2014年01月21日 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:菊地 哲、本社:東京都千代田区、略称:CTC)は、処理内容に応じて、サーバ、ストレージ、ネットワーク等のITリソースの拡張や削除等を自動で行うアプリケーションを開発します。今年度は、オープンソースのクラウド基盤である「OpenStack※1」をアプリケーションが稼働するプラットフォームとして採用しました。
本プロジェクトは、経済産業省の平成25年度産業技術実用化開発事業費補助金(ソフトウェア制御型クラウドシステム技術開発プロジェクト)の交付を受けて実施します。成果物はオープンソースとして公開し、国内クラウド開発の活性化に貢献します。
昨今、各企業は、プライベートクラウドやパブリッククラウドを含めて様々なITサービスを利用しており、サービス提供者には、サービスの安定性に加え、企業が保有するシステムや他社のクラウドサービスとの連携や高負荷状況への対応など、一層柔軟なサービスが求められています。そのような中、ソフトウェアでクラウド全体を柔軟に制御するシステムはCloud OSと呼ばれて、クラウドサービスの基盤として利用され始めています。
今回CTCが開発するのは、業務システムが取り扱うデータ処理件数や処理の種別に応じてクラウド環境の各種のリソースを制御する、いわゆる「クラウドネイティブ・アプリケーション」です。CPUやメモリ等のインフラの負荷状況ではなく、アプリケーションの処理量や処理方法によってITリソースを制御することで、よりアプリケーションの稼働に応じたインフラの確保が可能になります。
第1弾として、Cloud OSの1つであるOpenStackを稼働環境に採用し、データ量や計算方法に応じてシステム負荷が大きく変動するバッチ処理などを行うクラウドネイティブ・アプリケーションを開発します。
バッチ処理については、企業内のデータ統合基盤として利用が高まるHadoop向けバッチアプリケーション開発用フレームワークである、株式会社ノーチラス・テクノロジーズの「Asakusa Framework™※2」と連携した高速データ処理のアプリケーションを開発します。 CTCは、クラウド間やデータセンター間のサービス連携を、ソフトウェアで効率的に管理するITインフラ基盤をSoftware-defined Infrastructure(SDI)というコンセプトで推進しています。クラウドネイティブ・アプリケーションをSDI環境に最適なアプリケーションと位置づけ、今後、自社クラウドサービスへの応用も含めた開発を進めていきます。
クラウドネイティブ・アプリケーションのイメージ図
式会社ノーチラス・テクノロジーズは、今回のCTCによるクラウドネイティブ・アプリケーション開発の取り組みを心より歓迎いたします。 クラウド上のITリソースを必要に応じて自在に制御し、ビジネスの変化に応じた柔軟なITシステムの構築が、今後更に求められてきます。 Asakusa Framework™は、大規模で複雑なバッチ処理をHadoopを意識せず簡単にかつ理解しやすい形で開発することを可能にし、大容量のデータを多数のサーバで分散並列処理させて高速で安価かつ安全に実行することができます。 CTCの新しいクラウドネイティブ・アプリケーションをベースに、HadoopとAsakusa Framework™の組み合わせがお客様のビジネスに強力なメリットと大きな変革をもたらし、次世代の企業 IT を推進していくことを確信しております。
代表取締役社長 神林 飛志
- ※1 OpenStackについて:データセンター内のサーバ、ストレージ、ネットワーク等のITリソース群を管理し、柔軟なIaaSサービスの提供を可能にするオープンソースソフトウェア。
- ※2 Asakusa Framework™について:Asakusa Framework™はHadoop上で大規模なバッチ処理を行うためのフレームワーク。大容量データを多数のサーバに分散し並列処理させることで高速なデータ処理を実現する。Asakusa Framework™は、バッチシステムに必要な開発環境・実行環境・運用環境を実装しているため、複雑な業務処理もHadoopを意識せず容易に開発可能となり、スケーラブルで堅牢な基幹バッチを、高速で安価かつ安全に実行することが可能。
- ※3 eal Applicaton Centric Kernelについて:マルチスレッド、マルチプロセスプログラミングモデルをIaaS基盤に適用するための機能を提供。
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