2012年03月07日 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:奥田陽一、以下:CTC)は、2011年11月に、2010年に全国47都道府県の警察本部に納入したDNA型鑑定支援装置に関し、北海道、埼玉、大阪、及び福岡の4道府県警でより大量のDNA型鑑定を迅速に行うため、機能拡張型DNA型鑑定支援装置の納入及び構築を受注しました。受注金額は4.2億円で、2012年3月に納入完了予定です。
警察庁では、一部の刑事事件での時効廃止に伴うコールド・ケース(未解決事件)への対応や裁判員制度の導入などを始めとしたDNA型鑑定※1の需要の増加に対応するため、2010年より、警察庁にはDNA型大量鑑定装置付属自動DNA型鑑定支援装置と、全国47都道府県の警察本部にDNA型鑑定支援装置を導入し、DNA型鑑定体制の強化を進めてきました。
この度、東日本大震災で身元確認のためのDNA型鑑定が増加したこともあり、DNA型鑑定支援装置の一層の増強が必要となりました。DNA型大量鑑定装置付属自動DNA型鑑定支援装置に準拠した装置である機能拡張型DNA型鑑定支援装置を国内に分散して設置することで、全国に鑑定機能を分散することができ、地域的な大規模災害時のDNA型鑑定にも対応できることを目指します。
今回CTCが納入したシステムは、鑑定嘱託書等の関係書類の受付から鑑定結果の発出までの一連の作業を支援するDNA型鑑定支援装置です。受付からDNA抽出、DNA定量、DNA増幅、電気泳動セットアップまでの過程を自動化し、バーコードを使用して各種の情報管理を実現しています。北海道警、埼玉県警、大阪府警、及び福岡県警それぞれの科学捜査研究所に配置されます。このDNA型鑑定支援装置は、研究、分析、品質管理業務で発生するデータの一元的なデータ管理を可能にするラボラトリー情報管理システム(LIMS:Laboratory Information Management System)※2と試料の前処理や測定等を行う各種装置で構成されています。LIMSは、米STARLIMS社のSTARLIMS V10※3を使用し、CTCが開発した情報管理システム開発基盤EIMANAGER※4も採用し、グラフィカルな統計・検索出力機能を実現することで、LIMSでの管理業務を効率化しています。
CTCは、今後、ニーズに応じて、今回導入した4道府県以外へのLIMSの展開を図るとともに、DNA型鑑定を担当する法医部門以外の科学捜査部門やDNA型鑑定を行う他省庁への展開も図っていきます。
- ※1 DNA型鑑定について:DNAの塩基配列中の、反復配列領域(同じ塩基配列が繰り返して存在する領域)の反復回数を調べることにより、個人を識別する方法。科学捜査(Forensics)分野では、例えば犯行現場の遺留品と被疑者のDNA型鑑定を行い犯人特定に結びつける他、親子関係の特定等にも広く使われている。
- ※2 ラボラトリー情報管理システム(LIMS)について:一般に、研究、分析、品質管理業務で発生するデータを一元的に管理することを目的としたシステム。今回の事例である科学捜査分野で使われる他、医薬品、食品などの製造業における分析業務、品質管理業務、品質保証業務で幅広く採用されている。
- ※3 STARLIMS社について:世界を代表する米国のLIMS専業メーカー。今回導入されたSTARLIMS V10は、完全WEBベース、マルチランゲージ、柔軟な拡張性といった特長を併せ持つ製品であり、科学捜査分野においてもアジアや米国を中心とした多数の実績を持つ。国内では、伊藤忠テクノソリューションズのグループ会社の1つであるシーティーシー・ラボラトリーシステムズ株式会社(CTCLS)が総代理店を務めている。
- ※4 EIMANAGERについて:EIMANAGERは利便性とセキュリティ、更に拡張性に優れた情報管理システム基盤。インターフェース設計にはリッチインターネットアプリケーション構築ツールAdobe FlexによるFlashインターフェースを採用し、Web環境でリッチなユーザインターフェースを実現出来る。また、標準アプリケーションとして文書管理システムやワークフローシステムを提供しており、企業で必要な文書、情報、業務の管理を早期に立ち上げることが可能。
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