CTC、風力発電設備の検査診断と稼働率向上支援サービスを開始

ドイツ風力エネルギー研究所と協業し、診断結果をもとに改善策を提案

2012年08月17日 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:菊地 哲、本社:東京都千代田区、略称:CTC)は、米国の製品安全試験・認証機関であるUL Inc.(代表:Keith E. Williams、本社:イリノイ州ノースブルック)傘下のドイツ風力エネルギー研究所(代表:Jens-Peter Molly、本社:ドイツ・ヴィルヘルムスハーフェン、以下:DEWI)と協業して、風力発電機の検査診断と風車稼働率向上支援サービスを開始します。DEWIと協業した風力発電機の検査診断サービスの提供は国内初となります。従来より提供している風力発電事業支援サービスを拡大し、風力発電機の検査診断結果をもとに風力発電所の資産査定、並びに将来的な運転と保守管理(以下O&M)費用の推定や稼働率向上のための改善策の提案などを含めた風車稼働率向上支援サービスをワンストップで提供します。これらのサービスにより、CTCは風力発電事業立ち上げから運用、保守までを、総合的に支援し、今後3年間で5億円の売り上げを目指します。

7月1日施行の「再生可能エネルギー固定価格買い取り制度」にともない、風力発電事業者への融資や投資をする銀行、リース会社が増加しています。この際、現存の風力発電所の発電設備に問題の有無、事業の経済性評価をはじめとした情報が必要となります。また、風力発電所が安定的に長期間稼働するために、定期的な検査診断を実施することにより発電所の稼働率を向上させ、事業採算性を向上させたいという需要も生まれています。

CTCの新エネルギー関連サービスと実績

これまでもCTCでは、風力発電出力予測システムのSaaSサービス※1、風力・太陽光発電事業を設計から運用まで支援するサービス、地域でのエネルギー管理の計画から運用・評価の段階までを支援するクラウドサービス「E-PLSM※2」など、新エネルギーに関連するサービスを提供しています。風力発電事業では、風力発電量調査を含む技術コンサルティングから風力発電量予測に至るまで、国内風力発電事業の約50%に携わっています。また、太陽光の発電量調査では、過去3年間で海外・国内で延べ30件の実績があり、日本全国における再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査や東北地方における風況変動データベースの構築など経済産業省や環境省からの受託調査、洋上風力発電の導入促進のための実証研究、スマートグリッド関連の実証研究などに参画しています。

DEWIとの協業による風力発電機検査診断サービス

今回開始するサービスは、風力発電関連サービスで海外48ヵ国、1,300以上の顧客を有するDEWIとの協業で提供します。DEWIは、風力発電に関する技術コンサルティング、風力検査業務、リスク評価および、観測測器・風力発電機についての世界的な検査・研究機関として20年以上の実績と経験があります。風力発電所の現地調査では、専門のトレーニングをうけたDEWIの風車検査のスペシャリストとともに、風車基礎から上部に至るまでの各種コンポーネントに対し、試験検査を行います。その結果をもとに、O&M水準や発電機の性能評価、風力発電所の資産査定を行い、風車稼働率向上に関する支援サービスを提供します。さらに、風車の定期検査および、その検査結果をもとにした風車稼働率向上に関するO&M支援サービスも行います。

CTCは今後も、風力、太陽光などの新エネルギー関連事業を総合的に支援するソリューションを提供し、お客様の様々なニーズにお応えするよう、新エネルギー関連事業の一層の強化を図ります。

風力発電機検査の状況

損傷した機械装置

損傷した機械装置

損傷した電気装置

損傷した電気装置

UL Incについて

ULは、100年以上の歴史を持つ世界トップクラスの第三者安全科学機関です。世界46カ国に約9,000名の専門家を有するULは、製品安全(Product Safety)、環境(Environment)、ライフ&ヘルス(Life and Health)、セミナー・情報提供(Knowledge Services)、検査・検証(Verification Services)のサービスを提供する5つの事業部門を設置し、拡大する顧客のニーズに対応すると共に、公共安全というミッションに向けた活動を展開しています。

DEWIについて

DEWIは、1990年にドイツのニーダーザクセン州政府により設立された企業です。同社は風力エネルギー分野における基礎的研究、および業界の発展・維持のための計測技術の発展に携わっており、風力発電所の開発のみではなく、発電所の改善に関連する複数のサービスを提供してきました。なお、同社は2012年6月にULに買収され同グループの一員となりました。

  • ※1 風力発電出力予測システムのSaaSサービスについて:気象庁が発表する数値予報データ(GPV)と、エリア内の風力発電所の合計発電出力実績値をもとに、複数の統計モデルを組み合わせた独自のアルゴリズムを用いて、エリア内の風力発電所の合計発電出力を事前に算出するシステムです。翌日までの風力発電出力を事前に予測できるため、電力系統の運用を支援することが可能です。また、SaaSサービスであることから、低コストかつ短期間で導入することが可能です。
  • ※2 E-PLSMについて:地域でのエネルギー管理の計画から運用・評価の段階までを支援するクラウドサービス。E-PLSMの“E”は、Energy、Economy、Environment及びEcologyを意味し、“PLSM”は、PLatform for Simulation and Managementの略です。E-PLSMを使用することで、スマートコミュニティの計画段階では、地域における風力・太陽光発電の設置、蓄電池の併設等に関し、エネルギー最適化のシミュレーションや経済性評価等を行うことができます。運用段階では、各設備のリアルタイムなモニタリングや電力の売買による経済性評価等を行うことができ、PDCAサイクルに基づくスマートコミュニティ運営が可能になります。

報道機関からのお問い合わせ先

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
広報部

E-mail:press@ctc-g.co.jp

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