2010年04月26日 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(略称:CTC、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:奥田陽一)は、統合型リスク管理ソリューションを提供する米OpenPages社(本社:Waltham, Massachusetts州、CEO:Michael Duffy)と販売代理店契約を締結しました。OpenPages社は、オペレーショナル・リスク※1 統合管理を支援するOpenPages ORM、及びSOX/J-SOX法対応業務を含む財務統制管理を支援するOpenPages FCMを中心とした統合型リスク管理ソリューションを、グローバル規模で提供支援する企業です。 企業に対する統制環境の強化と透明性の必要性が高まる中、CTCでは、今回の販売代理店契約を機に、金融機関や上場企業における統合的なリスク管理ソリューションを展開していきます。売上目標は2011年までに12億円です。
金融機関の自己資本比率規制であるバーゼルⅡ※2 の施行に伴い、2007年2月に改訂された金融庁の「金融検査マニュアル」では、オペレーショナル・リスク管理に関する内部規程・組織体制の整備やリスクの特定、評価、モニタリング、コントロールを金融機関に求めるなど、オペレーショナル・リスク管理の強化が必要となっています。こうした環境の変化のもと、さらなるコスト削減を実現しながら、オペレーショナル・リスク管理の高度化及び効率化をも実現するニーズが高まってきました。 オペレーショナルリスクは、事務事故、システム障害、不正行為等により損失を被るリスクと定義されるもので、金融機関の業務に遍在するものです。このようなオペレーショナルリスクを適切・的確に管理するには、種々さまざまな情報やデータを蓄積し用いる必要がありますが、本システムはこの点において管理の高度化及び効率化の実現を可能とするツールです。
以上のような状況において、CTCでは、みずほ証券株式会社(以下:みずほ証券、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:横尾敬介)から「オペレーショナルリスク統合管理システム」を受注しました。みずほ証券では、バーゼルⅡ自己資本比率規制のオペレーショナルリスク管理に関し、先進的計測手法※3(AMA)適用に向けた準備を進める中で、管理業務の高度化の実現に資するツール導入を検討してきました。検討の結果、OpenPages社の欧米の金融機関を中心とした300件にものぼる多くの導入実績からなる豊富なノウハウの蓄積、リスク自己評価(CSA)管理、外部および内部損失事象管理、キー・リスク・インディケータ(KRI)管理および課題/アクションプラン管理等の製品機能の多様性、及び既存のリスク管理フレームワークを容易に取り込み可能な柔軟性を評価し、OpenPages ORMを中心とした「オペレーショナルリスク統合管理システム」の採用にいたりました。また、システム導入は、数々のインフラ構築の実績があるCTCが担当しています。本システムは5月から段階的にカットオーバーの予定です。
今後、CTCでは、OpenPages社の金融機関におけるオペレーショナルリスク統合管理を支援するOpenPages ORM、SOX/J-SOX対応業務を含む財務統制管理を支援するOpenPages FCMを含む、OpenPages Governance Platformを戦略製品と位置づけ、今回の構築事例をもとに、上場企業や金融機関におけるリスク管理ソリューションビジネスを強化していきます。
OpenPages ORMとOpenPages FCMについて
OpenPages ORMとは
OpenPages ORMは、オペレーショナルリスクの識別、評価、モニタリング、分析、管理といった一連のプロセスを自動化するソフトウェアソリューションです。リスク自己評価(CSA)、外部および内部損失事象、キー・リスク・インディケータ(KRI)および課題/アクションプラン管理を含む全てのリスクデータを統合的に管理します。OpenPages ORMにより、ドキュメントやプロセスの管理を、モニタリングや意思決定支援を行うシステムと連携することで、全社的なリスクの分析、管理、軽減のための作業の簡素化・合理化を実現します。
OpenPages ORM によって企業は、組織内のリスクに関して全体像を把握することができます。また、オペレーショナルリスク管理およびガバナンスを企業文化に取り入れることで、業務プロセスをより効率化し、コスト削減を実現します。
OpenPages FCMとは
OpenPages FCMは、日本版SOX法(財務報告に係る内部統制報告制度)に対応し、文書化から運用状況の評価まで、財務報告に係る内部統制(財務統制)の構築を支援します。テスト、承認、そして認証にいたるまで、財務統制管理に関わる一連の作業を自動化することで、コンプライアンス対応に向けた作業の効率を大幅に向上させると共に、財務統制の状況について可視化を実現します。
用語解説
- ※1 オペレーショナル・リスク:銀行の業務の過程、役職員の活動若しくはシステムが不適切であること又は外生的な事象により損失が発生しうるリスク。
- ※2 バーゼルⅡ(BASEL II):2004年6月にバーゼル銀行監督委員会から最終案が公表された、金融機関の新しい自己資本比率規制のこと。近年の金融機関のリスク管理業務の進展や金融技術の高度化等を踏まえ、金融機関の直面するリスクをより精緻に評価すると同時に、金融機関のリスク管理能力向上を促すことを目指している。
- ※3 先進的計測手法(AMA: Advanced Measurement Approaches):一定の要件を充足することを前提として金融庁長官の承認が必要となる、バーゼル Ⅱにおける高度なオペレーショナル・リスク相当額の計測手法。粗利益に対し定められた掛目を乗じた値をオペレーショナル・リスク相当額とする基礎的手法や粗利益分配手法と異なり、バーゼルⅡ自己資本比率規制・金融庁告示に定められた4つの要素(内部損失データ、外部損失データ、シナリオ分析、業務環境/内部統制要因)を用いて、過去の自社のオペレーショナルリスク事象(内部損失データ)のみならず、今後発生する可能性のある未経験の事象も取り込み計測する手法であり、リスクプロファイルをより適切に反映することが可能。
OpenPages, Inc.について
オープンペイジズ社は、ビジネスパフォーマンスの最適化に向けたエンタープライズGRCマネジメントソリューションを提供する世界有数の企業です。ガバナンス、リスク、コンプライアンス(GRC)活動を統一し、リスク管理機能を日々のビジネスプロセスに組み込むことで、全世界の大企業を支援しています。1996年に設立されたオープンペイジズ社は、米国マサチューセッツ州ウォルサムに本社を構え、UK にインターナショナルオフィスを、また、北米各地に複数の拠点を展開しています。
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