CTC、SAPジャパン、Virtustreamが共同で基幹系特化型のクラウドサービスを開始

安定性、セキュリティに重点を置いた実使用量に基づく従量課金型クラウドでコスト削減ニーズに対応

2015年10月09日 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
SAPジャパン株式会社
Virtustream, Inc.

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:菊地 哲、本社:東京都千代田区、以下:CTC)は、SAPジャパン株式会社(代表取締役社長:福田 譲、本社:東京都千代田区、以下:SAPジャパン)、米Virtustream, Inc.(Chairman and CEO:Rodney Rogers、本社:米国ワシントンD.C.、以下:Virtustream)と共同で、2016年4月から基幹系システムの安定稼働に特化したクラウドサービス「CUVICmc2(キュービックエムシーツー)」の提供を開始します。CUVICmc2は、パフォーマンスやセキュリティの面で世界的に定評と実績のあるVirtustream(バーチャストリーム)社のIaaS技術をベースに、SAP社に代表される基幹系・ERPソリューションをCTCの堅牢なデータセンターから提供します。また、既に統合業務ソフトウェア(ERP: Enterprise Resource Planningパッケージ)であるSAP® ERPを国内で使用している企業に対してもクラウド環境への移行サービスを提供します。

基幹系システムのクラウド化の背景

近年、企業の経営環境が日々変化する中、IoT(Internet of Things)やビッグデータ等の新しい技術を活用してビジネスの拡大に臨むには、IT投資の7割以上を占める基幹系システムのコストを抑制する必要があります。しかし、アクセスが集中した時のパフォーマンス劣化や情報の取り扱いに関連するセキュリティへの懸念、カスタマイズの難しさなどを背景に、各企業は、コスト削減を目的とした基幹システムのクラウドへの移行を踏み止まっています。

CUVICmc2の特徴

今回開始するCUVICmc2は、SAPソリューションをはじめとする基幹系システムに特化したクラウドサービスで、システムの安定稼働と高いセキュリティに強みを持つVirtustream社のIaaS技術をベースに、CTCの堅牢なデータセンターから提供します。

SAPソリューションについては、データベースのトランザクション処理※1と分析処理を統合したインメモリープラットフォームSAP HANA®や次世代ERPソフトウェアSAP® S/4HANAなどの提供により、既にSAP ERPを使用しているお客様システムのクラウド環境への移行を支援します。他のERPソリューションを利用したシステムに対しても安定的かつセキュアな環境を提供します。

Virtustream社は、世界の企業や政府機関に対して基幹系システム向けのIaaSサービスを展開しています。CPU、メモリ、ネットワーク、ストレージを複合的に計測し、効率的な使用を可能にする特許技術μVM(マイクロヴイエム)※2により、仮想環境でのリソースの実使用量を把握することができ、仮想サーバで3割程になるアイドル時間※3を除いた課金体系を実現します。

また、μVMに基づくリソース管理技術xStreamが、IaaS上で稼働するアプリケーションの負荷に応じてリソースを自動的に管理することで、ミッションクリティカルなシステムに対してSLA(Service Level Agreement)に基づくパフォーマンスを提供することができます。SAP社製のソフトウェアと親和性が高く、アプリケーションレベルでのSLAも提供しています。Virtustream社が世界で提供している6割のIaaSではSAP社製ソフトウェアが稼動しています。

セキュリティについては、CPUレベルでの暗号化技術であるIntel TXT※4やポータルの2要素認証※5を含め、SSAE16、ISAE3402、PCI-DSS 2.0、FISMA、HIPAA/HITEC等、金融機関やライフサイエンス、政府といった各業界で要求されるシステムの規格に対応しています。

SAPジャパンのSAP HANA®は、「インダストリー4.0」を中心としたIoTやビッグデータ、スマートデバイスの普及に伴う変化の激しい経営環境で、安定して基幹業務を処理しつつ、戦略策定のための分析処理を同一のプラットフォーム上で実現するインメモリ型のミドルウェアです。ERPパッケージの最新版であるSAP® S/4HANAも、基幹系のERPの機能に加えて、企業の戦略策定に寄与するSCM(Supply Chain Management)とCRM(Customer Relationship Management)を統合した次世代のエンタープライズソフトウェアで、SAP HANA®上で稼働します。

SAPジャパンは近年では、「Digital Transformation」のコンセプトのもと、ITが主導するイノベーションを促進しており、業務処理と予測を同時に実現するSAP HANA®の普及とクラウド化に重点を置いています。自社のグローバルなデータセンターからの提供とともに、パートナー企業のクラウドサービスとしてもSAP HANA®を提供していくことで、お客様の選択肢の幅を拡大しています。

CTCは、国内データセンターサービスとクラウドサービスの提供実績、長年のマルチベンダー製品を使用したシステム構築やサポート提供実績に基づきCUVICmc2を提供します。投資効果を査定する「Advisory Service」、既存環境からの移行を行う「構築・移行サービス」、IaaS環境のクラウドサービスである「Cloud Platform Service」、OS・ミドルウェアの運用サービスである「Cloud Cover Service」から構成されます。 Advisory Serviceでは、約1か月間、ツールを用いてお客様の利用状況を測定することで、クラウドに移行する際の投資効果を査定します。Cloud Platform Serviceでは、ストレージの応答時間やDR(Disaster Recovery)について性能保証があり、お客様のミッションクリティカルなシステムの基盤として最適なIaaS環境をクラウドにて提供します。SAPソリューションを利用するお客様には、SAPジャパンが認定した高品質な環境としてSAP HANA®を仮想マシンにて提供します。Cloud Cover Serviceは、24時間365日の運用サポート体制の下、OSやデータベースについての監視、障害対応、設定変更などを請け負います。SAPソフトウェアについてはデータベースやWebインターフェースなど、共通基盤(SAP BASIS)の運用サービスを提供します。

CTC、SAPジャパン、Virtustreamは、今後も、共同して基幹系システムのクラウド化を推進することでシステム維持コストの削減を促し、お客様企業のビジネスの創出に貢献していきます。

CUVICmc2の特徴

CUVICmc2の特徴

CUVICmc2 IaaSメニュー

CUVICmc2 IaaSメニュー

Virtustream社について

Virtustream社は、米国ワシントンD.C.に本社、米国とヨーロッパ地域にデータセンターを持ち、多くの企業や政府機関のミッションクリティカルなアプリケーション向けに信頼性の高いクラウドサービスを提供しているサービスプロバイダです。2015年7月にEMCが買収。欧州SAP SE(NYSE:SAP)も2013年から出資しています。

  • ※1 トランザクション処理:関連し合う処理のまとまりのこと。データベースではデータの追加や削除、更新を意味する。
  • ※2 μVM:VirtustreamのIaaS環境で用いる独自の単位。1μVMは、200 MHzのCPU、768 MBのメモリ、40 IOPSのI/O、2 Mbpsのネットワーク帯域から構成される。
  • ※3 アイドル時間:使用していない時間のこと。通常のクラウドサービスでの従量課金はCPUやメモリ等を確保している時間で課金されるため、アイドル時間も課金対象に含まれる。
  • ※4 Intel TXT:Intel Trusted Execution Technology。サーバを含むハードウェアのCPUチップやファームウェアレベルでセキュリティを確保する技術。
  • ※5 2要素認証:オンライン認証方式に関する3つの要素「記憶(SYK:Something You Know)」、「所持(SYH:Something You Have)」、「バイオメトリクス情報(SYA:Something You Are)」の内、2つの要素を使用して本人認証を行う仕組み。
  • ※6 SAP HANA®、SAP BASIS運用サービスは、SAPソリューションに特化したサービスメニューです。

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