コラム

次の無線LAN規格である Wi-Fi7とは

第2回:日本でのWi-Fi7導入に際して

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次の無線LAN規格である Wi-Fi7とは

Wi-Fi7(IEEE 802.11be)のリリースに備えるために役立つ情報をお届けします。

次の無線LAN規格である Wi-Fi7(IEEE 802.11be)について全2回のコラムとしてお届けしています。
第2回目では日本でも利用できるようになった6GHz帯の特徴を踏まえ導入のポイントをご紹介します。

はじめに

全2回のコラムとしてお届けしています。
第1回ではWi-Fi7(IEEE 802.11be)で実装が検討されている主要な技術についてご紹介しました。
第2回となる本コラムでは日本でも利用できるようになった6GHz帯の特徴を踏まえWi-Fi7導入のポイントをご紹介していきます。

日本でのWi-Fi7利用

これまで日本では無線LANで2.4GHz帯、5GHz帯が利用可能でしたが、総務省が「電波法施行規則等の一部を改正する省令(令和4年総務省令第59号)」を2022年9月2日に公布して即日施行したことで 6GHz帯を利用する Wi-Fi6E や Wi-Fi7 に対応できるようになりました。
なお、この省令で新たに利用できるようになった6GHz帯の周波数帯は「5925 ~ 6425MHz」です。

6GHz帯の特徴

日本でも無線LANで利用できるようになった6GHz帯ですが、5GHz帯よりも使いやすくなっています。
5GHz帯の一部では「DFS(動的周波数スキャン)」と呼ばれる気象レーダーなどのレーダー装置との干渉防止機能を実装する必要があり、特に飛行場や気象台の近くではDFSが頻繁に作動して無線通信が途切れることがありますが、6GHz帯ではこのDFSが不要なため、より安定した無線通信が期待できます。

この6GHz帯について2.4GHz帯とも比較してみたいと思います。
2.4GHz帯は利用できる帯域幅が狭く、Bluetoothや電子レンジなどの電波干渉を受けるためスループットが低下しやすい電波帯域です。
一方で電波は周波数が低いほど障害物に強く、遠くに届きやすい性質をもつため2.4GHz帯は6GHz帯よりも入り組んだ屋内で使いやすいといったメリットがあります。

Wi-Fi7 を導入するべきか

Wi-Fi7では理論値で最大スループットがWi-Fi6の約4.8倍となっており、様々な機能により安定性が高く遅延やジッタの少ない高品質な通信が期待できます。

もちろん無線LAN通信以外でボトルネックとならないバックボーンネットワークが必要で無線LANコントローラやAccessPoint のみでなく、端末側の対応も必要です。
6GHz帯を使うことを考慮して入り組んだ場所では改めてサーベイを行ってAPの配置を調整する必要性がでる場合もあります。

いくつか考慮すべき点はありますが、無線LAN規格は下位互換があるため段階的に切り替えていくことが可能です。
Wi-Fi7の特徴を理解し、効果的に活用できる用途や環境を意識しながらいまのうちに準備を始めて頂くとスムーズに移行ができるのではないでしょうか。

著者

CTCテクノロジー株式会社 テクニカルサポート本部 テクニカルサポート第3部 小川 辰夫

CTCテクノロジー株式会社
テクニカルサポート本部
テクニカルサポート第3部
小川 辰夫

2003年CTCテクノロジー株式会社に入社。
ネットワーク系のポストサポートエンジニアとして主にセキュリティー関連製品に携わる。
無線LANに関しては2005年から現在まで複数ベンダーの製品を担当。

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