AIを活用した陶器デザインの実証実験を開始

京都・宇治の朝日焼の作品画像から、伝統にかなった陶器デザインのAIモデルを生成

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2022年11月08日 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:柘植 一郎、本社:東京都港区、略称:CTC)は、AIのクリエイティブ活用で世界的に知られる株式会社Qosmo(コズモ)(代表取締役:徳井 直生、本社:東京都目黒区)、京都・宇治の朝日焼の窯元である株式会社朝日窯(代表取締役:松林 佑典、本社:京都府宇治市)と共同で、朝日焼としての新たな作品のデザインを生成するAIモデルの実証実験を2022年10月から開始しました。

CTCが新たに始める、伝統工芸でのAI活用を図る取り組み「NeuCraft」(ニュークラフト)の第1弾として実施します。

CTCは、マテリアリティ(重要課題)の一つとして「先進技術のたゆまぬ追求」を掲げており、ITの更なる可能性を追求するため伝統工芸でのAI活用を図る取り組みNeuCraftを開始しました。NeuCraftは、AI技術の根幹にあるNeural Networkと工芸を表すCraftからの造語です。今回、第1弾として、Qosmo及び朝日窯と共同で朝日焼でのAI活用プロジェクトを開始しました。

朝日焼は、約400年前の慶長年間から続く京都・宇治にある窯元です。「宇治茶」と「茶の湯」と共に発展し、江戸時代の初期から遠州七窯の一つにも数えられ、現在では、茶の湯・茶道のための「うつわ」と煎茶・玉露のための「うつわ」を中心に作陶しています。

実証実験では、朝日焼におけるデザイン生成に適したAI技術の調査から始めて、学習用データの収集及び加工、AIモデルを構築して実際の陶器作成までを実施予定です。AIの学習用データとして朝日焼の初代から現在の十六世窯元までの作品画像を撮影したデータを中心に、朝日窯工房の職人による陶器のデータも使用して、朝日焼のAIモデルを構築します。また、生成したデザインへのフィードバックをもとにチューニングを施し、AIモデルの維持や継続的な改善を行っていきます。

AIモデルの活用方法としては、過去の時代の朝日焼に倣った新たなデザインの生成や、特定のキーワードに応じたデザインの生成などを含めて、3社共同で検討していきます。最終的に、作成されたデザインを参考にして、実際の陶器を作成し公開する予定です。

Qosmoは、「アートとテクノロジーを通じて人類の創造性を拡張する」というビジョンのもと、AIの創造的な活用方法の開発を専門とし、今回のプロジェクトではクリエイティブ領域でのAI活用のノウハウをもとに、伝統工芸を含めた社会や文化への貢献を図ります。CTCは、製造業やサービス業などの企業に向けたAIを活用したシステム構築の実績に基づき、今回のプロジェクトとNeuCraftの取り組みを推進します。

NeuCraftの紹介ページ

詳細情報は下記のページをご覧ください。

関連写真

朝日焼 茶盌 月白釉流シ金彩 十六世豊斎

朝日焼 茶盌 月白釉流シ金彩 十六世豊斎

撮影した画像データを元にAIモデルを作成

撮影した画像データを元にAIモデルを作成

今回のプレスリリースに合わせて、以下のコメントを頂いております。

朝日焼は京都・宇治にて、400年に渡り「綺麗さび」の美意識を大切にしながら茶器の制作を続けております。
AIが社会的に認知され始めている昨今、本取り組みを通じて、歴代の窯元やその時代時代のお客様・職人の想いを受け継いだ伝統技術と、先端のテクノロジーがうまく融合し今の時代に受け入れられる何かが出来上がることを期待しております。一方でテクノロジーによる目新しさだけでなく、伝統工芸という領域における人間らしい部分、人が取り組む価値が何なのか見えてくることも期待しております。
工芸とは"道具を使って自分たちの道具を作る"ことと捉えております。AIという最新の"道具"を使用した新たな工芸の可能性を感じて頂きたいと考えております。

朝日焼十六世窯元
松林 豊斎

報道機関からのお問い合わせ先

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
広報部

E-mail:press@ctc-g.co.jp

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