Yahoo! JAPANのOpenStack基盤にKubernetesを導入し、継続的インテグレーション環境を構築

コンテナ環境構築を自動化し、アプリケーション開発とサービス提供を加速

2016年11月10日 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:菊地 哲、本社:東京都千代田区、略称:CTC)とグループ会社のITOCHU Techno-Solutions America, Inc.は、オープンソースソフトウェア(以下:OSS)を中心にプロフェッショナルサービスを提供するSolinea, Inc.と共に、ヤフー株式会社(以下:Yahoo! JAPAN)の米国現地法人YJ America, Inc.の米国データセンターで、OpenStack※1基盤にコンテナ管理のOSSである「Kubernetes」※2を導入しました。単一のコードから、コンテナや仮想環境を含めたマルチプラットフォームにアプリケーションを自動的に展開する環境で、アプリケーションの開発から配備(デプロイ)までのサービス提供プロセスを効率化する継続的インテグレーション(CI:Continuous Integration)※3を実現しています。

CTCグループとSolineaは、ワークフローや各種ツール群の設計、構築支援、保守を含めたトータルソリューションを提供しています。

背景

Yahoo! JAPANは、2012年にOpenStackを導入して大規模な仮想環境を構築し、ハードウェアリソースの統合による効率的な運用を実現していました。しかし、ユーザーニーズや市場でのクラウド分野の技術的な進展に伴い、サービスの開発と提供において更なる業務の効率化が必要とされていました。

Kubernetesと各種OSSによるCI環境の構築

今回Yahoo! JAPANが採用したKubernetesは、Googleが2014年にOSSとして公開したコンテナを管理・運用するためのソフトウェアです。コンテナは、起動やサービス提供環境への配備が迅速にできるため、市場の変化に呼応してアプリケーション開発・導入などのサイクルを高速化することが可能です。Kubernetesは、代表的なコンテナソフトウェアであるDocker※4を使用した環境に対し、複数のコンテナの自動配備や監視、運用などの機能を提供します。

Yahoo! JAPANでは、サーバやネットワーク、ストレージなどのITリソースを一元的に管理するOpenStackとKubernetesを連携させて既存のシステムや機能を有効活用し、各種OSSも使用してコンテナや仮想環境を含めたマルチプラットフォームへのアプリケーションの対応を図りました。アプリケーションの単一のコードから、マルチプラットフォームでのイメージ生成や配備を自動化する環境で、サービス提供のプロセスを効率化しています。

CTCグループの取り組み

CTCとITOCHU Techno-Solutions Americaは、データセンターに最適なハードウェアのオープンな標準を定義するOpen Compute Project(OCP)※5のSolution Providerとして、Yahoo! JAPANのOpenStack基盤やBig Data基盤をOCP仕様で構築してきました。また、OpenStackを含めたOSS関連のコンサルティングやシステム構築、導入支援サービスを提供するSolineaにも出資して、SIサービスについて協業しています。オープンで標準的な技術を追求し、拡張性が高くコスト効率の良いシステム提供を目指した活動でお客様に貢献してきました。

これらの取り組みと長年の大規模なシステム構築実績に基づき、Yahoo! JAPANのCIを実現するワークフローや各種ツールの設計、構築支援、保守を含めたトータルソリューションをSolineaとともに提供しています。保守サポートについては、CTCのグループ会社で保守・運用サービスを手掛けるシーティーシー・テクノロジー株式会社とITOCHU Techno-Solutions Americaが提供するグローバルサポートデスクでYahoo! JAPANのワールドワイドな取り組みを支援しています。

CTCグループは、今後も総合力を発揮してYahoo! JAPANサービスの更なる高度化を支えていくと共に、OpenStackやKubernetes、OCPを含めたオープンな技術を推進し、お客様システムの効率化やグローバルレベルでのIT技術の発展に貢献していきます。

  • ※1 OpenStackについて:クラウド環境での仮想サーバ、ネットワーク、ストレージなどのITリソースについて効率的な管理を実現するOSS。プライベートクラウドに加え、パブリッククラウドの管理ツールとしても使用されている。
  • ※2 Kubernetesについて:コンテナのDockerを管理するOSS。複数のコンテナ環境を統合的に管理できる。
  • ※3 継続的インテグレーション(CI)について:ソースコードからの生成(ビルド)やテストを継続的に且つ頻繁に行いアプリケーション開発の品質を向上させる手法。単一の場所にソースコードを置き、コードからアプリケーションの生成、テスト、結合などを自動化することで実現できる。
  • ※4 Dockerについて:ゲストOSのない仮想化環境であるコンテナを管理するOSS。特定の環境に依らずにアプリケーションのパッケージや配備を可能にする。
  • ※5 Open Compute Project(OCP)について:Facebookが2011年に開始した、データセンター向けに最適化されたインフラ設計を定めるプロジェクト。低消費電力、低コストで拡張性の高いシステムが構築できる。

報道機関からのお問い合わせ先

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
広報部

E-mail:press@ctc-g.co.jp

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