ユニバーサル農業は、誰もが参加できる農業です。近年、人口が減り高齢化が進むなか、農村地域でも過疎化が進み、農業の担い手の高齢化による耕作放棄地も増えています。障がいのある方が農業の新たな担い手として活躍し、自信や生きがいを持って社会に参画する「農福連携」の取り組みが全国に広がっています。
CTCは障がい者の雇用を促進する目的で、特例子会社 CTCひなり株式会社(以下、ひなり)を2010年に設立しました。浜松事業所で、障がいのある方と農業をつないでいます。浜松に拠点を定めたのは、年間を通じて様々な農作物が作られていることから通年での作業が見込め、雇用の安定が図れるからです。
浜松事業所では、複数の農家と契約して作業を受託 し、農産物・加工品の袋詰めやシール貼りなどの作業も担当しています。農家の商品は、当社グループ内の給茶機で利用のほか、ギフト用としても販売しています。また、最近では障害のある方の高齢化を視野に、屋内業務の開拓にも取り組んでいます。
ひなりにはジョブサポーターと呼ばれる障がいのある方の支援者がいます。新しい作業を開始する場合は、ジョブサポーターが農家から作業の手順を細かくヒアリングし、画像付きの作業手順書を作成します。技術のアドバイスに加え、仕事がやりやすくなる道具を作成するなどの工夫もしています。作業を委託している農家では経営規模を拡大するところもあり、地域農業の活性化に役立っています。