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|特集|既存のクラウドを超える 今、ITは新たなステージへ
特別対談 IDC アナリスト×CTO Disruption時代のSI企業の役割

SI企業の3つの道とCTCの選択

中村
DXの浸透による環境変化に対応するため、国内SI企業が取るべき戦略は3つだと考えています。一つは、ユーザー企業のイノベーション・パートナーになること。一つは、クラウドへの移行のサポート。もう一つは、まだ一定の需要があり、エンジニアの供給も可能な既存システムの運用です。この3つのビジネスをポートフォリオとして組み合わせることになるでしょう。
大久保
CTCでも、おっしゃった3つの道に対応したサービスを展開しています。まず、お客様の「イノベーション・パートナー」の役割を担うのは、昨年R&D組織として立ち上げた「クラウドイノベーションセンター」です。DX時代にあるべき第3のプラットフォームを研究しています。クラウドOSであるOpenStackを中心として、OSSに関する技術やアジャイル開発を駆使して予測できない処理に対応できるクラウドサービスを提供することを目指しており、メンバーは社外のハッカソンにも積極的に参加し、技術研鑽に努めています。これらを踏まえて、昨年、「CTC Agilemix」というサービスを開始しま た。アジャイル開発の支援に加えて、お客様の課題に合わせたアイデア創出に寄与するサービスで、いわば「出張ハッカソン」です。第2と第3のプラットフォームを熟知しているからこそできるサービスです。
中村
IDC FutureScapeでも、国内IT企業のIT支出額で2017年には33%以上、2020年には45%超が第3のプラットフォームに費やされると予測しています※5。まさに各企業がイノベーションに取り組む環境が整ってくるでしょう。
そして、DXを支えるシステムは、規模の拡大に柔軟に対応できるものでなければならず、必然的にクラウドになります。大規模なシステムを抱えるユーザー企業はDXのために、まずは既存システムをクラウドに移行する必要があり、ここがSI企業の出番です。IDCでも、インフラとソフトウェアを含む国内IT投資で、クラウドについては2017年には20%以上、2020年には30~40%に達すると見込んでいます※6
大久保

クラウドへの移行については、ミッションクリティカルなシステムに対して安定性や堅牢性が特徴のサービスCUVICmc2を4月から開始します。パブリッククラウドでありながら、パフォーマンスに対する性能保証、高セキュリティ、実使用量による従量課金の3つのポイントを備えたサービスです。CUVICmc2で重要業務を担うシステムのコスト削減が実現でき、その分お客様はDXに取り組むことができます。

既存システムの運用についても、グループ会社のCTCシステムマネジメントで長年行っており、引き続き対応していきます。今後CTCでは、第1と第2のプラットフォームから移行するための手法やツールを導入し、レガシーにもクラウドにも精通したエンジニアがプラットフォームを問わずに総合的にサービスできる仕組みを整えることで、クラウドへの移行を加速させていきます。

「CUVICmc2」の特徴

パフォーマンスに対する性能保証
サービスの可用性、ストレージ応答時間、災害時の目標復旧時間(RTO)と目標復旧地点(RPO)を保証
高セキュリティ/コンプライアンス
金融機関やライフサイエンス、政府などの各業界で要求されるシステムの規格に準拠
実使用量による従量課金
ITリソースを細かく計測・管理する新技術で、仮想化環境での実使用量を把握。オンプレミスに比べ20~50%低コスト
  1. IDC Japan 株式会社の2015年12月9日のプレス発表『~デジタルトランスフォーメーションの規模拡大を牽引せよ~ 2016年版 世界と国内のIT市場に関する予測を発表』参照。
  2. 同上。

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