事例

ヤフー株式会社 様

更新

CiscoNexus7000をデータセンターに導入してサービス拡大を加速

TSCで検証を繰り返し、新製品への不安を払拭

企業の成長とサービス拡大の基盤となるデータセンター。その拡張性や柔軟性は、企業戦略を左右するほどの大きな影響力を持つ。日本のインターネット文化を牽引してきたYahoo! JAPANは、新規に構築するデータセンターのコアスイッチとして、次期戦略製品Cisco Nexus 7000を採用した。CTCは事前情報の提供などのプリセールスから、自社施設TSCでの念入りな検証、導入、構築、アフターサポートまで一貫して提供している。

課題と効果

課題
  • データセンターの構成を複雑にしたくない
  • 従来の運用手法や体制を変えたくない
  • 新製品導入のリスクを減らしたい

TSCで検証を繰り返しデータセンター用スイッチ Cisco Nexus 7000 を導入

効果
  • シンプルな構成で運用負荷を軽減
  • 冗長構成による高い可用性を保証
  • ビルディングブロック方式で容易な拡張性を実現

導入事例インタビューデータ

会社名
ヤフー株式会社(英文社名 Yahoo Japan Corporation)
所在地
〒106-6182 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
設立
1996年1月31日
資本金
73億7,600万円(2008年9月30日現在)
従業員数
3,476人(2008年9月30日現在)
URL
http://www.yahoo.co.jp/新しいウィンドウで開く
  • ヤフー株式会社 CTO システム統括部 統括部長 西牧哲也 氏

    ヤフー株式会社

    CTO システム統括部 統括部長

    西牧哲也 氏

  • ヤフー株式会社 サイトオペレーションズ部 部長 松谷憲文 氏

    ヤフー株式会社

    サイトオペレーションズ部 部長

    松谷憲文 氏

  • ヤフー株式会社 サイトオペレーションズ部 ネットワーク1リーダー 高澤信宏 氏

    ヤフー株式会社

    サイトオペレーションズ部 ネットワーク1リーダー

    高澤信宏 氏

  • ヤフー株式会社 サイトオペレーションズ部 ネットワーク3リーダー 諸正康弘 氏

    ヤフー株式会社

    サイトオペレーションズ部 ネットワーク3リーダー

    諸正康弘 氏

導入背景

データセンターが支えるYahoo! JAPANのサービス拡大

ヤフー株式会社

日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」。1996年の商用検索サイトから始まり、ショッピング、オークション、旅行、ニュース、天気、スポーツ、ファイナンス、テレビ、地図、路線、グルメ…など150以上のサービスを提供している。

例えば、2005年11月には疑問や知りたいことを他の人に質問できる「Yahoo!知恵袋」を提供し話題になった。また、2008年9月には、閲覧中のページ内容と行動履歴から、ユーザーの興味、関心に適合した広告を表示する「インタレストマッチ広告」を展開し、大きな注目を集めている。

2004年10月には1日あたりの総ページ数が10億ページ数を突破。2007年5月には月間318億ページビューを獲得し、米Yahoo!を上回り世界一を達成。2008年3月現在では431億ページビューを記録している。

Yahoo! JAPANのサービスは年々増加し、利用者も増えている。これらサービス拡大の歴史は同時に、データセンター増強の歴史でもあった。「常に3年先までの成長を考えに入れています。今度構築するデータセンターは250ラック、全ギガ接続ですが、これも2年ほど前から構想していました」と、Yahoo! JAPANにおけるデータセンターのあり方を、CTO システム統括部 統括部長 西牧哲也 氏は説明する。

既存機種ではポート数が、他社製品では運用が課題

新データセンターの構想が進むにつれ、そのコアスイッチの選定も具体化する。従来Yahoo! JAPANのサービスを支えるデータセンターのコアスイッチはすべてCisco製で占められており、その路線ではCisco Catalyst 6500が採用されるはずであった。

「ただ、6500ではポート数が足りません。250ラックをカバーするには3台以上必要となり、構成が複雑になります。コアスイッチの数が多くなると、その間での輻輳も発生してしまいます。できればシンプルな構成にしたいと考えていました」と、運用担当者でもあり、選定にもあたったサイトオペレーションズ部 ネットワーク1リーダー 高澤信宏 氏は振り返る。また、サイトオペレーションズ部 部長 松谷憲文 氏は「これもあって、今回はCisco製品に限ることなく、他ベンダー製品も含めて検討し直す意見も出ていました」と打ち明ける。

確かにCisco製品以外でも同等のパフォーマンスを提供する機種もある。「しかし、そうなると、運用が大きく変わり、これが現場の負担となります。長くCisco製品を使っているので、それに適したツールも多く作り込んでいます。Cisco製品は細かなチューニングができるなど、機能が洗練されており、これに我々も慣れています」と、サイトオペレーションズ部 ネットワーク3リーダー 諸正康弘 氏も迷いを語る。

システム概要

検証を繰り返しCisco Nexus 7000を採用

システム構成イメージ

そんな頃、CTCからCisco製新製品の情報がヤフー側にもたらされた。データセンターに特化した次期戦略製品Cisco Nexusが発売されるというものである。「データセンター用途と謳っているだけあって、十分なポート数があり、これなら2台の冗長構成で250ラックをカバーできます。加えてCisco製品であれば運用に大きな変化無く導入できる可能性も感じました。」と、諸正氏が語るように、ヤフー側は新製品に大きな興味を寄せた。

松谷氏と高澤氏は4月末に米国カリフォルニア州サニーべイルにあるYahoo!本社へ赴いた際、時間を割きCisco本社を訪れ、新製品のプレゼンテーションを受ける。これにはCTCのSEも同行している。この席で、ポート数やパフォーマンスにはまったく問題がないことを確認できた。

帰国後、CTCの検証センターTSCでCisco Nexus 7000の検証を依頼している。「早くからさまざまな情報をもらっていますし、CTCは独自の検証センターを持っています。他ベンダーの機器とも接続して詳細な検証をすることができます。特に初物は高度な技術が必要です。CTCはネットワーク定例会議を開催しており、過去行ってきた数多くの検証を通してヤフーが求める機能をよく理解しているので、引き続き評価を依頼することにしました」(松谷氏)。

TSCはCTCの提供するマルチベンダー検証センターであり、他の機種との接続など開発ベンダーだけでは困難な検証も幅広く対応が可能である。「ここで、負荷テスト、OSのバージョンアップ、既存ツールの検証、障害時を想定した切り替えなどを行い、Cisco Nexus 7000の採用を決定しました」と、採用の経緯を諸正氏は語る。

2008年8月に2台のCisco Nexus 7000がCTC物流センターに納品され、セットアップスペースで本番同様の設定で事前構築が進められた。そして、そのまま10月には新データセンターに移設され、稼働の準備に入った。

新データセンターはマルチホーム構成で2台のCisco Nexus 7000がそれぞれのISPに接続され、エッジのスイッチを経て、ラックにつながっている。例え1台のスイッチまたはISP回線に障害が発生しても、もう片側の機器と回線で運転を継続し、サービスには影響を与えない。

導入効果

データセンターを分散させ可用性を向上

「新データセンターは拡大するサービスの負荷平準化と同時に、バックアップセンターとしての役割も持っています。重要なサービスはすでにデータセンターを分散させて、高い可用性を保証しています。加えて今回のバックアップセンターにより、他のデータセンターで障害が発生しても主要なサービスのほとんどは新センターからサービスでき、さらに信頼性が向上されます」と、西牧氏は新データセンターへの期待を語る。

「Cisco Nexus 7000はポート密度が高く、データセンター内の配線をシンプルにできるところがメリットです。それだけ障害の危険性が減りますし、運用が楽になります。」と、諸正氏はCisco Nexus 7000を評価する。同様に、高澤氏も「OSが刷新され、そのバージョンアップの際にサービスを止める必要がなくなりました。これは検証の際にも確認できました。データセンターはミッションクリティカルなサービスを多く担っており、大変有用な機能であると思います」と語る。

今後の展望

ビルディングブロック方式でデータセンターを拡張

Yahoo! JAPANではすでに次のデータセンター拡張の青写真ができている。「2台のCisco Nexus 7000と250台のラックの構成を単位に、ビルディングブロック方式で増やしていきます。この点でもCisco Nexus 7000はベストなサイズのスイッチでした」(西牧氏)。

Cisco Nexus 7000は新製品でもあり、国内はもとより、世界的に見ても最も早い導入の1例である。それだけにリスクもあったはずだが「今回の新製品採用は、拍子抜けするほどうまくいきました。これもCTCがCiscoの製品も我々の環境をも知り抜いており、詳細な検証を繰り返してくれたからと思われます。CTCはネットワークはもちろん、サーバー、ストレージ、ミドルウェア、それぞれのITインフラに水準以上のノウハウと技術力を持っています。心強いパートナーです」と、松谷氏はCTCを高く評価する。高澤氏も「CTCには大変お世話になりました。問い合わせにもスピーディに応えていただき、いろいろ教えてもらいました。Yahoo! JAPANのデータセンターは全国規模で展開していきます。CTCもサポートを全国展開しているので心強く思っています」と加える。

日本のインターネット文化を支え、生活やビジネスに新しい提案を続けるYahoo! JAPAN。その挑戦をCisco Nexus 7000とCTCが力強くサポートしている。

用語解説

Cisco Nexus 7000シリーズ
シスコの提供するデータセンター用スイッチ。単一のシャーシで最大通信速度毎秒15テラビットを実現。10ギガビットイーサネットを512ポート搭載でき、将来は40ギガビットイーサネット、100ギガビットイーサネットもサポートする予定。最新のオペレーティング システム Cisco NX-OS を搭載している。

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