AIのためのデータ準備サービスを提供開始

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社（代表取締役社長：柘植 一郎、本社：東京都港区、略称：CTC）は、障がい者雇用を推進する特例子会社CTCひなり株式会社（代表取締役社長：渡邊 香織、本社：東京都港区、略称：ひなり）と共同で、AIデータ分析の事前準備を専門に行うデータ準備（Data Preparation、以下：DP）サービスを本日から提供します。CTCが金融業を中心としたお客様から受注したAIやデータ分析等の案件において、ひなりが、データの表記揺れや誤記等を整えるDP作業を実施します。AIの推進でハードルとなるDPを専門的に請け負うことでお客様のAI活用に貢献し、また、AIを含めたIT分野での障がい者の新たな職域の開拓を図っていきます。

AIを効果的に活用するためには、事前にデータを分析可能な状態に整えておくDPの作業が欠かせません。データの整形や加工、あるいは欠損や誤りの修正といったDP作業は、AI導入の作業全体のうち8割を占めるとされています。また、データは日々追加・更新されるため、DP作業は継続して行う必要がありますが、エンジニアの確保などの課題も発生しています。

本DPサービスは、エンジニアに代わって専門的にDP作業を請け負うものです。AIで良く使用されるプログラミング言語のPython（パイソン）等を使用して大量のデータを整形します。例えば、「お客様と顧客」「取締役と役員」などの用語の名寄せや、全角と半角を含めた表記ルールを適用したり、重複した用語の削除や異常値の除去といった作業を実施します。整形したデータをもとに分析することで、AIを通した、より精度の高い予測や判断が可能になります。

ひなりは、障がいのある社員を支援する社員（サポートマネージャー）と、主に知的障がいがある社員がチームを組み、2020年初頭からPythonによるデータ整形に取り組んできました。CTCの金融分野におけるAIやデータ分析のノウハウに基づく約１年間の試行期間を経て、定型的なデータの整形に関してはエンジニアと同等の技術水準に達しています。

CTCは、ひなりと共同でDPサービスを提供するとともに、同サービスを利用したAIビジネスを推進していきます。また、障がい者によるDP作業が普及することで、IT分野での障がい者の職域拡大にもつながります。プログラミング業務はテレワークとの親和性も高く、出社が困難な人材の更なる在宅就労にも期待ができます。