Quid社と提携、AIを用いた情報解析プラットフォームを提供開始

膨大なテキスト情報を迅速に検索し、事業戦略における意思決定を支援

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2019年03月25日 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:菊地 哲、本社:東京都千代田区、略称:CTC)は、膨大なテキスト情報を分析して事業戦略における意思決定を支援するクラウドサービス「Quid」の提供を本日から開始します。CTCとパートナー契約を結んだ米Quid, Inc.(CEO:Bob Goodson、本社:米国カリフォルニア州サンフランシスコ、以下:Quid社)のサービスです。併せて導入支援、トレーニング、保守サポートなどのカスタマーサクセスサービスも提供します。製造業や商社、小売業、金融業、情報通信業、サービス業などの企業に向け、幅広い展開を目指します。

取り扱いの背景

近年、モバイルデバイスやソーシャルネットワークサービス(SNS)の普及に伴い、日々膨大な情報が生み出されています。人手による分析はもとより、コンピュータを使用しても、大半が自然言語からなるテキスト情報を分析し重要な情報を抽出することには困難がありました。

Quidは、自然言語処理(NLP: Natural Language Processing)、ディープラーニング※1といった人工知能(AI)の最新技術を備えており、自然言語からなるテキスト情報を読み込み、分析し、さらにはその結果を一目で分かるように視覚化することが可能です。広範なデータを収集し効率的な分析を通じて、経営判断や事業戦略の策定に貢献します。また、商品開発での市場や競合の研究、M&A・アライアンスを目的とした企業調査、マーケティングでの消費者動向など、様々なニーズに応えます。

Quidの機能詳細

Quidは、自然言語処理とインタラクティブな視覚化エンジンを用いて、世界中のテキスト情報からの知見獲得を支援するプラットフォームです。ニュースやブログ、企業・特許データベースの検索に加えて、カスタムデータをアップロードすることができ、調査トピックに関連するテキスト情報を読み込んで検索対象とすることができます。そして、自然言語処理とディープラーニングを含めたAI技術を用いて解析することで、テキストの関連性の特定と分類を行い、ネットワークマップとして視覚化します。ネットワークマップからワンクリックで、散布図、バーチャート、ヒストグラム、ヒートマップなどの形式に変更でき、ユーザーは新しい気付きや発見を短時間で獲得することができます。

英語データソースとしては、業界や技術情報を掲載するニュースとブログ、投資や買収情報を含んだ企業データ、グローバル特許情報があらかじめ用意されており、ユーザーはこれらのデータソースを横断して検索することができます。また、学術論文やSNS、自社文書などもカスタムデータとしてアップロードが可能です。日々更新されるデータソースの情報に、カスタムデータを組み合わせることで、リアルタイムに分析することができます。

また、Quidは独自の感情分析ツールも備えており、膨大な学習データをもとに肯定的な意見か否定的な意見かをAIが判定します。加えて、影響力のある人物・組織(インフルエンサー)の特定が行え、ソーシャルメディアへの拡散に基づくマーケティング効果の測定も可能にします。

製薬業では、開発からマーケティングにわたる医薬品のライフサイクルで、Quidを使用することができます。患者と医療従事者の真のニーズの発見や、技術力・市場優位性に基づく提携先の特定が可能です。また、その他の業界でも新商品を開発する際に、競合を含めた市場・技術のトレンドや成長性などの迅速な調査に役立ちます。

Quidは、海外では既に多くの企業が研究開発や経営戦略立案、市場調査に利用しています。CTCは、グループの総合力で製造業や商社、小売業、金融業、情報通信業、サービス業などの企業を中心にQuidの展開を進めていきます。

Quidの解析例

Quidはどの業界のどんなビジネスでも有力なツールとなります。

業界ランドスケープ 市場の全体像や区分を視覚化し、投資やM&Aの傾向を追跡する。
競合情報 競合のメディアでの取り上げられ方、投資や買収の情報を追跡する。
イノベーション研究 新しい社会やテクノロジーを特定し、知的財産の研究を行う。
ブランドの認知度 特定のトピックについての、会社の位置付けを理解する。
顧客の声(VoC) カスタマーレビューの大規模な分析を行い、反応やセンチメントを評価する。
消費者動向 どの企業、トピック、人が影響力を持っているのかを理解する。

Quidのネットワークマップ

Quidのネットワークマップ
1コンテンツが1ノード(点で表示)で表現され、グルーピングや関連性が色や線で視覚化されます。全体像の中心は調査対象のトピックと最も関連する情報となるよう配置されています。

実際の画面

Quidによる人工知能の技術を用いた情報を解析し、視覚化した例
Quidによる人工知能の技術を用いた情報を解析し、視覚化した例

図:Quidが、500,000ソースのニュース・ブログを収録するデータベースから、消費者が関心を寄せた、ウェアラブルデバイス市場に関する話題を自動分類。分類結果に基づき、潜在している消費者のニーズを抽出する。

  • ※1 ディープラーニング:機械学習の1つで、人間が行うタスクを実行できるようコンピュータに学習させる手法。

報道機関からのお問い合わせ先

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
広報部

E-mail:press@ctc-g.co.jp

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