第１回　5Gって何だろう？

用語の説明

5Gとは、第5世代移動通信システムの規格のことです。　国内では2020年3月からサービスが開始されました。 「G」とは「Generation」の略で、5Gは「第5世代移動通信システム」のことを意味します。

移動通信システムは約10年ごとに世代交代をしています。モバイル通信の進化については、第２回でご紹介予定です。

5Gの種類

5Gにはキャリア5Gとローカル5Gの2種類が存在します。

キャリア5G

通信事業者が提供する5Gのネットワークです。
全国のエリアを幅広くカバーして、スマートフォンなどの通信機器をネットワークに接続します。

ローカル5G

企業や自治体等が自ら構築する5Gのネットワークです。
自らの建物や敷地内で使用する「専用のネットワーク」になります。

主な特徴

大きく下記３つの特徴があります。

高速大容量

eMBB：enhanced Mobile Broadband

超低遅延

URLLC：Ultra-Reliable and Low Latency Communications

多数同時接続

mMTC：massive Machine Type Communication

ユースケース（ eMBB、URLLC、mMTC）

それでは、どの様なことが実現できるのでしょうか。それぞれのユースケースをご紹介いたします。

eMBB（高速大容量）

・スマートフォンの通信品質が改善される
人が多く集まる場所（駅、イベント会場など）で通信の混雑が緩和されます。
また大容量データの受信にかかる時間が短縮されます。
これは、5G基地局（通信事業者）が建てられることで、利用できる周波数帯が増え、より多くのデータ量とユーザー数の処理が可能になるからです。

・高精細な映像をストリーミングで送信できる
通信速度が高速になることで、より高精細な4Kや8Kサイズの映像をストリーミングで送信できます。
また、リアルなVR（仮想現実）やAR（拡張現実）も使用可能となります。

maURLLC（超低遅延）

・自動運転や遠隔医療などへの活用
たとえば自動運転の場合、道路上でのトラブルはリアルタイムな反応が必要となります。
これは、遅延の大きさがハイリスクにつながるためです。
超低遅延を実現するURLLCの特性を活かすには、デバイスに近い場所に「エッジコンピューティング」を組み合わせ、コア側の仕組みと合わせてエンドツーエンドの遅延を短縮することで信頼性が高まります。

mMTC（多数同時接続）

・あらゆるモノがインターネットにつながる
今後、IoT時代が本格化する中で、インターネットへ接続できる機器が広がります。
移動しないモノ（家電など）や移動するモノ（車など）、あらゆるモノがインターネットに接続され、豊かな社会生活を生み出します。 具体的なユースケースは第４回「5Gが実現するこれからの未来」 でご紹介予定です。

5G/IoT/AIが生み出す新たな価値

モノ消費からコト消費へ

あらゆるモノがインターネットにつながることで、ユーザーへの提供価値が変化していきます。 モノは、「モノとしての価値」だけではなく、5Gプラットフォームにより付加価値がつくことで、 「コトとしての価値」もユーザーに提供が可能になります。

では、モノ消費とコト消費はどのような違いがあるのでしょうか。

• モノ消費：商品の所有に価値を見出すこと。
  （商品に価値を見出し購入すること）
• コト消費：所有では得られない体験や経験に価値を見出す消費のこと。
  （商品を所有することではなく“体験”に価値を見出すこと）