ※2キャリアグレードNAT(Carrier Grade network address translation)について
    NAT(NetworkAddressTranslation)とは1つのグローバルなIPアドレスを複数のコンピュータやユーザーで共有する技術です。組織内でのみ通用するIPアドレス(プライベートアドレス)と、インターネット上のアドレス(グローバルアドレス)を透過的に相互変換することで、通信を可能にします。キャリアグレードNAT は、自社内のネットワークと他社のネットワークの分界点付近に大容量高速NAT装置を配置し、1つのグローバルアドレスをより多くのコンピュータやユーザーで共有する技術です。
  • ※3アプリケーションネットワーキングプラットフォーム AXシリーズについて
    専用ハードウェアとマルチコア/マルチCPUに最適化された独自OS/ACOS(Advanced Core Operating System)による高いパフォーマンスを有し、IPv6サーバロードバランシングやキャリアグレードNAT等の機能によりIPアドレス枯渇問題にも対応しています。また、製品価格におけるコストパフォーマンスに加え、業界標準のコマンドラインインターフェース、日本語対応のWeb管理画面、tcl言語に基づくスクリプティング機能により、運用におけるコスト削減効果も期待できます。
  • ※4L3 DSR(Layer 3 Direct Server Return)
    一般的な負荷分散方式(インライン方式)は、端末からサーバへのアクセスのリクエスト及びレスポンスは、ロードバランサを経由して処理しますが、DSR構成は、クライアントからのリクエストをロードバランサで処理した後、レスポンス時はロードバランサを経由せず、サーバから直接クライアントに戻す方式です。インライン方式と比較しロードバランサの処理負担が軽減され高いパフォーマンスが期待できます。更にL3DSR構成を取ることで複数のネットワークセグメントに配置されているDSR構成のロードバランサを集約することが可能となり、大規模ネットワークに適用しやすいなどの特徴があります。

報道機関からのお問い合わせ先

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
広報部

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