エネルギーIoTクラウド「E-PLSM」に設備異常の予兆を検知する機能を追加

併せて再生可能エネルギーの発電出力に関する予測機能を強化

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2018年11月30日 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:菊地 哲、本社:東京都千代田区、略称:CTC)は、再生可能エネルギーなどの利用を管理するIoTクラウドサービス「E-PLSM(エプリズム)」※1に、設備異常の予兆を検知する機能を追加します。併せて風力・太陽光発電の出力予測の機能を強化して、本日から提供を開始します。電力設備の高度な保全と再生可能エネルギーの普及拡大をIoTで支援します。
電力設備やプラントの安定稼働を図る事業者、再生可能エネルギーの発電事業者や小売電気事業者を中心としたエネルギー関連企業向けに営業展開し、2019年度で100件の受注を目指します。

E-PLSMは、発電設備やプラント、送配電設備等のセンサーからのデータを収集して各設備を監視するとともに、データ分析によりエネルギー利用を統合的に管理するクラウド型のIoTプラットフォームです。データ収集・分析の基盤として米国OSIsoft社のIoTソフトウェアPI Systemを使用しています。CTCがエネルギー分野で培ったノウハウも結集し、2011年から提供しています。

今回新たに追加した「設備の異常予兆の検知機能」では、発電設備の運転状態を示す、出力、温度、流量、圧力、電流、振動、品質などのデータをもとに、リアルタイムで設備状態を監視します。そして、機械学習ソフトが設備の正常な状態を学習し、異常の予兆を検知します。ユーザーは、故障の発生前に対応することができ、計画外の停止を低減することで設備の稼働率の向上につなげることができます。
米国エンジニアリング企業ECG社※2の異常予兆検知ソフトウェア「Predict-It」※3を活用しており、CTCは、2016年に国内初の代理店となって以降、電力・エネルギー分野を中心に予知保全での取り組みを進めて、国内での多くの提供実績があります。

併せて今回強化した「発電出力予測機能」は、全国の風力発電所や太陽光発電所において、風向風速、日射強度、気温などの気象情報に加えて、発電所からのセンサー情報を活用することで発電出力を予測する機能です。今回の強化では、従来のサービス提供での要望に基づき2つの予測メニューを用意しました。また、E-PLSMの提供を含めた再生可能エネルギー分野での実証実験やビジネスで得た知見をもとに、予測モデルを見直し、時間・空間メッシュの細分化と予測誤差の減少を含めた精度の向上を図っています。
2つの予測メニューは「短期予測」と「短時間予測」です。短期予測は、3日先まで30分刻みで6時間毎に更新するもので、電力市場における売買取引や出力の変動に影響する保全作業、電力系統の運用などで、例えば、電力取引における売買の計画や火力発電の稼働計画に役立ちます。短時間予測は、6時間先まで30分刻みで1時間ごとに更新するもので、発電所の監視・運営業務での予測に基づく作業の効率化や、送配電事業における数時間先の電力需給の調整などで活用できます。2つの予測メニューを組み合わせて使用することも可能です。
なお、発電出力予測に関しては、平成24年度「新エネ大賞」において「新エネルギー財団会長賞」を東北電力と共同で受賞しています。

地球温暖化や電力自由化への対策を背景に電力ビジネスは多様化しており、電力設備やプラントの安定稼働や、電力の購入や販売における効率化の要望がますます強まってきています。また、再生可能エネルギーの普及拡大には、電力需給のバランス保つための発電出力予測の精緻化も必要です。今回のE-PLSMの機能の追加や強化は、このような要望に応えるものです。

CTCは25年以上にわたり、気象予測や風力・太陽光発電の出力予測に関する技術開発を行い、再生可能エネルギーの事業性評価や出力予測情報サービスなどを提供してきました。今後も、分析や設備管理の機能を含めてE-PLSMを拡充し、IoTによるお客様企業の生産性の向上を支援していくとともに、クリーンエネルギー技術の進展を通してSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献していきます。

E-PLSMのサービスイメージ

今回のプレスリリースにあたり以下のコメントをいただいています。

ECGは、CTCのE-PLSM強化に協力できることを大変嬉しく思います。プロセス異常を検知するPredict-ItとCTCのIoT技術は、お客様のリスクの緩和と設備の信頼性の向上に大きく貢献できる、最良の組み合わせとなるでしょう。

Michael Santucci, President of ECG

  • ※1 E-PLSMの“E”は、Energy、Economy、Environment及びEcologyを意味し、“PLSM”は、PLatform for Simulation and Managementを略しています。
  • ※2 ECG:Engineering Consultants Group, Inc.(ECG)社は、主に火力発電事業者を対象に、エンジニアリング/モニタリング/メンテナンスサービスと、ソフトウェアの提供および活用支援・サポートを行っている企業です(1992年設立、本社は米国オハイオ州、URL: http://www.ecg-inc.com/)。
  • ※3 「Predict-It」は米国ECG社が開発した、設備の異常予兆を検知するソフトウェアとして、発電設備を中心に各国で利用されています。APR(Advanced Pattern Recognition)という機械学習アルゴリズムを用いており、①多くの事例により効果が実証されている理論にもとづいていること、②プラントや工場の勤務者が容易に操作できること、③少ないITリソースでも軽快に利用・運用できることが特徴です。

報道機関からのお問い合わせ先

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
広報部

E-mail:press@ctc-g.co.jp

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